2 / 12
刻まれた痕
しおりを挟む
翌朝、朝陽はホテルのキングサイズのベッドで目を覚ました。柔らかなシーツに包まれた体は、昨夜の激しい時間によってかすかに疼いていた。彼はそっと体を起こし、隣を見た。そこには大和の姿はなかった。代わりに、枕元に置かれた一枚のメモが目に入った。
「朝陽、朝食はルームサービスで頼め。シャワー浴びて、準備しとけ。正午にロビーで会おう。―大和」
朝陽はメモを握りつぶすように手に持ち、頬が熱くなるのを感じた。昨夜の出来事が頭をよぎる。大和の唇、指、声―全てが朝陽の体と心に深く刻まれていた。あの支配的な眼差しと、時折見せる優しい仕草のギャップに、朝陽は完全に飲み込まれていた。
「…大和さん」彼は小さく呟き、胸の鼓動が速まるのを感じた。羞恥と幸福感が交錯し、朝陽はシーツをぎゅっと握りしめた。
シャワーを浴びながら、朝陽は鏡に映る自分の体を見た。首筋や胸元に残る赤い痕。昨夜、大和が残したキスマークは、まるで彼の所有物であることを示す烙印のようだった。触れると微かに痛むその痕に、朝陽はなぜか安心感を覚えた。「これ、消えないでほしい…なんて、変だよね」彼は鏡に向かって苦笑いし、頬を染めた。
正午ちょうど、大和はホテルのロビーに現れた。今日はカジュアルな白いシャツに黒のパンツ、だがその堂々とした立ち振る舞いは、まるで周囲の空気を支配するようだった。朝陽は緊張しながらロビーのソファから立ち上がり、彼に近づいた。
「遅刻しなかったな、えらい」大和は朝陽の頭を軽く撫で、ニヤリと笑った。「行くぞ」
「どこ、ですか?」朝陽は小さな声で尋ねた。大和の手が自然に朝陽の腰に回り、まるで逃がさないように引き寄せる。
「俺の家。今日からお前、俺のそばにいろ」
朝陽の心臓がドキンと跳ねた。「え…でも、僕、大学とか…」言葉は途切れがちだったが、大和はそんな朝陽の動揺を楽しむように目を細めた。
「大学? 行かせてやるよ。ちゃんと俺のルールを守ればな」大和の声には、冗談とも本気とも取れる響きがあった。
大和の住むマンションは、都心の高層ビルにあった。モダンで無駄のないインテリア、大きな窓から見える夜景は、朝陽の知る世界とは別次元だった。部屋に入ると、大和は朝陽をソファに座らせ、冷蔵庫から水を取り出した。
「飲め。昨夜、結構体力使っただろ?」大和の言葉に、朝陽は水を受け取りながら顔を真っ赤にした。
「大和さん…あの、昨夜のこと…」朝陽は言葉を濁したが、大和は一歩近づき、朝陽の顎を軽く持ち上げた。
「なんだ? 後悔してる?」その目は朝陽の心を見透かすようだった。
「…違います。後悔なんて、してないです。ただ…僕、こんなの初めてで…」朝陽の声は震えていた。大和はそんな彼を見て、満足げに微笑んだ。
「なら、もっと慣れさせてやるよ」大和は朝陽の手首を掴み、ソファに押し倒した。朝陽の小さな抵抗は、大和の手によって簡単に封じられた。
「大和さん、待って…ここ、明るい…」朝陽は恥ずかしそうに目を逸らしたが、大和は容赦なかった。
「隠すなよ、朝陽。俺はお前の全部が見たい」大和の指が朝陽のシャツをゆっくりと外し、昨夜の痕をなぞった。「この痕、気に入ってるだろ?」
朝陽は小さく頷き、目を閉じた。大和の唇が再び首筋に触れ、軽く歯を立てる。痛みと快感が混じり合い、朝陽の体は自然に反応した。「んっ…大和、さん…」
「いい声だ。もっと聞かせろ」大和の手は朝陽のベルトを外し、ジーンズを下ろした。朝陽は羞恥で身を縮こまらせたが、大和の命令的な声に逆らえなかった。
「手を頭の上で組め。動くなよ」大和の声は低く、絶対的な支配力を帯びていた。朝陽は言われた通りにし、体の震えを抑えきれなかった。大和は近くにあったシルクのスカーフを取り出し、朝陽の手首を軽く縛った。
「や…大和さん、これ…」朝陽の声は不安と期待が入り混じっていた。
「怖いか? でも、お前、こういうの好きだろ?」大和は朝陽の耳元で囁き、指で彼の敏感な部分を軽く刺激した。朝陽の体はビクンと反応し、甘い声が漏れた。
その日の午後は、二人が互いの体と心を探り合う時間となった。大和は朝陽を優しく、だが容赦なく導き、彼の限界を少しずつ試した。朝陽は痛みと快感の波に溺れながらも、大和の手の中で安心感を見出していた。
夜になり、二人はベッドで寄り添っていた。大和は朝陽の髪を指で梳きながら、珍しく穏やかな声で話した。「朝陽、お前、俺に全部預けられるか?」
朝陽は大和の胸に顔を埋め、小さく頷いた。「…うん。大和さんとなら、怖くない」
大和は朝陽を抱きしめ、唇に軽くキスをした。「いい子だ。俺はお前を絶対に手放さない」
その言葉に、朝陽の心は温かいもので満たされた。だが、同時に小さな不安が芽生えていた。この強い愛情は、どこまで自分を連れていくのだろうか―。
「朝陽、朝食はルームサービスで頼め。シャワー浴びて、準備しとけ。正午にロビーで会おう。―大和」
朝陽はメモを握りつぶすように手に持ち、頬が熱くなるのを感じた。昨夜の出来事が頭をよぎる。大和の唇、指、声―全てが朝陽の体と心に深く刻まれていた。あの支配的な眼差しと、時折見せる優しい仕草のギャップに、朝陽は完全に飲み込まれていた。
「…大和さん」彼は小さく呟き、胸の鼓動が速まるのを感じた。羞恥と幸福感が交錯し、朝陽はシーツをぎゅっと握りしめた。
シャワーを浴びながら、朝陽は鏡に映る自分の体を見た。首筋や胸元に残る赤い痕。昨夜、大和が残したキスマークは、まるで彼の所有物であることを示す烙印のようだった。触れると微かに痛むその痕に、朝陽はなぜか安心感を覚えた。「これ、消えないでほしい…なんて、変だよね」彼は鏡に向かって苦笑いし、頬を染めた。
正午ちょうど、大和はホテルのロビーに現れた。今日はカジュアルな白いシャツに黒のパンツ、だがその堂々とした立ち振る舞いは、まるで周囲の空気を支配するようだった。朝陽は緊張しながらロビーのソファから立ち上がり、彼に近づいた。
「遅刻しなかったな、えらい」大和は朝陽の頭を軽く撫で、ニヤリと笑った。「行くぞ」
「どこ、ですか?」朝陽は小さな声で尋ねた。大和の手が自然に朝陽の腰に回り、まるで逃がさないように引き寄せる。
「俺の家。今日からお前、俺のそばにいろ」
朝陽の心臓がドキンと跳ねた。「え…でも、僕、大学とか…」言葉は途切れがちだったが、大和はそんな朝陽の動揺を楽しむように目を細めた。
「大学? 行かせてやるよ。ちゃんと俺のルールを守ればな」大和の声には、冗談とも本気とも取れる響きがあった。
大和の住むマンションは、都心の高層ビルにあった。モダンで無駄のないインテリア、大きな窓から見える夜景は、朝陽の知る世界とは別次元だった。部屋に入ると、大和は朝陽をソファに座らせ、冷蔵庫から水を取り出した。
「飲め。昨夜、結構体力使っただろ?」大和の言葉に、朝陽は水を受け取りながら顔を真っ赤にした。
「大和さん…あの、昨夜のこと…」朝陽は言葉を濁したが、大和は一歩近づき、朝陽の顎を軽く持ち上げた。
「なんだ? 後悔してる?」その目は朝陽の心を見透かすようだった。
「…違います。後悔なんて、してないです。ただ…僕、こんなの初めてで…」朝陽の声は震えていた。大和はそんな彼を見て、満足げに微笑んだ。
「なら、もっと慣れさせてやるよ」大和は朝陽の手首を掴み、ソファに押し倒した。朝陽の小さな抵抗は、大和の手によって簡単に封じられた。
「大和さん、待って…ここ、明るい…」朝陽は恥ずかしそうに目を逸らしたが、大和は容赦なかった。
「隠すなよ、朝陽。俺はお前の全部が見たい」大和の指が朝陽のシャツをゆっくりと外し、昨夜の痕をなぞった。「この痕、気に入ってるだろ?」
朝陽は小さく頷き、目を閉じた。大和の唇が再び首筋に触れ、軽く歯を立てる。痛みと快感が混じり合い、朝陽の体は自然に反応した。「んっ…大和、さん…」
「いい声だ。もっと聞かせろ」大和の手は朝陽のベルトを外し、ジーンズを下ろした。朝陽は羞恥で身を縮こまらせたが、大和の命令的な声に逆らえなかった。
「手を頭の上で組め。動くなよ」大和の声は低く、絶対的な支配力を帯びていた。朝陽は言われた通りにし、体の震えを抑えきれなかった。大和は近くにあったシルクのスカーフを取り出し、朝陽の手首を軽く縛った。
「や…大和さん、これ…」朝陽の声は不安と期待が入り混じっていた。
「怖いか? でも、お前、こういうの好きだろ?」大和は朝陽の耳元で囁き、指で彼の敏感な部分を軽く刺激した。朝陽の体はビクンと反応し、甘い声が漏れた。
その日の午後は、二人が互いの体と心を探り合う時間となった。大和は朝陽を優しく、だが容赦なく導き、彼の限界を少しずつ試した。朝陽は痛みと快感の波に溺れながらも、大和の手の中で安心感を見出していた。
夜になり、二人はベッドで寄り添っていた。大和は朝陽の髪を指で梳きながら、珍しく穏やかな声で話した。「朝陽、お前、俺に全部預けられるか?」
朝陽は大和の胸に顔を埋め、小さく頷いた。「…うん。大和さんとなら、怖くない」
大和は朝陽を抱きしめ、唇に軽くキスをした。「いい子だ。俺はお前を絶対に手放さない」
その言葉に、朝陽の心は温かいもので満たされた。だが、同時に小さな不安が芽生えていた。この強い愛情は、どこまで自分を連れていくのだろうか―。
1
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。
かとらり。
BL
セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。
オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。
それは……重度の被虐趣味だ。
虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。
だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?
そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。
ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる