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ぼんの宇宙日記(60日目)
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60日目。今日は、地球の夢を見た日。
昼下がり、ぼくは居住区のクッションの上でうとうとしていた。窓の外の星は静かで、船内も穏やか。誰の声も遠く、時間だけがゆっくり流れている。まぶたの裏にぼんやり光が差し込むと、ぼくは夢の中へすべり込んでいった。
そこは、地球の草原だった。見渡す限り広がる緑のじゅうたん。やわらかな風が吹いて、草の波がうねる。ぼくの足元には朝露が残り、ひんやりとした土の感触が肉球に伝わる。遠くでは小鳥のさえずりが聞こえ、太陽が高く昇っている。ぼくは走った。草の中を、しっぽを大きく振って、思いきり風を受けて。
風が頬をなで、鼻の奥には草の青い匂い。どこまでも駆けていくと、木陰で小さな花が咲いていた。花びらの間に、地球の香りが詰まっている。ぼくはその花に鼻を近づけて、深く吸い込んだ。
「おかえり」と、どこかで聞き覚えのある声がした。振り返ると、懐かしい人影がこちらを見ていた。ぼくはうれしくなって、足もとにすり寄る。太陽の光があたたかく、空には雲がゆっくり流れていた。草の中でころんと転がると、空の青がどこまでも広がっていった。
そのまま夢の中で眠っていたい気持ちだった。でも、ふいに遠くで呼ぶ声が聞こえた。「ぼん、起きてる?」やさしい声が現実へ引き戻す。ぼくはゆっくり目を開けた。星の光が窓から射し込み、船内の空気がほのかに温かい。
目覚めても、鼻の奥には草原の匂いが残っていた。地球の空気、土の香り、風の音――すべてがまだ、ぼくの体に染みついている気がした。しっぽの先まで草の感触が残っている。
しばらくそのままぼんやりしていると、ミナがやってきて「いい夢でも見てた?」と微笑んだ。ぼくはしっぽをふりふりして答えた。言葉にしなくても、きっと伝わっている。
おやすみ、地球の草原。おやすみ、残る匂い。また、夢の中で会える日を。
昼下がり、ぼくは居住区のクッションの上でうとうとしていた。窓の外の星は静かで、船内も穏やか。誰の声も遠く、時間だけがゆっくり流れている。まぶたの裏にぼんやり光が差し込むと、ぼくは夢の中へすべり込んでいった。
そこは、地球の草原だった。見渡す限り広がる緑のじゅうたん。やわらかな風が吹いて、草の波がうねる。ぼくの足元には朝露が残り、ひんやりとした土の感触が肉球に伝わる。遠くでは小鳥のさえずりが聞こえ、太陽が高く昇っている。ぼくは走った。草の中を、しっぽを大きく振って、思いきり風を受けて。
風が頬をなで、鼻の奥には草の青い匂い。どこまでも駆けていくと、木陰で小さな花が咲いていた。花びらの間に、地球の香りが詰まっている。ぼくはその花に鼻を近づけて、深く吸い込んだ。
「おかえり」と、どこかで聞き覚えのある声がした。振り返ると、懐かしい人影がこちらを見ていた。ぼくはうれしくなって、足もとにすり寄る。太陽の光があたたかく、空には雲がゆっくり流れていた。草の中でころんと転がると、空の青がどこまでも広がっていった。
そのまま夢の中で眠っていたい気持ちだった。でも、ふいに遠くで呼ぶ声が聞こえた。「ぼん、起きてる?」やさしい声が現実へ引き戻す。ぼくはゆっくり目を開けた。星の光が窓から射し込み、船内の空気がほのかに温かい。
目覚めても、鼻の奥には草原の匂いが残っていた。地球の空気、土の香り、風の音――すべてがまだ、ぼくの体に染みついている気がした。しっぽの先まで草の感触が残っている。
しばらくそのままぼんやりしていると、ミナがやってきて「いい夢でも見てた?」と微笑んだ。ぼくはしっぽをふりふりして答えた。言葉にしなくても、きっと伝わっている。
おやすみ、地球の草原。おやすみ、残る匂い。また、夢の中で会える日を。
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