一日一回シないと死んじゃう妖精の私が、人質になってしまいました。~救命はエッチ? いじわるな准将様に見張られて~

夢沢とな

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ペーター編

101話 バレた

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「ドライヴランドまで運ぶんだ」

ゼイツ准将じゅんしょうは真剣な眼差まなざしをしている。
本気でドライヴランドまで運ぶつもりなのだ。正気の沙汰じゃない……!

「ゼイツ准将、どうしてこんな大変なこと」

「ラブ蟻ってのに用があるんだ」

「ラブあり……? あ」

今朝起きた時、甘い薬剤にありたちが集っていた。あれだ。〝年がら年中イチャついてるからイチャ蟻、ラブ蟻、リア充〟たくさんあだ名があるみたいなことをウェンディ大佐が話していた。

ありってのは地下に巣を作って、女王蟻だけが産卵するだろ。だがドライヴランドの蟻はそうはいかない。【ダート】や【ドライヴ】で大地を掘り返されちまうからな。奴らは巣を作らずに交配相手を作って行動するんだ」

「その蟻に用があるんですか?」

「フェルリナ教えてくれただろ。ピクシーメイドは品質が保証できないって話。そこ見てみろ」

ゼイツ准将が横を向く。壁二辺と床が合わさった角に隙間があって、砂が入りこんでいた。

「穴が……」

「ああ。そこからラブ蟻を投入する。奴らに〝シないと出られない〟条件を満たしてもらうんだ」

え、それって……

「……私とペーター、しなくても部屋から出られるんですか?」

「ああ」

この部屋のロックが開錠される条件は、中でHをすること。それをペーターと私ではなく、小さな蟻たちにやってもらう。
……このわずかな間にこんな方法思いついちゃうなんて、ゼイツ准将ってやっぱり凄い。

「ゼイツ准将、頭いい!」

「ない頭を必死に回してんだ。こんな部屋一刻も早く出て、今日の分するぞ」


「ゼイツジュンショウ、アタマイイ!」

オウムのような声にふりかえると、ペーターが首をくゆらせていた。

「知り合ってたった五日にしてはずいぶん親密な雰囲気だねぇ、お二人さん」

「おいペーター、【オーヴァーグラウンド】と【スカイハイ】で部屋を飛ばしてみたいんだ。家具は固定されているようだが、フェルリナを頼めるか」

ゼイツ准将がやや早口になって呼びかける。

ペーターは返事をしなかった。私は交互に二人の顔色を見た。

「ペーター? きいてる?」
「聞こえてるけど、チュウリッツー軍の准将はここまで無能なのかと呆れてただけ」
「そんな言い方っ、」
「ドライヴランドまで行って部屋を解除する。百歩譲ってそれが出来たとして、フェルの今日の分はどうするわけ? そこから三人でウシナウ草でも探すのかい?」

私は反射的にゼイツ准将を見てしまった。目が合った。

「ククッ」

ペーターが私を見上げた。今にもあざけ笑いそうなうるんだ瞳だった。

「ねーえ、フェル。キミはコイツをずっと心配してるけどさ、その大事なゼイツジュンショウに一番迷惑かけてるのはキミ自身なんだよ?」

「フェルリナ、耳貸すな」

「だってそうでしょ? キミがここでボクと寝れば死なずに済む。無能なゼイツジュンショウも任務に失敗せずに済む。おまけに部屋のロックも解除される。一石三鳥の方法があるのにキミがやらないから、傷だらけの体でヒイヒイしてるんだよ?」

「傷だらけはお前のせいだろーが!」

私は言い返せなかった。本当にペーターの言う通りだった。
 
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