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序章 消えた姉の行方
3話 崇高なる支配者たち
「行こう、翔。彼女の言葉は、避けられない運命なんだ」
「はっ、運命……?」
翔は苦く笑う。今度は躊躇なくその手を打ち払った。
「勝手に決めんなよ。俺の人生を」
そう言いながらも、腕の疼きは止まらない。黒い筋は段々と呪いに侵食され、人間の体から逸脱しようとするのがその身で分かる。
耐え難い痛みが現実を突きつける。逃げられない——選ぶことすら許されない。
「っ……」
ルークが翔の掌を優しく掴み、呪われた刻印を優しく撫でる。
すると徐々に痛みは引いて行き、黒い筋は消失した。
先ほどまでの信じ難い呪いの侵食が、嘘のように消え去った。
「っ!?い、痛みが……」
「一つ言い忘れておったことがあるが、ルークにはその呪いの進行を抑える力がある。完全に消えることはないが、旅の道中に支障を来たすほどの無いものにはできる力があるのじゃ」
それ故、ルークから離れることはできん。おぬしが旅を拒んだとしても、ルークは先を征くだろう。と、レティは不敵に笑う。
これが俗にいうナビゲーター的役割を果たす存在なのだと、翔は理解を余儀なくされた。
「それに、その外見ではこの世界を一人で歩むことはできぬぞ。黒い毛髪に黒い瞳を持つ異界の人間は、この世界では魔女の供物として捧げる存在だと、この世界の民は皆、洗脳を受けておるからな。呪いの進行よりも先に、魔女の妄信的信者、もしくは飢えた魔物たちに、捕らわれて終いじゃ」
「っ……」
先ほどの村人たちの血の気の多い眼光を思い出す。ゾッとするような狂気を孕んだあの目は、同じ人間とは思えない。
翔は既にこの世界の呪いに囚われたのだと、絶望を抱く。
「漸く己の立場を理解したようじゃな」
少女は微塵の悪意もなくにこやかに笑う。
まずは物資の調達をしてこいと、どこからともなく何の変哲もないポシェットを二つ、虚空から生み出した。
超越的な偉業に、翔は目を丸くさせる。横で、ポシェットを受け取ったルークは、自然な流れでその一つを腰に巻きつけた。
まだ、どこか現実離れした翔の思いとは裏腹に、レティの瞳が再び光を帯びる。
その光はどこか哀しげで、慈愛に似ていた。
「ゆけ、カケル。この世界は、まだ“救い”を知らぬ。おぬしが見届けよ。滅びの果てにある、“真の再生”を」
少女は、薄暗く湿っぽい洞窟の空間にそぐわず、晴れやかな笑顔をしていた。
「かった……わかったよ!行くしかないんだろ、こんのクソロリババア!」
「そんな汚い言葉を使ってはダメだよ」
翔の叫びとも取れる大きな罵声に、レティよりも先にルークが牽制に入る。
常に穏やかな顔をしていたルークの表情は曇っていた。
しかし当の本人は、高らかに笑っている。
「あっはっは!先ほどよりも良い眼をしておるわ!ククク……もう一つ言い忘れておったが、ルークの首に繋がれたチョーカーは壊すでないぞ。修理に一週間は掛かるからの」
「……は?」
クツクツと笑うレティを他所に、ルークは口を一文字に結び、首元にあしらわれた黒のチョーカーを隠すように衣服で覆い直した。
まるで翔とルーク、どちらにも“警告”をしているかのような、はたまた特に意味を持たない冗談なのか、今の翔には判断がつかなかった。
⚪︎ ×
ルークに再び連れられて、翔はレティの封印された聖堂を抜け祠を後にした。
「これから、旅に出る準備をしないといけない」
言われるがまま、最初に目覚めた丘の下の村へと戻る。
翔は警戒しながらも、ルークの広い背に身を隠すように恐る恐るついていった。
しかし、先ほどまでの狂気が嘘のように、村は静謐な平和に包まれていた。
柔らかな夜風が吹き、花畑には健全な麦の香りが漂う。この世界で初めて目にした光景が、再び五感に触れる。
「さっきまでの陰湿な場所と違って、ここはやっぱり気持ちがいいな⋯⋯」
翔が誰に話しかけるでもなく呆けていると、ルークは笑う。
「ここは、善の集合体——レティ様の御加護の元にある場所だからね」
「善の集合体⋯⋯?」
「うん。レティ様は、この世界の原初の魔女たちが失った善からできている。彼女の慈しみは、本来は魔女たちの物だったんだ。謂わば魔女の娘のような存在なんだよ」
「む、むすめぇ??ど、どういうことだ……?」
淡々と説明をするルークの言葉に、腑に落ちる場所が見当たらない。
ルークは困ったように笑い、細かな説明を始めた。
手元では必要物資をメモに起こしながらも、ルークはこの世界の構造を一頻り話しきる。
翔が迷い込んだこの世界《レセフィロス》は、かつて「善」を失った四人の「原初の魔女」と呼ばれる強大な存在によって創造され、人間・魔族・精霊がせめぎ合う危うい均衡にありながらも、彼女たちは今もなお、それぞれの国家を支配する“神に一番等しい存在”として君臨している。
彼女たちはかつて人を愛し、世界を守ろうとした。
だが、民の悪意・裏切り・戦争を目にし、それぞれが「自らの善性を封印」した。
先ほどまで翔たちが居たあの聖堂は、四柱の魔女の強い結界によって造られたものだった。
《新緑の魔女イデア》慈悲と大地と生命の国——リオヴェラを統治する心優しき君主だった。
今は腐蝕の魔女として、飢えと人喰い花の蔓延る迷宮の地となり、今も貪欲にその生命を呑み込んでいる。
《公平の魔女クローザ》理想と空と自由の国——テンペストを統治する気高き君主だった。
今は孤高の魔女として、空高く隔絶された天空から、民を見下ろし、高く飛べぬ者の羽を切り落としている。
《包容の魔女シレーネ》母性と海と美の国——ネレイアを統治する寛大な君主だった。
今は誘惑の魔女として、歌に酔狂し、侵入者は皆溺死させ、その海は朱く染まっている。
《品格の魔女カグヤ》知恵と霞と理の国——マルノカを統治する聡明な君主だった。
今は欺瞞の魔女として、幻覚と虚偽が蔓延り、真実と嘘の境界が曖昧になり、静かに衰退を辿る。
そして程なくし、善を失った四人の魔女は自国だけでは飽き足らず、姉妹全ての国を支配し、一つの巨大国家に統一しようと考えた。
そのためには、“魔王”の復活——唯一無二の絶対的な力が必要不可欠だと確信した。
《魔王を孕むことができるのは、異界の人間》
この世界に古くから伝わる伝承の元、四人の魔女は魔王を産み落とすために、異界の人間の肚が必要だと、民に徹底的に叩き込んだ。
そして黒魔術を融合させた召喚術を生み出し、異世界を繋ぐ媒体を創り出し、そのプレイヤー達を次々転移させていた。
そして翔もまた、いずれかの魔女によって、新たな“器候補”として、この世界に召喚されていた。
「はっ、運命……?」
翔は苦く笑う。今度は躊躇なくその手を打ち払った。
「勝手に決めんなよ。俺の人生を」
そう言いながらも、腕の疼きは止まらない。黒い筋は段々と呪いに侵食され、人間の体から逸脱しようとするのがその身で分かる。
耐え難い痛みが現実を突きつける。逃げられない——選ぶことすら許されない。
「っ……」
ルークが翔の掌を優しく掴み、呪われた刻印を優しく撫でる。
すると徐々に痛みは引いて行き、黒い筋は消失した。
先ほどまでの信じ難い呪いの侵食が、嘘のように消え去った。
「っ!?い、痛みが……」
「一つ言い忘れておったことがあるが、ルークにはその呪いの進行を抑える力がある。完全に消えることはないが、旅の道中に支障を来たすほどの無いものにはできる力があるのじゃ」
それ故、ルークから離れることはできん。おぬしが旅を拒んだとしても、ルークは先を征くだろう。と、レティは不敵に笑う。
これが俗にいうナビゲーター的役割を果たす存在なのだと、翔は理解を余儀なくされた。
「それに、その外見ではこの世界を一人で歩むことはできぬぞ。黒い毛髪に黒い瞳を持つ異界の人間は、この世界では魔女の供物として捧げる存在だと、この世界の民は皆、洗脳を受けておるからな。呪いの進行よりも先に、魔女の妄信的信者、もしくは飢えた魔物たちに、捕らわれて終いじゃ」
「っ……」
先ほどの村人たちの血の気の多い眼光を思い出す。ゾッとするような狂気を孕んだあの目は、同じ人間とは思えない。
翔は既にこの世界の呪いに囚われたのだと、絶望を抱く。
「漸く己の立場を理解したようじゃな」
少女は微塵の悪意もなくにこやかに笑う。
まずは物資の調達をしてこいと、どこからともなく何の変哲もないポシェットを二つ、虚空から生み出した。
超越的な偉業に、翔は目を丸くさせる。横で、ポシェットを受け取ったルークは、自然な流れでその一つを腰に巻きつけた。
まだ、どこか現実離れした翔の思いとは裏腹に、レティの瞳が再び光を帯びる。
その光はどこか哀しげで、慈愛に似ていた。
「ゆけ、カケル。この世界は、まだ“救い”を知らぬ。おぬしが見届けよ。滅びの果てにある、“真の再生”を」
少女は、薄暗く湿っぽい洞窟の空間にそぐわず、晴れやかな笑顔をしていた。
「かった……わかったよ!行くしかないんだろ、こんのクソロリババア!」
「そんな汚い言葉を使ってはダメだよ」
翔の叫びとも取れる大きな罵声に、レティよりも先にルークが牽制に入る。
常に穏やかな顔をしていたルークの表情は曇っていた。
しかし当の本人は、高らかに笑っている。
「あっはっは!先ほどよりも良い眼をしておるわ!ククク……もう一つ言い忘れておったが、ルークの首に繋がれたチョーカーは壊すでないぞ。修理に一週間は掛かるからの」
「……は?」
クツクツと笑うレティを他所に、ルークは口を一文字に結び、首元にあしらわれた黒のチョーカーを隠すように衣服で覆い直した。
まるで翔とルーク、どちらにも“警告”をしているかのような、はたまた特に意味を持たない冗談なのか、今の翔には判断がつかなかった。
⚪︎ ×
ルークに再び連れられて、翔はレティの封印された聖堂を抜け祠を後にした。
「これから、旅に出る準備をしないといけない」
言われるがまま、最初に目覚めた丘の下の村へと戻る。
翔は警戒しながらも、ルークの広い背に身を隠すように恐る恐るついていった。
しかし、先ほどまでの狂気が嘘のように、村は静謐な平和に包まれていた。
柔らかな夜風が吹き、花畑には健全な麦の香りが漂う。この世界で初めて目にした光景が、再び五感に触れる。
「さっきまでの陰湿な場所と違って、ここはやっぱり気持ちがいいな⋯⋯」
翔が誰に話しかけるでもなく呆けていると、ルークは笑う。
「ここは、善の集合体——レティ様の御加護の元にある場所だからね」
「善の集合体⋯⋯?」
「うん。レティ様は、この世界の原初の魔女たちが失った善からできている。彼女の慈しみは、本来は魔女たちの物だったんだ。謂わば魔女の娘のような存在なんだよ」
「む、むすめぇ??ど、どういうことだ……?」
淡々と説明をするルークの言葉に、腑に落ちる場所が見当たらない。
ルークは困ったように笑い、細かな説明を始めた。
手元では必要物資をメモに起こしながらも、ルークはこの世界の構造を一頻り話しきる。
翔が迷い込んだこの世界《レセフィロス》は、かつて「善」を失った四人の「原初の魔女」と呼ばれる強大な存在によって創造され、人間・魔族・精霊がせめぎ合う危うい均衡にありながらも、彼女たちは今もなお、それぞれの国家を支配する“神に一番等しい存在”として君臨している。
彼女たちはかつて人を愛し、世界を守ろうとした。
だが、民の悪意・裏切り・戦争を目にし、それぞれが「自らの善性を封印」した。
先ほどまで翔たちが居たあの聖堂は、四柱の魔女の強い結界によって造られたものだった。
《新緑の魔女イデア》慈悲と大地と生命の国——リオヴェラを統治する心優しき君主だった。
今は腐蝕の魔女として、飢えと人喰い花の蔓延る迷宮の地となり、今も貪欲にその生命を呑み込んでいる。
《公平の魔女クローザ》理想と空と自由の国——テンペストを統治する気高き君主だった。
今は孤高の魔女として、空高く隔絶された天空から、民を見下ろし、高く飛べぬ者の羽を切り落としている。
《包容の魔女シレーネ》母性と海と美の国——ネレイアを統治する寛大な君主だった。
今は誘惑の魔女として、歌に酔狂し、侵入者は皆溺死させ、その海は朱く染まっている。
《品格の魔女カグヤ》知恵と霞と理の国——マルノカを統治する聡明な君主だった。
今は欺瞞の魔女として、幻覚と虚偽が蔓延り、真実と嘘の境界が曖昧になり、静かに衰退を辿る。
そして程なくし、善を失った四人の魔女は自国だけでは飽き足らず、姉妹全ての国を支配し、一つの巨大国家に統一しようと考えた。
そのためには、“魔王”の復活——唯一無二の絶対的な力が必要不可欠だと確信した。
《魔王を孕むことができるのは、異界の人間》
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そして黒魔術を融合させた召喚術を生み出し、異世界を繋ぐ媒体を創り出し、そのプレイヤー達を次々転移させていた。
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