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凍雪国編第4章
第47話 傭兵団への先制攻撃2
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ダイザとテムは、街道沿いの獣道を南下し、ネオクトンの傭兵団が北上してくる先へと回り込む。
そこは、街道が大きく曲がり始める場所である。
ダイザとテムが、その場所で街道を横切ると、北から街道を南下してくるゴイメールの傭兵団に目撃される恐れがある。
しかし、ダイザがゴイメールの気配を探り直したところ、オンジとガンドたちが活躍しているのか、ゴイメールの傭兵団は大混乱に陥っており、街道の先まで意識が向かないような様子である。
「テムさん!」
ダイザが指差した先では、獣道が分岐しており、東の道を辿ると街道まで出られそうである。
「よし! 行こう!」
ダイザの後ろを小走りでついてくるテムは、ダイザの意図を読み取り、即座に首肯する。
「向こうにジャイアントバイソンがいます!」
これから渡ろうとする街道を抜けた先にも凍土林があり、そこには、はぐれジャイアントバイソンが一匹いる。
「俺が倒す! ダイザは、先に行ってくれ!」
「分かりました!」
後ろを振り返って返事をしたダイザは、獣道を飛び出した勢いのまま、街道を駆け抜ける。
テムは、街道に出たあと、ダイザが踏み込んだ凍土林よりもやや南へ進路を変えて、別の獣道に突っ込む。
テムは、獣道に伸びてきた草を愛用の斧で切り飛ばしながら、朝の食事を行っているジャイアントバイソンへ接近する。
(ここで暴れられたら、傭兵に気づかれる!)
テムとジャイアントバイソンの距離は、およそ10m。
ジャイアントバイソンは、近づくテムに気がつき、威嚇するように角を向ける。
一直線に走り寄ったテムは、突進してきたジャイアントバイソンを軽いステップでかわす。
そして、近くにある巨木を登って枝を伝い、そこから戻ってきたジャイアントバイソン目掛けて大きく跳躍する。
空中で斧の柄を握り締めたテムは、素早く斧を回転させ、纏わせた空気をジャイアントバイソンの首へ叩き込む。
バジュッ!
テムの一刀は、真空刃を纏い、テムの腰ほどの太さがあるジャイアントバイソンの首をきれいに両断する。
(こいつを朝飯にしたいが、後回しだ)
テムは、難なく倒したジャイアントバイソンにはそれ以上目もくれず、ダイザのあとを追うべく、再び獣道を疾走する。
ダイザの気配は、まだそれほど離れておらず、テムは木々の間を駆け抜け、すぐにその後ろ姿を視界に収める。
テムは、ダイザが進む獣道へ躍り出て、その背後へと迫る。
「ネオクトンは、どこだ?」
テムは、ダイザに並び掛けて小声で聞く。
ダイザは、速度を落とし、気配と足音を消す。
「この先にいます」
ダイザが指差す先は、濃密な凍土林となっており、その向こう側にネオクトンの傭兵団がゆっくりと街道へ向けて移動している。
二人と傭兵団の距離は500mほどで、耳を澄ますと、時おり枯れ枝がへし折れる音が聞こえてくる。
「分かった。俺は背後へ回る。ダイザのタイミングで仕掛けてくれ」
「分かりました」
「ただし、誰も殺すなよ」
もしかしたら、ネオクトンの傭兵団は、ダイザやテムの敵ではないのかもしれない。
テムは、それぞれの立ち位置が判明するまで、余計な殺生はしないつもりである。
「分かっています。テムさん。ご武運を!」
「あぁ! ダイザも油断するなよ!」
テムは、ダイザに軽く手を上げて応え、ネオクトンの傭兵団の後ろへ回り込む。
そこは、街道が大きく曲がり始める場所である。
ダイザとテムが、その場所で街道を横切ると、北から街道を南下してくるゴイメールの傭兵団に目撃される恐れがある。
しかし、ダイザがゴイメールの気配を探り直したところ、オンジとガンドたちが活躍しているのか、ゴイメールの傭兵団は大混乱に陥っており、街道の先まで意識が向かないような様子である。
「テムさん!」
ダイザが指差した先では、獣道が分岐しており、東の道を辿ると街道まで出られそうである。
「よし! 行こう!」
ダイザの後ろを小走りでついてくるテムは、ダイザの意図を読み取り、即座に首肯する。
「向こうにジャイアントバイソンがいます!」
これから渡ろうとする街道を抜けた先にも凍土林があり、そこには、はぐれジャイアントバイソンが一匹いる。
「俺が倒す! ダイザは、先に行ってくれ!」
「分かりました!」
後ろを振り返って返事をしたダイザは、獣道を飛び出した勢いのまま、街道を駆け抜ける。
テムは、街道に出たあと、ダイザが踏み込んだ凍土林よりもやや南へ進路を変えて、別の獣道に突っ込む。
テムは、獣道に伸びてきた草を愛用の斧で切り飛ばしながら、朝の食事を行っているジャイアントバイソンへ接近する。
(ここで暴れられたら、傭兵に気づかれる!)
テムとジャイアントバイソンの距離は、およそ10m。
ジャイアントバイソンは、近づくテムに気がつき、威嚇するように角を向ける。
一直線に走り寄ったテムは、突進してきたジャイアントバイソンを軽いステップでかわす。
そして、近くにある巨木を登って枝を伝い、そこから戻ってきたジャイアントバイソン目掛けて大きく跳躍する。
空中で斧の柄を握り締めたテムは、素早く斧を回転させ、纏わせた空気をジャイアントバイソンの首へ叩き込む。
バジュッ!
テムの一刀は、真空刃を纏い、テムの腰ほどの太さがあるジャイアントバイソンの首をきれいに両断する。
(こいつを朝飯にしたいが、後回しだ)
テムは、難なく倒したジャイアントバイソンにはそれ以上目もくれず、ダイザのあとを追うべく、再び獣道を疾走する。
ダイザの気配は、まだそれほど離れておらず、テムは木々の間を駆け抜け、すぐにその後ろ姿を視界に収める。
テムは、ダイザが進む獣道へ躍り出て、その背後へと迫る。
「ネオクトンは、どこだ?」
テムは、ダイザに並び掛けて小声で聞く。
ダイザは、速度を落とし、気配と足音を消す。
「この先にいます」
ダイザが指差す先は、濃密な凍土林となっており、その向こう側にネオクトンの傭兵団がゆっくりと街道へ向けて移動している。
二人と傭兵団の距離は500mほどで、耳を澄ますと、時おり枯れ枝がへし折れる音が聞こえてくる。
「分かった。俺は背後へ回る。ダイザのタイミングで仕掛けてくれ」
「分かりました」
「ただし、誰も殺すなよ」
もしかしたら、ネオクトンの傭兵団は、ダイザやテムの敵ではないのかもしれない。
テムは、それぞれの立ち位置が判明するまで、余計な殺生はしないつもりである。
「分かっています。テムさん。ご武運を!」
「あぁ! ダイザも油断するなよ!」
テムは、ダイザに軽く手を上げて応え、ネオクトンの傭兵団の後ろへ回り込む。
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