チート能力を持った高校生の生き残りをかけた長く短い七日間

北きつね

文字の大きさ
119 / 161
第七章 神殿生活

第五話 神殿街

しおりを挟む

 ゲートの設置が終了した。
 隣の部屋に居るはずの二人を呼ぶ。

 俺がゲートを設置している時に、マヤとミトナルが戻ってきた。作業をしていたので、二人にはロルフの作業を手伝ってもらっている。

「ミル!マヤ!」

 先に反応したのは、マヤだ。
 妖精の姿のまま、俺の肩まで飛んできた。

 そのあとを、ミトナルが駆け寄ってくる。その後ろを、ゆっくりとした速度で、ロルフが続いている。

 俺が信頼できる3人?だ。

「終わった?」

「ゲートの設置はできた。猫人族は?」

 マヤが、抱き着いているミトナルの頭の上に戻って、俺に説明をしてくれた。
 やはり、そのままの神殿では過ごしにくかった様で、話をビアンコが聞いて、変更を加えた。洞窟を作って、狭い入り組んだ形にしたようだ。魔力の問題もなく、改修は終わっている。
 手伝いをしたいと猫人族が言い出したので、施設の案内をしていたようだ。

「それで?」

「今は、ジャッロやヴェルデやビアンコと一緒に仕事をしてもらっている」

 ミトナルが答えている間に、マヤが俺の肩に移動する。
 偉そうに腕を組んでいる。話を聞いていると、案内をすると言い出したのはマヤだが、実際に猫人族を案内して施設の説明や眷属との引き合わせをおこなったのは、ロルフだ。多分。

「わかった。ミアは?」

「僕たちと一緒に居る。名目は連絡係」

「わかった。俺は、地上に戻るけど、二人はどうする?」

 ミトナルとマヤがお互いの顔を見て頷いている。

「一緒に行く」

「そうか、連絡係のミアを呼んできてもらえるか?屋敷の者たちにも、挨拶をしておいた方がいいだろう?」

「うん」

 マヤが、飛んで行った。言葉通りだ。

 すぐに、レオに乗ったミアとマヤが戻ってきた。

「あるじ!」

 ミアが、ミトナルと俺の間に飛び込んでくる。優しく受け止めて、頭を撫でてやると嬉しそうな表情を俺とミトナルに向ける。

 レオは、近くでお座りの恰好で待っている。
 頭の上には、マヤが座っている。凄くシュールだ。

「ロルフ。魔力とリソースの確認を頼む」

「わかりました。あっ・・・。にゃ」

 忘れていた語尾をつけ始めた。
 人が増えると伝えたので、キャラ付けが必要になってくる。と、思っているのか?
 別にいいのだけど、ロルフとしては譲れない部分なのだろう。

 ロルフを残して、ゲートを設置した場所に向う。

 まずは、神殿の街に出る。俺たちが居た神殿の内部とは別の雰囲気にしている。あえて、王都の街並みと似たような雰囲気にしてある。
 ロルフが設定した場所だ。表向き、神殿は”通路”になっていると説明をする。通路の両端に、ゲートが設置してある。

「あるじ!すごい!」

 ミアが、神殿の街を楽しそうに見ている。
 いろいろな建物を指さして、ミトナルに聞いている。

 内部から繋がっているのは、俺が所有する屋敷だ。
 屋敷から出ると、中央広場だ。中央広場の真ん中には、噴水を設置してある。道は石畳だが、色分けしてある馬車の通行レーンの目安にしている。貴族が通ることも考えているが面倒なので、その辺りはギルドとセバスチャンに丸投げの予定だ。

 建物は立ててあるが、何に使うのか未定の物も多い。
 俺の屋敷の隣?には、ギルド用の建物を用意した。俺の屋敷とは、庭を挟んでいる。庭は、石壁で遮っている。

 建物は、デフォルトで用意できる物を置いてあるだけだ。確認をしたら、修繕が可能な為に、今の状況にしてある。

 大事な施設への入口も作った。
 ギルドの俺の屋敷とは反対側に、ダンジョンへの入口を作った。これは、ヒューマたちの訓練用のダンジョンとは違って、本気モードのダンジョンだ。しっかり考えて進まないと、怪我ではすまない罠も点在している。もちろん、階層に適したボスや魔物も配置している。俺の眷属になった魔物と同種は配置していない。魔物は、本当に”魔物”だとわかるようなタイプだけにした。

 使い方は、ギルドに任せることにする。
 必要がなければ、閉鎖してしまえばいい。

 中央の広場から、両端に道が伸びている。
 今回は、メルナ方面に向う。距離にして1キロ程度だ。街の幅は2キロ程度にしている。

 ゲートを置いた場所は、関所が設置できるようにしている。
 ゲートは3箇所設置予定で、現在は1箇所だけだ。すぐい、二か所目の設置を行う必要がある。

 森の中に、神殿に入ることができたカバーストーリーを用意する必要がある。

 ゲートの装置だけは設置してあって、”現在は使えない”様に見せている。
 そのゲートが3か所分、設置されている。

 ゲートは、別々の部屋のような場所に設置してある。王都の道幅を真似た幅を確保してあるから、王都で使える馬車ならそのまま使えると思っている。高さは、馬車の二倍にした。問題は、馬車を曳いている馬?がゲートを使えるのか?だけど、心配してもしょうがない。実際に試してみないと解らない。

 動いているゲートを抜けると、メルナの外れにある屋敷に出た。

 一番喜んでいるのは、ミアだ。

 すぐに、セバスチャンがやってきた。どうやって認識したのか解らないが、丁度よかった。

「セブ。これが、神殿に繋がるゲートだ」

「これが・・・」

 セバスチャンは、ゲートを見つめている。
 信じられないのもしょうがないが、こういう物だと思ってもらうしかない。

 裏側を見ると、ただの岩になっている。
 ヒューマたちの里にある祠も同じようになっているのだろう。

「セブ。このゲートは、貴族や富裕層が使うことを前提と考えたい。ギルドとの調整にはなるが、管理はセブたちに任せたいが大丈夫か?」

「ギルドの面子との打ち合わせを行いまして、管理方法や責任の所在をどうするのか考えます」

「頼む。それから、このゲートを覆う形で、建物を築いてほしい」

「かしこまりました。どのような建物にしますか?」

「そうだな・・・」

 社にはしない。
 馬車で来て、馬車のまま通過できるようにしたい。

 俺のイメージをセバスチャンに伝える。
 すぐに着手すると言っていた。

 ここは、任せて大丈夫だろう。

 セバスチャンと一緒に屋敷に戻ると、使用人?が揃っていた。
 ミアがびっくりして、ミトナルの後ろに隠れてしまったことを除けば、問題はない。

 使用人というよりも、従業員という考えの方が近い。
 セバスチャンから、何ができるのかと、何を担当しているのかと、名前を合わせて紹介された。

 俺もミトナルも鑑定が使える。
 名前には嘘はなかった。経歴には、”嘘”が紛れ込んでいたが、些細な事だ。皆が、同じ貴族家に仕えていた。貴族家の名前は聞いたことがないが、ハーコムレイが問題にしていないことや、アッシュが何も言わなかった。
 もしかしたら、ミヤナック家と同じ派閥にいた貴族家の家臣だった人たちなのかもしれない。

 それなら連携も取れているだろう。貴族の相手も大丈夫なのだろう。

 セブではなく、執事見習いから、帳簿を渡される。
 これから、定期的に帳簿を渡されることになった。簡単なお小遣い帳レベルなら嬉しいが・・・。どうやら、もう少しだけ複雑な帳簿になっている。後で、説明を聞かなければ解らない。

 途中から、ミアが屋敷を見学したいと言い出したので、セバスチャンに頼んで俺たちの部屋に案内してもらった。
 俺の部屋は執務室と繋がっている部屋だ。ミトナルとマヤとミアは同じ部屋になる。もちろん、レオが一緒に居ても狭く感じない。隣の部屋になっていて廊下に出なくても、扉で繋がっている。

 屋敷の見学を終えたミアは眠くなってしまったようで、ベッドで横になっている。
 俺は、セバスチャンを連れて、ギルドのメンバーが居る場所に向った。

 ミトナルは、マヤと一緒に、ベッドで横になっているミアの近くに居ることにしたようだ。俺もそっちの方がよかったが、ギルドのメンバーを神殿に案内しないと話が進まない。

 アデレード殿下の問題もある。
 ローザスとハーコムレイを待とうかと思ったが・・・。説明の二度手間は避けたかったが、難しいようだな。

 ゲートの説明は、セバスチャンにしたから、ギルドとの打ち合わせの場所に顔を出せば俺の役目は終わり。だと、思いたい。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

八百万の神から祝福をもらいました!この力で異世界を生きていきます!

トリガー
ファンタジー
神様のミスで死んでしまったリオ。 女神から代償に八百万の神の祝福をもらった。 転生した異世界で無双する。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

処理中です...