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婚約破棄はどこ?
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春の暖かい日差しの中、王都の端にある古い離宮のこじんまりとした庭園。
カレンダー王国の第一王子のスティーブンは、目の前に座っているイヴェール伯爵令嬢に小さな声で告げた。
「ハリー、君との婚約を破棄しようと思う。」
僕の大切なハリエット。
いつでもどんなときでも明るく朗らかで、怖がりな僕を強く引っ張ってくれる可愛い僕の小さな天使。
幼い時から、わざと無茶な挑戦をして見せて、失敗しても一緒に笑う。
「あら、なぜ破棄する必要がありますの?」
でもいつの間にか『キツイ顔つきの見た目通り強引で我儘な上、王族を引っ張り回す作法もなってない残念な娘』として、酷い噂もすっかり定着してしまった。
それも僕の良い印象を作るための行動だとしても、大きな声で違うと叫びたい。
「二日後、国境のスミッコ砦に、救援部隊として行くことになった。砦が隣国のアバレン国の兵五百に取り囲まれている。二百が籠城中だが、囲んだ敵を追い返すのが目的だ」
「ステフが救援部隊?追い返す?」
「後続として副将軍が来てくれる。まずは牽制で砦を落とされない様に動く予定だよ」
本当の君は、悪意ある噂に傷ついてない振りをするのが下手だ。
釣り目がちの深い青の瞳は、いつだって強い好奇心と慈愛の心で輝いている。
黒に見えるほど濃い紫の髪は、誰かの幸福のために使う魔術を蓄えている。
驚くほどの英知を持っているのに、それは決して自分の為に使わない。
伸びやかな体は護身のためと言い訳しながら、誰かを守る為に鍛え続けて、いや少し痩身の目的もあると思うが。
君の華奢な手は、手袋の下に沢山の秘密がある。小さな傷や火傷、剣だこやインク汚れ。不器用なのに努力することを止めない、負けず嫌いな性格。
周囲の大人に対抗する為に作った、笑顔の冷たい仮面。どんな棘を刺しても崩れない様に硬く強くなっていった仮面。
「王子を囮に出す馬鹿は誰」
冷たく固まる彼女は低く唸るように尋ね、僕の側近であるハリーの兄アイザックが、矢継ぎ早な質問に兄弟の気安さで手早く答えていく。
僕が後ろ盾がある王子であれば、第一子でなければ、君を傷つけ続ける事もなかったのに。
君はそんな似合わない仮面をかぶり続ける必要もなかったのに。
「私が、もし帰って来る事ができれば、改めて君に求婚させてくれ。」
君を自由にしたいんだ。
偽りの君を続けて欲しくない。だから
「だが、断る!」
きっぱりとした声と共に、硬く厚く凍った仮面が壊れる。
君のむき出しの怒りが輝くように溢れ出て、険しくも美しい表情に血の気が集まってくる。
「お兄様!今から教会に参ります。ステフを運んでくださいませ!」
気が付けば馴染みの教会でベネット司教とお茶を飲んでいた。
「ほっほ。ハリエット様は相変わらず勢いがいいですな。スティーブン殿下、そろそろ立て直してくだされ。」
「え?あ、はい。司教様?」
短く切りそろえた白いひげを撫でながら、いつも朗らかに笑う司教様は、今日は格式の高い典礼用の服装で、少し興奮しているのか薄い青の目の周りが赤くなっている。
「儂ももう一頑張り出来るのが、楽しみですぞ!」
むんっと荷運び人並みの太い両腕を上にあげて立ち上がり、いつの間にか集まっていた孤児院の子供たちと一緒に、戦神に捧げる筋肉の祈りの型比べが始まってしまった。
それからはハリーとアイザックの説得とベネット司教の勢いで、略式の婚姻式を挙げることになってしまった。
あくまでも略式だから大丈夫と司教は笑い、ここだけの秘密だと集まった顔なじみの皆に、今から急遽「出兵前のお祈り」に参加してほしいと、説明。
うん、皆いい笑顔で頷いてるけど、結婚おめでとうって言ってる時点で秘密じゃない。
特別なドレスや装いもないけれど、侍女達と孤児院の女の子たちが作ってくれた、お揃いの花冠と花の指輪で、神々の祭壇で式を挙げることができた。気が付けばちゃっかり母と弟が混ざっている。
幸せそうに笑う君の笑顔が眩しくて、うまく笑顔は作れないけど、泣かないように堪えるので精一杯な僕を許してほしい。
「ステフの泣き虫はいつまでたっても治らないわね!」
「泣き虫は酷いなぁ。ハリーが男前過ぎるから悪いんだよ?」
ほらっと男泣きに泣いているアイザックを指さすと、肩をすくめ腕を絡めてくる。
「帰ってきたら二人とも、司教様に筋肉奉納特訓してもらわないとね!」
「あーそれはちょっとキツイ。いや、本当に勘弁してほしい。もう無理。」
「何よ、私もちゃんと参加するわよ!また一緒に特訓ね!」
澄んだ水色の空の下、君の深い深い青い瞳が潤んで揺れている。
君が泣かない様に、僕に出来る事を全てをしよう。
怖がりな僕が一番怖いのは、君が涙を流す事。
涙と一緒に青い空へ瞳が溶けていって、君が消えてしまう気がする。
神々が見ているなら、一つだけ願いをかなえて欲しい。
僕の願いは彼女の幸せ。
愛してる。彼女を幸せに。
生きて戻るから、何があっても何をしても。君に笑顔でいて貰えるように。
ロミオな気持ちで書いてみた。ロマンチスト過ぎてひくわー。
初夜は帰って来てから。さすがに「俺帰ったら、あの子と初夜なんだ」ってフラグは言わせないw
カレンダー王国の第一王子のスティーブンは、目の前に座っているイヴェール伯爵令嬢に小さな声で告げた。
「ハリー、君との婚約を破棄しようと思う。」
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いつでもどんなときでも明るく朗らかで、怖がりな僕を強く引っ張ってくれる可愛い僕の小さな天使。
幼い時から、わざと無茶な挑戦をして見せて、失敗しても一緒に笑う。
「あら、なぜ破棄する必要がありますの?」
でもいつの間にか『キツイ顔つきの見た目通り強引で我儘な上、王族を引っ張り回す作法もなってない残念な娘』として、酷い噂もすっかり定着してしまった。
それも僕の良い印象を作るための行動だとしても、大きな声で違うと叫びたい。
「二日後、国境のスミッコ砦に、救援部隊として行くことになった。砦が隣国のアバレン国の兵五百に取り囲まれている。二百が籠城中だが、囲んだ敵を追い返すのが目的だ」
「ステフが救援部隊?追い返す?」
「後続として副将軍が来てくれる。まずは牽制で砦を落とされない様に動く予定だよ」
本当の君は、悪意ある噂に傷ついてない振りをするのが下手だ。
釣り目がちの深い青の瞳は、いつだって強い好奇心と慈愛の心で輝いている。
黒に見えるほど濃い紫の髪は、誰かの幸福のために使う魔術を蓄えている。
驚くほどの英知を持っているのに、それは決して自分の為に使わない。
伸びやかな体は護身のためと言い訳しながら、誰かを守る為に鍛え続けて、いや少し痩身の目的もあると思うが。
君の華奢な手は、手袋の下に沢山の秘密がある。小さな傷や火傷、剣だこやインク汚れ。不器用なのに努力することを止めない、負けず嫌いな性格。
周囲の大人に対抗する為に作った、笑顔の冷たい仮面。どんな棘を刺しても崩れない様に硬く強くなっていった仮面。
「王子を囮に出す馬鹿は誰」
冷たく固まる彼女は低く唸るように尋ね、僕の側近であるハリーの兄アイザックが、矢継ぎ早な質問に兄弟の気安さで手早く答えていく。
僕が後ろ盾がある王子であれば、第一子でなければ、君を傷つけ続ける事もなかったのに。
君はそんな似合わない仮面をかぶり続ける必要もなかったのに。
「私が、もし帰って来る事ができれば、改めて君に求婚させてくれ。」
君を自由にしたいんだ。
偽りの君を続けて欲しくない。だから
「だが、断る!」
きっぱりとした声と共に、硬く厚く凍った仮面が壊れる。
君のむき出しの怒りが輝くように溢れ出て、険しくも美しい表情に血の気が集まってくる。
「お兄様!今から教会に参ります。ステフを運んでくださいませ!」
気が付けば馴染みの教会でベネット司教とお茶を飲んでいた。
「ほっほ。ハリエット様は相変わらず勢いがいいですな。スティーブン殿下、そろそろ立て直してくだされ。」
「え?あ、はい。司教様?」
短く切りそろえた白いひげを撫でながら、いつも朗らかに笑う司教様は、今日は格式の高い典礼用の服装で、少し興奮しているのか薄い青の目の周りが赤くなっている。
「儂ももう一頑張り出来るのが、楽しみですぞ!」
むんっと荷運び人並みの太い両腕を上にあげて立ち上がり、いつの間にか集まっていた孤児院の子供たちと一緒に、戦神に捧げる筋肉の祈りの型比べが始まってしまった。
それからはハリーとアイザックの説得とベネット司教の勢いで、略式の婚姻式を挙げることになってしまった。
あくまでも略式だから大丈夫と司教は笑い、ここだけの秘密だと集まった顔なじみの皆に、今から急遽「出兵前のお祈り」に参加してほしいと、説明。
うん、皆いい笑顔で頷いてるけど、結婚おめでとうって言ってる時点で秘密じゃない。
特別なドレスや装いもないけれど、侍女達と孤児院の女の子たちが作ってくれた、お揃いの花冠と花の指輪で、神々の祭壇で式を挙げることができた。気が付けばちゃっかり母と弟が混ざっている。
幸せそうに笑う君の笑顔が眩しくて、うまく笑顔は作れないけど、泣かないように堪えるので精一杯な僕を許してほしい。
「ステフの泣き虫はいつまでたっても治らないわね!」
「泣き虫は酷いなぁ。ハリーが男前過ぎるから悪いんだよ?」
ほらっと男泣きに泣いているアイザックを指さすと、肩をすくめ腕を絡めてくる。
「帰ってきたら二人とも、司教様に筋肉奉納特訓してもらわないとね!」
「あーそれはちょっとキツイ。いや、本当に勘弁してほしい。もう無理。」
「何よ、私もちゃんと参加するわよ!また一緒に特訓ね!」
澄んだ水色の空の下、君の深い深い青い瞳が潤んで揺れている。
君が泣かない様に、僕に出来る事を全てをしよう。
怖がりな僕が一番怖いのは、君が涙を流す事。
涙と一緒に青い空へ瞳が溶けていって、君が消えてしまう気がする。
神々が見ているなら、一つだけ願いをかなえて欲しい。
僕の願いは彼女の幸せ。
愛してる。彼女を幸せに。
生きて戻るから、何があっても何をしても。君に笑顔でいて貰えるように。
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