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序章 消えた姉の行方
7話 占い師アデル
「ま、アナタもそのうちわかるはずよ。アタシは前世の稼業を生かしたかったから、ホントはカグヤの召喚を受けたかったのだけど、こればっかりは運だわね」
「……?今と変わらずオカマバーだろ……」
「違うわよ!アタシこう見えて昔は占い師だったの。それもかなりの評判だったのよ~?」
「占い師ぃ?胡散臭すぎる」
「言うわね~?そうだわ、特別にアナタのこと占ってあげるわ。もしかしたらどの能力を持っているか分かるかもしれないわよ。報酬は……そうねぇ、この世界のお金もまだ持ってなさそうだし、今回は特別価格でアナタの初体験を聞かせてくれたら、お代はタダでいいわよ♡」
「はっ!?い、い、言うわけないだろ!」
明らかに動揺する翔の慌てっぷりを見て、上から下まで一瞥したアデルは、もういいわ、分かったから。身体もウブなのねと、小馬鹿にするように簡単に見抜いてしまう。
翔は顔を真っ赤にしながらうるせえ!ちがうし!と手遅れすぎる苦しい嘘を吐きながらアデルを睨みつけた。
アデルは、はいはいと言葉を受け流し翔の手を取る。触んなと叫び振り払おうとしても、屈強な力で押さえ込まれ、優雅な素振りで指に触れた。
「どれどれ~。アナタの未来は……。——ッ!?」
アデルの先ほどまでの陽気な態度が一変する。
額に脂汗が浮かび、奇抜な目元の化粧が滲んでいく。
「アナタ……ルークちゃんの側から決して離れるんじゃないわよ。……さもないと、凄惨な初体験を迎えることになるわ」
「は、なに……」
含みのある物言いに、翔は困惑する。それでもアデルは、翔の未来を無遠慮に覗いていく。
「酷いわね……凄まじくとんでもない数の未来を持っているわ。どれも過酷で、辛いものばかり……唯一、ほのかな光が差す場所があるけれど、とても遠くて、残酷だわ」
最後に、視なきゃ良かった。と大きなため息を漏らしながら、いつの間にか手汗をびっしょりをかいており、翔をその手から解放した。
アデルのその手は、ガタイに似合わず小さく震えている。
「……は、はっ!?おいっ、何が見えたんだよ!?勿体ぶってないで教えろ!」
アデルの反応から、不吉で嫌な予感しかしない翔は、早くその正体を暴きたくて仕方がなかった。
しかし、アデルは首を横に振る。
「……ごめんなさい。言えないわ。いいえ、言うべきじゃない。アナタの未来はとても不安定で、蝶が羽ばたく微かな風でさえ、未来に強く影響を受けてしまう可能性があるの」
「何だよそれ……やっぱりペテンなんじゃねえのか?」
「そうね。それでもいいわ。確かに、アナタの未来はモヤが強く見えづらい。唯一視えたものでさえ、確証が得られない未来だった」
「……ふん。まあ、別に良いけど……そもそも信じないし」
視えたって、期待したり不安になるだけだし……と翔は腑に落ちてない態度で自らを納得させた。
「でも、覚えておいて。アナタたちがはじめに向かうリオヴェラはね、『命の循環』を軸にしているの。そこではきっと、想像し難い過酷な未来が待っているけれど……それは、単なる序章に過ぎないわ」
「えっ!?」
俺たちの行き先、こいつに言ったのかと翔はルークに目配せをするが、ルークは静かに首を横に振るだけだった。
「……まあ、でも、そうねぇ……」
アデルは目の色を変えて、再び頭からじっくり舐るように翔を目に焼き付ける。
そして小さく肩を下ろした。
「仕方がないわ。アナタにルークちゃんを託してあげる。あんなもの見せられたら、付け入る隙なんてありゃしないわよ」
「は、何言ってんだよ……気色わりぃ」
軽蔑の態度を隠さない翔に対し、こちらの話を聞いているのかすらも怪しいほど、ルークは終始穏やかに食事を進めていた。
「……?今と変わらずオカマバーだろ……」
「違うわよ!アタシこう見えて昔は占い師だったの。それもかなりの評判だったのよ~?」
「占い師ぃ?胡散臭すぎる」
「言うわね~?そうだわ、特別にアナタのこと占ってあげるわ。もしかしたらどの能力を持っているか分かるかもしれないわよ。報酬は……そうねぇ、この世界のお金もまだ持ってなさそうだし、今回は特別価格でアナタの初体験を聞かせてくれたら、お代はタダでいいわよ♡」
「はっ!?い、い、言うわけないだろ!」
明らかに動揺する翔の慌てっぷりを見て、上から下まで一瞥したアデルは、もういいわ、分かったから。身体もウブなのねと、小馬鹿にするように簡単に見抜いてしまう。
翔は顔を真っ赤にしながらうるせえ!ちがうし!と手遅れすぎる苦しい嘘を吐きながらアデルを睨みつけた。
アデルは、はいはいと言葉を受け流し翔の手を取る。触んなと叫び振り払おうとしても、屈強な力で押さえ込まれ、優雅な素振りで指に触れた。
「どれどれ~。アナタの未来は……。——ッ!?」
アデルの先ほどまでの陽気な態度が一変する。
額に脂汗が浮かび、奇抜な目元の化粧が滲んでいく。
「アナタ……ルークちゃんの側から決して離れるんじゃないわよ。……さもないと、凄惨な初体験を迎えることになるわ」
「は、なに……」
含みのある物言いに、翔は困惑する。それでもアデルは、翔の未来を無遠慮に覗いていく。
「酷いわね……凄まじくとんでもない数の未来を持っているわ。どれも過酷で、辛いものばかり……唯一、ほのかな光が差す場所があるけれど、とても遠くて、残酷だわ」
最後に、視なきゃ良かった。と大きなため息を漏らしながら、いつの間にか手汗をびっしょりをかいており、翔をその手から解放した。
アデルのその手は、ガタイに似合わず小さく震えている。
「……は、はっ!?おいっ、何が見えたんだよ!?勿体ぶってないで教えろ!」
アデルの反応から、不吉で嫌な予感しかしない翔は、早くその正体を暴きたくて仕方がなかった。
しかし、アデルは首を横に振る。
「……ごめんなさい。言えないわ。いいえ、言うべきじゃない。アナタの未来はとても不安定で、蝶が羽ばたく微かな風でさえ、未来に強く影響を受けてしまう可能性があるの」
「何だよそれ……やっぱりペテンなんじゃねえのか?」
「そうね。それでもいいわ。確かに、アナタの未来はモヤが強く見えづらい。唯一視えたものでさえ、確証が得られない未来だった」
「……ふん。まあ、別に良いけど……そもそも信じないし」
視えたって、期待したり不安になるだけだし……と翔は腑に落ちてない態度で自らを納得させた。
「でも、覚えておいて。アナタたちがはじめに向かうリオヴェラはね、『命の循環』を軸にしているの。そこではきっと、想像し難い過酷な未来が待っているけれど……それは、単なる序章に過ぎないわ」
「えっ!?」
俺たちの行き先、こいつに言ったのかと翔はルークに目配せをするが、ルークは静かに首を横に振るだけだった。
「……まあ、でも、そうねぇ……」
アデルは目の色を変えて、再び頭からじっくり舐るように翔を目に焼き付ける。
そして小さく肩を下ろした。
「仕方がないわ。アナタにルークちゃんを託してあげる。あんなもの見せられたら、付け入る隙なんてありゃしないわよ」
「は、何言ってんだよ……気色わりぃ」
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