BAD ENDしかないゲームの世界で、俺は幸せを掴んでみせる 〜導きのカケラと呪われた転生者〜

🍚🐴

文字の大きさ
8 / 24
序章 消えた姉の行方

7話 占い師アデル

​「ま、アナタもそのうちわかるはずよ。アタシは前世の稼業を生かしたかったから、ホントはカグヤの召喚を受けたかったのだけど、こればっかりは運だわね」

「……?今と変わらずオカマバーだろ……」

「違うわよ!アタシこう見えて昔は占い師だったの。それもかなりの評判だったのよ~?」

「占い師ぃ?胡散臭すぎる」

「言うわね~?そうだわ、特別にアナタのこと占ってあげるわ。もしかしたらどの能力を持っているか分かるかもしれないわよ。報酬は……そうねぇ、この世界のお金もまだ持ってなさそうだし、今回は特別価格でアナタのを聞かせてくれたら、お代はタダでいいわよ♡」

「はっ!?い、い、言うわけないだろ!」
明らかに動揺する翔の慌てっぷりを見て、上から下まで一瞥したアデルは、もういいわ、分かったから。身体もウブなのねと、小馬鹿にするように簡単に見抜いてしまう。
翔は顔を真っ赤にしながらうるせえ!ちがうし!と手遅れすぎる苦しい嘘を吐きながらアデルを睨みつけた。

​アデルは、はいはいと言葉を受け流し翔の手を取る。触んなと叫び振り払おうとしても、屈強な力で押さえ込まれ、優雅な素振りで指に触れた。

「どれどれ~。アナタの未来は……。——ッ!?」

アデルの先ほどまでの陽気な態度が一変する。
額に脂汗が浮かび、奇抜な目元の化粧が滲んでいく。

「アナタ……ルークちゃんの側から決して離れるんじゃないわよ。……さもないと、凄惨なを迎えることになるわ」

「は、なに……」

含みのある物言いに、翔は困惑する。それでもアデルは、翔の未来を無遠慮に覗いていく。

「酷いわね……凄まじくとんでもない数の未来を持っているわ。どれも過酷で、辛いものばかり……唯一、ほのかな光が差す場所があるけれど、とても遠くて、残酷だわ」

最後に、視なきゃ良かった。と大きなため息を漏らしながら、いつの間にか手汗をびっしょりをかいており、翔をその手から解放した。
アデルのその手は、ガタイに似合わず小さく震えている。

「……は、はっ!?おいっ、何が見えたんだよ!?勿体ぶってないで教えろ!」

アデルの反応から、不吉で嫌な予感しかしない翔は、早くその正体を暴きたくて仕方がなかった。
しかし、アデルは首を横に振る。

「……ごめんなさい。言えないわ。いいえ、言うべきじゃない。アナタの未来はとても不安定で、蝶が羽ばたく微かな風でさえ、未来に強く影響を受けてしまう可能性があるの」

「何だよそれ……やっぱりペテンなんじゃねえのか?」

「そうね。それでもいいわ。確かに、アナタの未来はモヤが強く見えづらい。唯一視えたものでさえ、確証が得られない未来だった」

「……ふん。まあ、別に良いけど……そもそも信じないし」
視えたって、期待したり不安になるだけだし……と翔は腑に落ちてない態度で自らを納得させた。

​「でも、覚えておいて。アナタたちがはじめに向かうリオヴェラはね、『命の循環』を軸にしているの。そこではきっと、想像し難い過酷な未来が待っているけれど……それは、単なる序章に過ぎないわ」

「えっ!?」
俺たちの行き先、こいつに言ったのかと翔はルークに目配せをするが、ルークは静かに首を横に振るだけだった。

「……まあ、でも、そうねぇ……」
アデルは目の色を変えて、再び頭からじっくり舐るように翔を目に焼き付ける。
そして小さく肩を下ろした。

「仕方がないわ。アナタにルークちゃんを託してあげる。あんなもの見せられたら、付け入る隙なんてありゃしないわよ」

「は、何言ってんだよ……気色わりぃ」

軽蔑の態度を隠さない翔に対し、こちらの話を聞いているのかすらも怪しいほど、ルークは終始穏やかに食事を進めていた。

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

異世界に勇者として召喚された俺、ラスボスの魔王に敗北したら城に囚われ執着と独占欲まみれの甘い生活が始まりました

水凪しおん
BL
ごく普通の日本人だった俺、ハルキは、事故であっけなく死んだ――と思ったら、剣と魔法の異世界で『勇者』として目覚めた。 世界の命運を背負い、魔王討伐へと向かった俺を待っていたのは、圧倒的な力を持つ美しき魔王ゼノン。 「見つけた、俺の運命」 敗北した俺に彼が告げたのは、死の宣告ではなく、甘い所有宣言だった。 冷徹なはずの魔王は、俺を城に囚え、身も心も蕩けるほどに溺愛し始める。 食事も、着替えも、眠る時でさえ彼の腕の中。 その執着と独占欲に戸惑いながらも、時折見せる彼の孤独な瞳に、俺の心は抗いがたく惹かれていく。 敵同士から始まる、歪で甘い主従関係。 世界を敵に回しても手に入れたい、唯一の愛の物語。

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる

クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。

猫を追いかけて異世界に来たら、拾ってくれたのは優しい貴族様でした

水無瀬 蒼
BL
清石拓也はある日飼い猫の黒猫・ルナを追って古びた神社に紛れ込んだ。 そこで、御神木の根に足をひっかけて転んでしまう。 倒れる瞬間、大きな光に飲み込まれる。 そして目を覚ましたのは、遺跡の中だった。 体調の悪い拓也を助けてくれたのは貴族のレオニス・アーゼンハイツだった。 2026.1.5〜

追放された没落貴族、拾った通信水晶で神々の配信者になる〜規格外チートと温かいご飯で古代竜もテイムして無双〜

黒崎隼人
ファンタジー
名門アークライト家の三男リオンは、魔力がないという理由で二十歳の誕生日に理不尽に家を追放されてしまう。 行くあてもなく彷徨い込んだ辺境の森で、彼は落ち葉に埋もれていた古びた通信水晶を見つける。 なんとその水晶は、天上界で退屈していた神々の暇つぶし用ネットワークに繋がっていたのだ! 「あなたの姿、神様たちがみんな見てるわよ!」 少し抜けた女神アリアのうっかりミスにより、リオンの生き抜くための姿は神々に生配信されることに。 生きるために危険な迷宮へと足を踏み入れたリオンだったが、神々からのお詫びの「祝福」により、彼自身も驚くほどの規格外の身体能力を手に入れる。 魔物を圧倒的な力で討伐する華麗な身のこなし。 迷宮の片隅で火を熾し、温かく美味しそうな食事を作る素朴な風景。 天上界には存在しないその新鮮な光景に、神々はたちまち大熱狂! 「これ、神様たちからの贈り物よ!」 配信のコメント欄が盛り上がるたび、強力な武器や未知の魔法、そして温かいパンや新鮮な食材といった「投げ銭」が天上界から次々と降り注ぐ。 迷宮で危機に陥っていた誇り高きエルフの弓使いルミナを温かいスープで救い、 配信から漏れ出る神々しい光を感じ取った純白の聖女クレアからは「神の御使い様」と崇められ、 ついには迷宮最深部で数千年の眠りについていた伝説の古代竜の孤独な心をも、その優しさで溶かしていく。 これは、すべてを失った青年が、神々と仲間たちの温かい光に導かれ、新しい領地で笑顔あふれる日々を切り拓いていく――世界で一番温かい神話の始まりの物語。