おちゆく先に

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80話

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 「よし!判定戦はもういいだろう。ジグレイドは第一チームだ。さて第一チームは改善点をジグレイドに教えてやれ!他のチームは各自先程の戦闘を見て参考に出来るところは参考にするんだ。では各チーム毎に模擬戦を開始しろ!」
 ローレンはそう言ってジグレイドの元へと歩いてきた。
 「ジグ、バリンはどうだった?あんな感じでも王国で2番目の強さだからな。負けたことはあまり気にするな」
 「はぁ…なんていうかもうあの人とは戦いたくないですよ」
 「その気持ちは分かるぞ。私もあの戦い方は苦手だからな。さて第一チームが待っている。こっちだ」


 ローレンに連れられて来た先には5人の騎士が待っていた。
 「全員いるな、ではジグレイドの改善点を挙げていこうか」
 「その前に自己紹介が先では?」
 「そういえばそうだな。ではヘクタードからしてくれ」

 「私はヘクタード、同じ槍使いだが私は長槍を扱う。今日からよろしくな」
 「ガハリス、長剣使い。よろしく」
 「次は私だな。ボルスだ、長剣と盾をよく使う。よろしくな」
 「ラモラクだ、長槍使いだ。よろしく頼む」
 「俺の自己紹介はいらないだろ?」

 ヘクタードは白髪混じりの中年の騎士で、ガハリスは寡黙で壮年の騎士、ボルスは金髪で中年の騎士、ラモラクはこの中では一番がたいが良く壮年の騎士であった。
 当然だがジクレイドよりも若い騎士もしくは兵士はこの訓練場にはいなかった。

 「よし!自己紹介は終わったな。まずはバリン、戦ってみてどう思った?」
 「え、俺も言うんですか!?そうだな…強いて言うなら攻撃が大振りすぎるとこだな。盾で上手く隠している時もあったがな」
 「そうだな、動きの無駄を無くすだけでもかなり強くなれるだろう。次はラモラク」
 「私は少し歪さを感じましたね。いくら短槍とはいえ薙ぎ払いは難しいのではないかと…」
 「それについてだが、ジグの武器は少し変わり種でな。短槍といっても大剣に近い見た目をしている。まだ刃引きされたものがなくてな、仕方なくこの短槍を使わせているのだ。次だ」


 五人から容赦なく問題点を次々と指摘されてジクレイドは項垂れていた。
 「こんなところだな。これを踏まえて模擬戦をするぞ。ん?ジクどうした?模擬戦を始めるぞ!」
 ジクレイドが項垂れている理由など気をもせずにローレンは立ち上がり何処かへと行ってしまった。
 「気にするなとは言わんが、あまり落ち込まなくてもいいのではないか?問題点が多いということはそれだけ強くなれる要素があるということだからな」
 ジクレイドにそう話し掛けてくれたのはヘクタードだった。
 「そういうもんですかね?」
 「そういうもんさ、君は技術的なことが全然ダメだ。だというのに私と君が戦えばおそらく私が負けるだろう。これでも王国騎士の中では強い方なんだがね。もう年ということかな?君が騎士を目指してくれれば私もすぐに引退出来るんだが・・・。さて、向こうでローレン様が待っている。行こうか」
 二人は冗談を交えながらローレンのいる場所へと向かっていった。



 それからの訓練は想像を絶するものだった。
 先ずは連携訓練を行ったのだが、これが過酷だった。なぜなら一対多を繰り返すのだ。まだ多数の時は良かった。周りと連携すればいいのだから、問題は一の方だ。一人の時は常に攻撃に晒されるのだ。ただでさえ手数の多いバリンに加えて重い突きを放ってくるラモラク、人の影から槍で突いてくるヘクタード、ガハリスとボルスも盾でこちらの攻撃をしっかり防いでくる。そして一番厄介だったのがローレンだ。手数が多い上に一撃がとてつもなく重いのだ。更に所々蹴りなども織り交ぜてきていた。
 そして一対多のあとは三対三、二対二、一対一と模擬戦をひたすら繰り返したのだった。

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