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ぼんの宇宙日記(83日目)
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83日目。今日は、マヤの音楽を聴いた日。
朝、クッションの上で目を覚ました。居住区にやわらかな音が流れている。マヤが小さなスピーカーを持って、ゆったりと歩いていた。音楽。ピアノと声が、空気の中を漂う。ぼくの耳には、それが「宇宙の風」のように感じられる。船の壁や窓をすり抜けて、ぼくの体のまわりをやさしく撫でていく。ミナが「マヤ、朝からごきげんだね」と声をかける。マヤは「いい天気の日は、この曲って決めてるの」と笑う。窓から差し込む光と、音楽が混ざって、部屋の中に色が増えていく。
昼、マヤの音楽が居住区に広がる。ぼくはそのリズムに合わせて、しっぽをふる。
ゆっくり、音の通り道を探しながら歩く。足の裏が床の冷たさにふれるたび、音楽がそこにも染みこんでいる気がした。ジンは黙って端末をたたいている。船長は新聞を読みながら、小さく指先でリズムをとっていた。ミナはパンを焼きながら鼻歌まじりに動いている。みんなの動きも、少しだけ音楽に引っ張られているみたいだ。
午後、マヤがスピーカーの音量を上げた。今度はギターの音が、船のすみずみまで流れていく。ぼくは窓辺に座って、光と音を同時に浴びてみる。外の宇宙も、どこかでこの曲を聴いているんじゃないかと想像する。時々、マヤが「ぼんも一緒に聴いてる?」と声をかける。ぼくは振り向いて、目を細めてみせた。音楽は言葉よりも、からだに近い場所で響くものだと思った。
夜、音楽は静かに終わった。居住区に少し余韻が残る。ぼくはしっぽを丸めて、今日の「宇宙の風」を思い出していた。音の粒が、まだ体の奥に漂っている。
おやすみ、マヤの音楽。おやすみ、船内の風。また、音の中で歩く日がきますように。
朝、クッションの上で目を覚ました。居住区にやわらかな音が流れている。マヤが小さなスピーカーを持って、ゆったりと歩いていた。音楽。ピアノと声が、空気の中を漂う。ぼくの耳には、それが「宇宙の風」のように感じられる。船の壁や窓をすり抜けて、ぼくの体のまわりをやさしく撫でていく。ミナが「マヤ、朝からごきげんだね」と声をかける。マヤは「いい天気の日は、この曲って決めてるの」と笑う。窓から差し込む光と、音楽が混ざって、部屋の中に色が増えていく。
昼、マヤの音楽が居住区に広がる。ぼくはそのリズムに合わせて、しっぽをふる。
ゆっくり、音の通り道を探しながら歩く。足の裏が床の冷たさにふれるたび、音楽がそこにも染みこんでいる気がした。ジンは黙って端末をたたいている。船長は新聞を読みながら、小さく指先でリズムをとっていた。ミナはパンを焼きながら鼻歌まじりに動いている。みんなの動きも、少しだけ音楽に引っ張られているみたいだ。
午後、マヤがスピーカーの音量を上げた。今度はギターの音が、船のすみずみまで流れていく。ぼくは窓辺に座って、光と音を同時に浴びてみる。外の宇宙も、どこかでこの曲を聴いているんじゃないかと想像する。時々、マヤが「ぼんも一緒に聴いてる?」と声をかける。ぼくは振り向いて、目を細めてみせた。音楽は言葉よりも、からだに近い場所で響くものだと思った。
夜、音楽は静かに終わった。居住区に少し余韻が残る。ぼくはしっぽを丸めて、今日の「宇宙の風」を思い出していた。音の粒が、まだ体の奥に漂っている。
おやすみ、マヤの音楽。おやすみ、船内の風。また、音の中で歩く日がきますように。
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