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そこは、南国。獣人の里
2-3 海へ
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奴隷用の白い服から着替え終わって、リリシは部屋に備え付けの鏡を
覗き込む。リリシには、黒い長袖ワンピース。
アミルアは、上は白のフリルブラウスに下は焦げ茶のロングスカートと
言う出で立ちだ。
「ついでに、髪も結ってしまいますわね」
テキパキと、アミルアの手で髪が後ろで一つの三つ編みに編み込まれて行く。
そして、身支度が終わったので部屋の外のダクザを呼ぶのだ。
「ダクザさん。色々考えたんだけど……」
「焦る事は無いゾ。一晩じっくり考えるのダ」
「いいえ、考えは決まってるよ。私達は、獣人の里に行く」
「私も、そのつもりですわ」
「本当カ?ワシは、まだ君達に告げていない事があル。
何故、獣人の里に来て貰うのカ。その理由ヲ」
「どんな理由でしょうか?」
「それこそ、君達の生涯を左右しかねない理由ダ……。
獣人の里に着いてから、理由は話ス。必ずナ」
鉄仮面の下のくぐもった声は、冷静その物だった。
生涯を左右するかもしれない理由……それが、何なのかは分からないが
それでもリリシの決意は変わらない。
「それでハ、今日は宿で休んで明日の朝一番に船に乗るゾ。
船には乗った事はあるカ?」
「無いなぁ。何だか楽しみ」
「海上には、魔物が出る事もあると聞きますわ。
それで、ダクザさん。護身用に私に、短剣を貸して欲しいのです」
「それハ、構わないが君達を危険な目に遭わせるつもりは無いのだゾ。
船の者には、客人として丁重に扱うように言ってあル。
さぁ、今日は食事を摂ってしっかり休メ」
次の日、空は眩しく澄み切っていた。リリシは、顔を上げてスンと
街の空気を吸った。
昨日は、あまり気にならなかったが微かに潮の香りがする。
船で出ると言う事は、ここは海が近いのだと分かった。
隣のアミルアを見ると、ピンク色の髪の毛をサラサラと風で揺らし
遠くに眼差しをやっている。
その隣では行くゾ、と短く声を掛けてダクザが、歩み出していた。
宿のチェックアウトを済ませた三人は、港の近くの浜へと移動していた。
「あれ?船って事は港じゃないの?行先」
「ワシらが、乗るのは正規の船じゃなイ。海賊船ダ」
「か、海賊船!?」
「海賊が、居るなんて……ダクザさん。どう言う事ですの?」
「海賊と言ってモ、略奪ばかりが生業では無いのダ。交易と人助けを
中心に動いている奴も居ル。それに里がある南の土地への航路を知る者は
少なイ。普通の船は、魔物の密集地である南国へは滅多に移動しないが、海賊船なら
武装をしているシ航路は教えてあるからナ」
ダクザは、鉄仮面の下の瞳を海上に走らせると大きく手を振った。
よく目を凝らして見ると、大きな一隻のカヌーが浜へと近づいて来ている。
そして遠くには、黒く染め上げられた旗を持つキャラベル船が見えた。
「おーい、ダクザさん。こっちだ。乗ってくれ」
海賊の構成員らしき日に焼けた顔を持つ男が、カヌーから手招きをした。
三人は、それに乗り込み海賊船の本体へと迎えられる事となる。
覗き込む。リリシには、黒い長袖ワンピース。
アミルアは、上は白のフリルブラウスに下は焦げ茶のロングスカートと
言う出で立ちだ。
「ついでに、髪も結ってしまいますわね」
テキパキと、アミルアの手で髪が後ろで一つの三つ編みに編み込まれて行く。
そして、身支度が終わったので部屋の外のダクザを呼ぶのだ。
「ダクザさん。色々考えたんだけど……」
「焦る事は無いゾ。一晩じっくり考えるのダ」
「いいえ、考えは決まってるよ。私達は、獣人の里に行く」
「私も、そのつもりですわ」
「本当カ?ワシは、まだ君達に告げていない事があル。
何故、獣人の里に来て貰うのカ。その理由ヲ」
「どんな理由でしょうか?」
「それこそ、君達の生涯を左右しかねない理由ダ……。
獣人の里に着いてから、理由は話ス。必ずナ」
鉄仮面の下のくぐもった声は、冷静その物だった。
生涯を左右するかもしれない理由……それが、何なのかは分からないが
それでもリリシの決意は変わらない。
「それでハ、今日は宿で休んで明日の朝一番に船に乗るゾ。
船には乗った事はあるカ?」
「無いなぁ。何だか楽しみ」
「海上には、魔物が出る事もあると聞きますわ。
それで、ダクザさん。護身用に私に、短剣を貸して欲しいのです」
「それハ、構わないが君達を危険な目に遭わせるつもりは無いのだゾ。
船の者には、客人として丁重に扱うように言ってあル。
さぁ、今日は食事を摂ってしっかり休メ」
次の日、空は眩しく澄み切っていた。リリシは、顔を上げてスンと
街の空気を吸った。
昨日は、あまり気にならなかったが微かに潮の香りがする。
船で出ると言う事は、ここは海が近いのだと分かった。
隣のアミルアを見ると、ピンク色の髪の毛をサラサラと風で揺らし
遠くに眼差しをやっている。
その隣では行くゾ、と短く声を掛けてダクザが、歩み出していた。
宿のチェックアウトを済ませた三人は、港の近くの浜へと移動していた。
「あれ?船って事は港じゃないの?行先」
「ワシらが、乗るのは正規の船じゃなイ。海賊船ダ」
「か、海賊船!?」
「海賊が、居るなんて……ダクザさん。どう言う事ですの?」
「海賊と言ってモ、略奪ばかりが生業では無いのダ。交易と人助けを
中心に動いている奴も居ル。それに里がある南の土地への航路を知る者は
少なイ。普通の船は、魔物の密集地である南国へは滅多に移動しないが、海賊船なら
武装をしているシ航路は教えてあるからナ」
ダクザは、鉄仮面の下の瞳を海上に走らせると大きく手を振った。
よく目を凝らして見ると、大きな一隻のカヌーが浜へと近づいて来ている。
そして遠くには、黒く染め上げられた旗を持つキャラベル船が見えた。
「おーい、ダクザさん。こっちだ。乗ってくれ」
海賊の構成員らしき日に焼けた顔を持つ男が、カヌーから手招きをした。
三人は、それに乗り込み海賊船の本体へと迎えられる事となる。
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