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ペーター編
106話 一緒にシよう①
しおりを挟む「フェルリナ、俺と一緒にしよう」
アクアグレイの瞳は真剣だった。
「ここに来てくれ」
壁をはさんだお互いの間にあるベッドに乗ってくれといっている。ちょっと待って、展開についていけない。
「一緒にってどういう意味ですか?」
「俺もこっち側でオ〇〇ーするって意味だ」
「っ!///」
私は耳を覆った。またその単語言った! しかもなんかびっくりなこと言った!
「とにかく惚れ薬は駄目だ。それ永久版だろ?」
「そうですけどゼイツ准将にばかり大変な事させて、自分は何もしないなんて」
「その覚悟があるなら飲まなくても俺とできるはずだ」
「う……」
厳しい言い方のようだけど、これは彼の優しさだ。
私が惚れポーションを飲まなくてもできるように、一緒に恥ずかしい思いをしてくれるというのだから。
「考える時間が必要ならその間部屋動かすぞ」
「待って! 待って……します」
私はベッドに膝立ちになった。ど、どうすればいいのかわからないけど、す、すればいいのよフェルリナ。一人エッチってどうやるんだっけ。この一年、ずっとウシナウ草で乗り切ってたから……
気づいたら拳を握って脇を固め、ファイティングポーズをとっていた。
「いつもそうやってんのか?」
「ちがいますっ緊張して」
「冗談だよ。ここに、手合わせられるか?」
ゼイツ准将が透明な壁――クリスタルウォールに手の平をおく。
へ? そんなかんたんなことでいいの?
私は前へ進みでて、彼の右手に自分の左手を重ね合わせた。
すると彼が目の前でニコッと笑った。
「手を繋げたらいいんだけどなぁ」
手を重ねろって言ったのは、そばへ来させるためだったんだ。私は赤くなった。
「いや、その前に口笛か。妖精のデートは口笛から始まるんだよな?」
「何で知ってるんですかっ…… あそっか、私が教えたんだった」
フュュ、とゼイツ准将が唇を尖らせているのを見て、つい笑ってしまった。ゼイツ准将も笑った。
「そういや【スカイハイ】って、フェルリナに見せたことあったか?」
「あ、はい。えと、幼心の森で少年のゼイツ准将がウィングイーターをやっつけてた時見ました」
大きな声で『スカイハァイ!』と技名を唱えてた。子供らしくて思い出すと可愛い。
「そうかそうか。実はあれの上位技があるんだ。【スカイロケット】っつう」
「スカイロケット?」
「ガキの頃、勝手に名づけた」
肩をすくめて白い歯をみせるゼイツ准将につられて、私も笑った。
「どんな技なんですか?」
「ただ真上に飛んでくだけなんだが、馬鹿と煙は高い所へ行きたがるっていうだろ? 上行ったところで体が凍るくらいなもんで、下手すると気絶して落下する。そういう遊びを一人でよくやってた」
「危ない……」
「かもな。親父には止められてた。ウェンディは逆に悔しがってたな」
ああ……そっか。ゼイツ准将はピュアブラッドだから、回りの人の届かない高さまで飛んでいけたんだろうな。
「どんな感じなんですか? 誰も届かない高い所へ行くのって……」
「最初は霰が降ってくる。ぶつかって痛いし、視界は灰色で何も見えない。いい事なんて何にもないんだけどな、それでも上へあがっていくと…………結晶が降ってくる」
ふいに、ゼイツ准将が私に目を細めて微笑んだ。
「さっき火山跡地で久しぶりにそれをやって、フェルリナを思い出した」
「私? どうして?」
「フェルリナみたいに綺麗だから」
ゼイツ准将が熱い瞳で見つめてきた。
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