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最終話 生命と神秘
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あの日、俺は夢と現実を天秤にかけて、その選択を間違えた。
母さんの呼吸器の音が、夜の大学病院に響いていた。
医者は単調に話す。「この機械がなければ、あと一週間ももたない」と。
延命費用の見積書には、これまでよりも桁がひとつ多い数字が並んでいた。
俺の給料じゃ、どうにもならなかった。
バイトを増やしても、現実は冷たい。
画廊で働くあの頃の俺は、絵筆を握ることすら怖かった。
夢を見れば、家族が壊れる。
家族を選べば、夢が死ぬ。
そんな狭間で、毎日が溺れていくようだった。
そんな時ーー俺の恩師が甘い蜜を囁く。
『ーーモデルを一人、紹介してくれないか。若くて、絵になる子なら誰でもいい。謝礼は、五十万だ。お前の母親の病院代に、ちょうどいい額だろう?ーー』
最初は軽い気持ちだった。
アトリエでのヌードモデル。芸術の一環だと、自分に言い聞かせた。
少し肌を見せるくらい、大したことじゃない。そう、思い込もうとしていた。
その時、偶然見かけたんだ。
キャンバスを抱えて、真剣な眼で空を描いていた少年を。
髪に光が透けて、風に揺れていた。
その姿を見て、俺は思った。
(……この子なら、絵になる)
何のしがらみもなく夢を追う眩しい姿が、羨ましくて、妬ましかった。
だから俺は、その浅ましい嫉妬心から、彼を選んだ。
それが、悪夢の始まりだった。
「絵のモデルを探してるんだけど、興味ある?」
何気ない一言の裏で、俺は震えていた。
何の疑いもなく笑顔を向け、差し出した手を握る感触は、罪の輪郭が指先から滲んでくるようで、息が詰まった。
だってまさか、あんなことになるなんて。思いもしなかったんだ。
ーーそんなのはただの言い訳でしかない。謝礼金の異様な額に、どこか頭の片隅では、薄々気付ていた。
彼が泣いていた夜のことを、今でも忘れられない。
叫び声が壁を越えて、胸を刺した。
駆けつけることも、止めることもできなかった。
金を受け取った手のひらが、熱を持って焼けるように痛かった。
その五十万は、すぐに病院代へ消えた。
母さんの息は一ヶ月延びた。
でもその代わりに、俺の中の何かが死んだ。
ーー夢も、誇りも、優しさも。
それから絵を描けなくなった。
どんな線を引いても、あの夜の泣き声が滲んでくる。
俺にとって“芸術”は、もう救いじゃなくなった。
大学も画廊のバイトも辞め、平凡な社会人になった。
母は懸命に生きた。だけど、出来の悪い俺が、その命を終わらせた。
空虚な毎日。奴隷のように働く日々。
それでも、構わなかった。
眠りにつくと、あの日の悪夢が脳裏を過ぎる。
少年の叫び声。心電図のモニターに映し出される平坦な線。鳴り続ける電子音。
休むことなんて許されない。だけど、罪滅ぼしになりもしない。
そう言い聞かせ、がむしゃらに働いた。
何の為に生きているのか分からなくなるほど、ただ罪を背負いながら生き続けた。
あの日の悪夢を、頭の片隅に追いやって。
そして今。
あの夜、俺が壊してしまった少年が、再び俺の前に現れた。
どんな感情が隠れているのか、微笑むその表情の裏は復讐か、猟奇の目か、分からなかった。
「大原さん。僕を、覚えていますか」
胸の奥を貫く言葉は、冷たく、乾いていた。
俺は無言で、首を縦に振ることしかできない。
「……やっと、思い出しましたね」
彰の声が、静かに響いた。
その顔には怒りの影も、涙もない。
ただ、静かな決意とーーどこか憂いを帯びた優しさがあった。
「僕、公園で貴方を見つけた時。運命だと感じました。……目が合った時、やっと見つけたって」
彰は小さく笑う。
その笑みが痛いほど真っすぐで、俺は息ができなかった。
「本当は許すつもりなんてなかったのに。⋯⋯でも、知ってしまった。あなたがすでに贖罪していたこと。母の死に、絵の道を失ったこと」
寒くもないのに、汗が頬を伝う。
早まる心臓の音がうるさい。だけど、彰は静かに言葉を続けた。
「あなたは、僕を壊した。それでも、生き続けた。罪を抱えて。⋯⋯そんな人間を、どうしても恨むことができなかったんです」
「っ……」
「だから、もっと知りたかった。本当のあなたを。あの時の“加害者”じゃなくて、“夢を追いかけた人間”としての、あなたを」
彰は微笑みながら、そっと手を伸ばした。
白い指先が、俺の頬に触れる。
「貴方はずっと後悔していた。そうでしょ?誰かに愛される資格は無いと、下半身まで不能になって」
「そ、れは……」
「でも、あなたの“欲”は、もう僕にしか向けられないんだと分かった。それはきっと、僕への罪の意識がずっと身体を蝕んでいたから。だったら、それでいいと思った」
彰の真っ直ぐな瞳が、目を逸らすことも許さないと語っている。
情けなく怯えていたと思う。彰はクスリと微笑んだ。
「……それに、僕を抱いた貴方は、とても優しかったんです。僕と向き合っても、軽蔑しなかった。……キスなんて、誰にも許したことなかったのに。責任とってくださいよ……?」
「……っ!」
瞳が静かに濡れていた。
優しさとも、狂気ともつかない光が宿る。
「あなたは僕に、罪を償い続けてください。ずっと、僕の側で。僕を愛して、僕に囚われたままでいてください。それが、あなたの生きる罰です」
「……彰、お前……」
「僕は、あなたを赦します。でも赦すことが、あなたを自由にするとは限りません」
彰はゆっくりと笑った。
その笑みは、美しく、そして底が見えないほど冷たかった。
「ねぇ大原さん。僕を壊した罪は、僕が生きている限り、終わらないんです」
その言葉のあと、朝日が差し込んだ。
白い光が、ふたりの影を長く伸ばしていく。
まるで、罪と赦しをひとつの絵に閉じ込めるように。
「大原さん、僕はあなたを死ぬまで愛し続けますよ」
ーーー
朝の光が、カーテンの隙間から差し込んでいた。
部屋の中に、鉛筆の音が響いている。
紙の上を走る細い線が、少しずつひとつの形を結んでいく。
大原は、静かに椅子に座っていた。
裸の上半身に、薄く白い布がかけられている。
まるで絵画の中に取り込まれた人物のようだった。
彰は、息をするたびに指先を震わせた。
線を描くたび、過去の夜の記憶が、少しずつ薄れていく気がした。
「……もう、やめにしないか」
「いいえ。あなたを描き切らないと、僕の時間が進まないんです」
彰は微笑んだ。
その声には、怒りも恨みもなかった。
ただ、どこまでも穏やかで、哀しいほどに優しかった。
窓の外では、街が静かに目を覚ましていた。
鳥の声が遠くで響く。
その音さえも、今はひとつの呼吸のように感じられる。
「⋯⋯不思議だな」
「何がですか」
「……赦される資格なんてないのに、どこかで安心してる」
彰の手が止まった。
ゆっくりと顔を上げる。
光の中で、二人の瞳が穏やかに揺れていた。
「赦しって、そんなものですよ」
「⋯⋯そんなもの?」
「たぶん、終わりがないんです。でも、終わらないからこそ、僕らは生き続けられるんだと思う」
鉛筆の先が、再び紙の上を滑る。
髪の流れ、瞼の陰、指の皺。
彰は、一つひとつを確かめるように描いていく。
やがて、彼は鉛筆を置いた。
「できました」
白い紙の上にあったのは、
眠るように穏やかな男の肖像だった。
悲しみも、痛みも、赦しも、すべてを内包した顔。
彰は微かに息を吐き、その絵を抱くように両手で包む。
二人は再び息を吹き返したように、新しい空気を取り込んだ。
「……これでいい。もう、僕を壊した夜には戻らない」
大原は静かに頷いた。
「⋯⋯あぁ」
二人のあいだに、言葉はいらなかった。
窓の向こうで、陽が昇る。
白い光が部屋に満ちていく。
紙の上の絵も、二人の輪郭も、
やがて同じ光に溶けていった。
描き終えられない絵。
それでも、描くことでしか生きられない人間たち。
赦しは、痛みの向こうにあった。
そして、静かな朝が訪れる。
fin.
母さんの呼吸器の音が、夜の大学病院に響いていた。
医者は単調に話す。「この機械がなければ、あと一週間ももたない」と。
延命費用の見積書には、これまでよりも桁がひとつ多い数字が並んでいた。
俺の給料じゃ、どうにもならなかった。
バイトを増やしても、現実は冷たい。
画廊で働くあの頃の俺は、絵筆を握ることすら怖かった。
夢を見れば、家族が壊れる。
家族を選べば、夢が死ぬ。
そんな狭間で、毎日が溺れていくようだった。
そんな時ーー俺の恩師が甘い蜜を囁く。
『ーーモデルを一人、紹介してくれないか。若くて、絵になる子なら誰でもいい。謝礼は、五十万だ。お前の母親の病院代に、ちょうどいい額だろう?ーー』
最初は軽い気持ちだった。
アトリエでのヌードモデル。芸術の一環だと、自分に言い聞かせた。
少し肌を見せるくらい、大したことじゃない。そう、思い込もうとしていた。
その時、偶然見かけたんだ。
キャンバスを抱えて、真剣な眼で空を描いていた少年を。
髪に光が透けて、風に揺れていた。
その姿を見て、俺は思った。
(……この子なら、絵になる)
何のしがらみもなく夢を追う眩しい姿が、羨ましくて、妬ましかった。
だから俺は、その浅ましい嫉妬心から、彼を選んだ。
それが、悪夢の始まりだった。
「絵のモデルを探してるんだけど、興味ある?」
何気ない一言の裏で、俺は震えていた。
何の疑いもなく笑顔を向け、差し出した手を握る感触は、罪の輪郭が指先から滲んでくるようで、息が詰まった。
だってまさか、あんなことになるなんて。思いもしなかったんだ。
ーーそんなのはただの言い訳でしかない。謝礼金の異様な額に、どこか頭の片隅では、薄々気付ていた。
彼が泣いていた夜のことを、今でも忘れられない。
叫び声が壁を越えて、胸を刺した。
駆けつけることも、止めることもできなかった。
金を受け取った手のひらが、熱を持って焼けるように痛かった。
その五十万は、すぐに病院代へ消えた。
母さんの息は一ヶ月延びた。
でもその代わりに、俺の中の何かが死んだ。
ーー夢も、誇りも、優しさも。
それから絵を描けなくなった。
どんな線を引いても、あの夜の泣き声が滲んでくる。
俺にとって“芸術”は、もう救いじゃなくなった。
大学も画廊のバイトも辞め、平凡な社会人になった。
母は懸命に生きた。だけど、出来の悪い俺が、その命を終わらせた。
空虚な毎日。奴隷のように働く日々。
それでも、構わなかった。
眠りにつくと、あの日の悪夢が脳裏を過ぎる。
少年の叫び声。心電図のモニターに映し出される平坦な線。鳴り続ける電子音。
休むことなんて許されない。だけど、罪滅ぼしになりもしない。
そう言い聞かせ、がむしゃらに働いた。
何の為に生きているのか分からなくなるほど、ただ罪を背負いながら生き続けた。
あの日の悪夢を、頭の片隅に追いやって。
そして今。
あの夜、俺が壊してしまった少年が、再び俺の前に現れた。
どんな感情が隠れているのか、微笑むその表情の裏は復讐か、猟奇の目か、分からなかった。
「大原さん。僕を、覚えていますか」
胸の奥を貫く言葉は、冷たく、乾いていた。
俺は無言で、首を縦に振ることしかできない。
「……やっと、思い出しましたね」
彰の声が、静かに響いた。
その顔には怒りの影も、涙もない。
ただ、静かな決意とーーどこか憂いを帯びた優しさがあった。
「僕、公園で貴方を見つけた時。運命だと感じました。……目が合った時、やっと見つけたって」
彰は小さく笑う。
その笑みが痛いほど真っすぐで、俺は息ができなかった。
「本当は許すつもりなんてなかったのに。⋯⋯でも、知ってしまった。あなたがすでに贖罪していたこと。母の死に、絵の道を失ったこと」
寒くもないのに、汗が頬を伝う。
早まる心臓の音がうるさい。だけど、彰は静かに言葉を続けた。
「あなたは、僕を壊した。それでも、生き続けた。罪を抱えて。⋯⋯そんな人間を、どうしても恨むことができなかったんです」
「っ……」
「だから、もっと知りたかった。本当のあなたを。あの時の“加害者”じゃなくて、“夢を追いかけた人間”としての、あなたを」
彰は微笑みながら、そっと手を伸ばした。
白い指先が、俺の頬に触れる。
「貴方はずっと後悔していた。そうでしょ?誰かに愛される資格は無いと、下半身まで不能になって」
「そ、れは……」
「でも、あなたの“欲”は、もう僕にしか向けられないんだと分かった。それはきっと、僕への罪の意識がずっと身体を蝕んでいたから。だったら、それでいいと思った」
彰の真っ直ぐな瞳が、目を逸らすことも許さないと語っている。
情けなく怯えていたと思う。彰はクスリと微笑んだ。
「……それに、僕を抱いた貴方は、とても優しかったんです。僕と向き合っても、軽蔑しなかった。……キスなんて、誰にも許したことなかったのに。責任とってくださいよ……?」
「……っ!」
瞳が静かに濡れていた。
優しさとも、狂気ともつかない光が宿る。
「あなたは僕に、罪を償い続けてください。ずっと、僕の側で。僕を愛して、僕に囚われたままでいてください。それが、あなたの生きる罰です」
「……彰、お前……」
「僕は、あなたを赦します。でも赦すことが、あなたを自由にするとは限りません」
彰はゆっくりと笑った。
その笑みは、美しく、そして底が見えないほど冷たかった。
「ねぇ大原さん。僕を壊した罪は、僕が生きている限り、終わらないんです」
その言葉のあと、朝日が差し込んだ。
白い光が、ふたりの影を長く伸ばしていく。
まるで、罪と赦しをひとつの絵に閉じ込めるように。
「大原さん、僕はあなたを死ぬまで愛し続けますよ」
ーーー
朝の光が、カーテンの隙間から差し込んでいた。
部屋の中に、鉛筆の音が響いている。
紙の上を走る細い線が、少しずつひとつの形を結んでいく。
大原は、静かに椅子に座っていた。
裸の上半身に、薄く白い布がかけられている。
まるで絵画の中に取り込まれた人物のようだった。
彰は、息をするたびに指先を震わせた。
線を描くたび、過去の夜の記憶が、少しずつ薄れていく気がした。
「……もう、やめにしないか」
「いいえ。あなたを描き切らないと、僕の時間が進まないんです」
彰は微笑んだ。
その声には、怒りも恨みもなかった。
ただ、どこまでも穏やかで、哀しいほどに優しかった。
窓の外では、街が静かに目を覚ましていた。
鳥の声が遠くで響く。
その音さえも、今はひとつの呼吸のように感じられる。
「⋯⋯不思議だな」
「何がですか」
「……赦される資格なんてないのに、どこかで安心してる」
彰の手が止まった。
ゆっくりと顔を上げる。
光の中で、二人の瞳が穏やかに揺れていた。
「赦しって、そんなものですよ」
「⋯⋯そんなもの?」
「たぶん、終わりがないんです。でも、終わらないからこそ、僕らは生き続けられるんだと思う」
鉛筆の先が、再び紙の上を滑る。
髪の流れ、瞼の陰、指の皺。
彰は、一つひとつを確かめるように描いていく。
やがて、彼は鉛筆を置いた。
「できました」
白い紙の上にあったのは、
眠るように穏やかな男の肖像だった。
悲しみも、痛みも、赦しも、すべてを内包した顔。
彰は微かに息を吐き、その絵を抱くように両手で包む。
二人は再び息を吹き返したように、新しい空気を取り込んだ。
「……これでいい。もう、僕を壊した夜には戻らない」
大原は静かに頷いた。
「⋯⋯あぁ」
二人のあいだに、言葉はいらなかった。
窓の向こうで、陽が昇る。
白い光が部屋に満ちていく。
紙の上の絵も、二人の輪郭も、
やがて同じ光に溶けていった。
描き終えられない絵。
それでも、描くことでしか生きられない人間たち。
赦しは、痛みの向こうにあった。
そして、静かな朝が訪れる。
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