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ぼんの宇宙日記(75日目)
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75日目。今日は、音のない音楽を聞いた日。
朝、星図室の窓辺で丸くなっていた。ふだんは船内のどこかで機械の音や人の声が聞こえるけど、今日はとても静かだった。ミナが「通信障害みたい」とつぶやく。案内も、BGMも、なにも流れない。ただ、自分の鼓動と息の音だけがぼくの耳に届いてくる。
昼、静けさの中で、ぼくは不思議なリズムを感じた。船の壁を伝う微かな振動。窓から入る光が床をゆっくり動いていく。ジンはいつものように端末を叩いていたけど、キーボードの音さえ今日は聞こえなかった。
ぼくはクッションの上でじっとして、何も聞こえない世界に耳を澄ませた。何もないのに、どこかで音楽が鳴っているような気がした。音が消えたはずなのに、静寂がリズムを持っていた。
午後、遠くで「カラン」と小さな音が響いた。ルカが植物室で何かを落としたらしい。その音が、静けさの中にぽつんと浮かぶ。
ぼくはその音を「静寂の伴奏」だと思った。音がないからこそ、一つの小さな音がまるでメロディのように響く。マヤが「今日は静かすぎて逆に落ち着くね」と笑っていた。みんなの動きさえ、静かなリズムに包まれているみたいだった。
夜、通信はまだ戻らなかった。船長が「こういう夜も悪くないな」と言って、コーヒーをゆっくり飲んでいた。ぼくはその隣で丸くなり、音のない時間の“音楽”を感じていた。
静けさの中で、心が少し広くなった気がした。船も、みんなも、音がなくてもつながっている。そんな気がした。
おやすみ、音のない音楽。おやすみ、静かな夜。また、静寂で踊る日が来ますように。
朝、星図室の窓辺で丸くなっていた。ふだんは船内のどこかで機械の音や人の声が聞こえるけど、今日はとても静かだった。ミナが「通信障害みたい」とつぶやく。案内も、BGMも、なにも流れない。ただ、自分の鼓動と息の音だけがぼくの耳に届いてくる。
昼、静けさの中で、ぼくは不思議なリズムを感じた。船の壁を伝う微かな振動。窓から入る光が床をゆっくり動いていく。ジンはいつものように端末を叩いていたけど、キーボードの音さえ今日は聞こえなかった。
ぼくはクッションの上でじっとして、何も聞こえない世界に耳を澄ませた。何もないのに、どこかで音楽が鳴っているような気がした。音が消えたはずなのに、静寂がリズムを持っていた。
午後、遠くで「カラン」と小さな音が響いた。ルカが植物室で何かを落としたらしい。その音が、静けさの中にぽつんと浮かぶ。
ぼくはその音を「静寂の伴奏」だと思った。音がないからこそ、一つの小さな音がまるでメロディのように響く。マヤが「今日は静かすぎて逆に落ち着くね」と笑っていた。みんなの動きさえ、静かなリズムに包まれているみたいだった。
夜、通信はまだ戻らなかった。船長が「こういう夜も悪くないな」と言って、コーヒーをゆっくり飲んでいた。ぼくはその隣で丸くなり、音のない時間の“音楽”を感じていた。
静けさの中で、心が少し広くなった気がした。船も、みんなも、音がなくてもつながっている。そんな気がした。
おやすみ、音のない音楽。おやすみ、静かな夜。また、静寂で踊る日が来ますように。
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