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84話
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ローレンとの訓練が無くなり暇になったジグレイドはとりあえず食堂にきていた。
「おや?今日は一人なのかい?」
話し掛けてきたのはいつもの食堂のおばちゃんだ。
「ローレンさんは陛下に呼ばれて行ってしまったので」
「なるほどねー…また戦争になるのかねー。やになるね、あたしはここで食事を作ってるだけだけどさ。やっぱりいつも美味しそうに食べてくれる兵士さんたちが帰ってこないのはさ」
しみじみと語るおばちゃんにジグレイドはなにも言えなかった。
「ちょっと湿っぽくなっちゃったね。さてと、今日もオススメでいいのかい?」
「はい、お願いします」
食事を済ませたジグレイドは特にすることもなくぶらぶらと街を歩いていた。何か目的があって街を歩いている訳ではなく、ただ単に暇になったから暇潰しとして市場などを冷やかしにきたのである。
ジグレイドは没落したが貴族の息子であるためそれなりに整った顔立ちをしている。前までは禍々しい鎧を着込み顔をヘルムで覆い隠していたので誰も話し掛けてくる人はいなかった。だが最近はその鎧もヘルムも身に付けてはおらず、普段着でたまに街を歩いていた。その為かよく声を掛けられるようになっていた。
だが声を掛けられるようになったとしてもジグレイドが愛想よく会話に興じるかと言えばそれは否であった。
王都の街を散策したはいいが、何も目新しいものはなくすぐにやることがまたなくなってしまった。
「んー、暇だな…長剣でも見に行くか?でも武器はあのおっさんのとこで揃えたいからなー」
なぜ長剣?と思うことだろう。
それはローレンから長剣の手解きも受けているからだ。そして最近になって漸く魔物と対峙したときにも戦える程度の技量になったと思えるようになってきたのだ。自分専用の長剣が欲しくなるのは必然といえるだろう。
「戦争になるならカザフ要塞都市に行くだろうし、その時におっさんに見繕ってもらうとするかな」
そう呟きジグレイドは自分の家に戻ることにした。
今ジグレイドが住んでいる家は亜人族の隊長を倒した報酬でもらった家である。
陛下は一般家庭がもつ家並みだと言っていたが、あれは嘘だ。
なぜならどう見てもそれなりの広さの庭がついた屋敷だからだ。
確かに貴族が住むような屋敷と比べると一回りも二回りも小さい。だがあくまでそれは貴族が住む家と比べての話だ。一般家庭の家に比べると先程とは逆に一回りも二回りも大きい家になるのである。
もちろんジグレイド一人では屋敷の管理は出来ずに家のことをするメイドを二人ほど雇う羽目になった。
「お帰りなさいませ、ご主人様。本日の鍛練はもうお済みになられたのですか?」
「ただいま戻りました。ローレンさんが陛下に呼ばれたので今日の訓練は昼までになったのですよ」
「そうでしたか。では夕食はこちらで作りましょうか?」
「はい、お願いします」
「かしこまりました。では何かご用ができましたらお呼びください」
そう言うとメイドとして雇った内の一人である緑髪を上品に後ろで束ねた女性のサラーサは何処かへと行ってしまった。
ちなみにもう一人のメイドは茶髪のショートカットで男勝りな性格のメルティオルだ。
普段ジグレイドは二人のことはサラさんとメルさんと呼んでいる。
「ご主人様、お帰りなさいませ!」
こちらに駆け寄ってきたのは先程紹介したメイドのメルさんだ。
「ただいま戻りました。特に問題など何もなかったですか?」
「はい、問題など一切ありませんです。ご主人様何度も言いますがうちらメイドに敬語を使う必要はありませんよ。なんだかむず痒いです」
「んー、そうは言うけどもうこれで慣れちゃったから今さら変えるのも変じゃないかな?」
「そんな事ありません!むしろお願いします!」
「そこまで言うなら考えておくよ」
「あ、またそうやって言い逃れる気ですね?絶対ですよ?サラも敬語はやめてほしいと言っていますからね?」
そう念を押してからメルティオルは走り去っていった。
「おや?今日は一人なのかい?」
話し掛けてきたのはいつもの食堂のおばちゃんだ。
「ローレンさんは陛下に呼ばれて行ってしまったので」
「なるほどねー…また戦争になるのかねー。やになるね、あたしはここで食事を作ってるだけだけどさ。やっぱりいつも美味しそうに食べてくれる兵士さんたちが帰ってこないのはさ」
しみじみと語るおばちゃんにジグレイドはなにも言えなかった。
「ちょっと湿っぽくなっちゃったね。さてと、今日もオススメでいいのかい?」
「はい、お願いします」
食事を済ませたジグレイドは特にすることもなくぶらぶらと街を歩いていた。何か目的があって街を歩いている訳ではなく、ただ単に暇になったから暇潰しとして市場などを冷やかしにきたのである。
ジグレイドは没落したが貴族の息子であるためそれなりに整った顔立ちをしている。前までは禍々しい鎧を着込み顔をヘルムで覆い隠していたので誰も話し掛けてくる人はいなかった。だが最近はその鎧もヘルムも身に付けてはおらず、普段着でたまに街を歩いていた。その為かよく声を掛けられるようになっていた。
だが声を掛けられるようになったとしてもジグレイドが愛想よく会話に興じるかと言えばそれは否であった。
王都の街を散策したはいいが、何も目新しいものはなくすぐにやることがまたなくなってしまった。
「んー、暇だな…長剣でも見に行くか?でも武器はあのおっさんのとこで揃えたいからなー」
なぜ長剣?と思うことだろう。
それはローレンから長剣の手解きも受けているからだ。そして最近になって漸く魔物と対峙したときにも戦える程度の技量になったと思えるようになってきたのだ。自分専用の長剣が欲しくなるのは必然といえるだろう。
「戦争になるならカザフ要塞都市に行くだろうし、その時におっさんに見繕ってもらうとするかな」
そう呟きジグレイドは自分の家に戻ることにした。
今ジグレイドが住んでいる家は亜人族の隊長を倒した報酬でもらった家である。
陛下は一般家庭がもつ家並みだと言っていたが、あれは嘘だ。
なぜならどう見てもそれなりの広さの庭がついた屋敷だからだ。
確かに貴族が住むような屋敷と比べると一回りも二回りも小さい。だがあくまでそれは貴族が住む家と比べての話だ。一般家庭の家に比べると先程とは逆に一回りも二回りも大きい家になるのである。
もちろんジグレイド一人では屋敷の管理は出来ずに家のことをするメイドを二人ほど雇う羽目になった。
「お帰りなさいませ、ご主人様。本日の鍛練はもうお済みになられたのですか?」
「ただいま戻りました。ローレンさんが陛下に呼ばれたので今日の訓練は昼までになったのですよ」
「そうでしたか。では夕食はこちらで作りましょうか?」
「はい、お願いします」
「かしこまりました。では何かご用ができましたらお呼びください」
そう言うとメイドとして雇った内の一人である緑髪を上品に後ろで束ねた女性のサラーサは何処かへと行ってしまった。
ちなみにもう一人のメイドは茶髪のショートカットで男勝りな性格のメルティオルだ。
普段ジグレイドは二人のことはサラさんとメルさんと呼んでいる。
「ご主人様、お帰りなさいませ!」
こちらに駆け寄ってきたのは先程紹介したメイドのメルさんだ。
「ただいま戻りました。特に問題など何もなかったですか?」
「はい、問題など一切ありませんです。ご主人様何度も言いますがうちらメイドに敬語を使う必要はありませんよ。なんだかむず痒いです」
「んー、そうは言うけどもうこれで慣れちゃったから今さら変えるのも変じゃないかな?」
「そんな事ありません!むしろお願いします!」
「そこまで言うなら考えておくよ」
「あ、またそうやって言い逃れる気ですね?絶対ですよ?サラも敬語はやめてほしいと言っていますからね?」
そう念を押してからメルティオルは走り去っていった。
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