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ぼんの宇宙日記(95日目)
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95日目。今日は、しっぽの奥まで整理した日。
朝、居住区の窓辺で丸くなっていたら、しっぽがよく動いた。理由はわからない。誰かの声や機械の音、窓の外を流れる光――何かに触れるたび、しっぽが勝手にふりふり揺れる。ときどき、床にしっぽの先で“丸”や“線”を描いてしまう。それは、ぼくの癖。だけど、今日はその動きにいつもより意識が向いた。
しっぽを眺めていると、不思議なことにいろんな記憶が浮かんできた。チュール星で走った日、ミナのひざで寝た日、船長の帽子をかぶった朝――全部、しっぽの先に小さく巻きついている気がする。思い出って、ふわふわの毛に絡まって、いつまでもそこに残るんだろうか。
昼、マヤが「ぼん、今日しっぽ元気だね」と声をかけてきた。ぼくはしっぽをぴんと立てて答えた。その瞬間、昔の“さみしさ”や“うれしさ”まで一緒に動いた気がした。しっぽは、ぼくの心のアンテナ。揺れるたびに、過去の音や匂いを連れてくる。
でも、今日はいつもと違う気分。しっぽの動きと一緒に、心の奥で「手放してもいい」と思えた。古い記憶が、そっとこぼれそうになる。思い切って、しっぽを何度も大きく揺らしてみた。何度も、何度も。まるで風にのせて、小さな思い出を遠くに送るみたいに。
午後、しっぽの毛をひと舐めして、ゆっくり整えた。毛並みの間に残っていた、少し苦い気持ちや、言葉にできないもやもやも、一緒に撫でて流してしまう。きれいにしたしっぽは、少しだけ軽くなった。新しい風が通る気がした。
夜、クッションの上で丸くなりながら考えた。全部を手放す必要はない。でも、時々こうして整理するのも悪くない。軽くなったしっぽで、また新しい出来事を感じていきたい。
おやすみ、整理したしっぽ。おやすみ、流れていく記憶。また、次の思い出が増える日まで。
朝、居住区の窓辺で丸くなっていたら、しっぽがよく動いた。理由はわからない。誰かの声や機械の音、窓の外を流れる光――何かに触れるたび、しっぽが勝手にふりふり揺れる。ときどき、床にしっぽの先で“丸”や“線”を描いてしまう。それは、ぼくの癖。だけど、今日はその動きにいつもより意識が向いた。
しっぽを眺めていると、不思議なことにいろんな記憶が浮かんできた。チュール星で走った日、ミナのひざで寝た日、船長の帽子をかぶった朝――全部、しっぽの先に小さく巻きついている気がする。思い出って、ふわふわの毛に絡まって、いつまでもそこに残るんだろうか。
昼、マヤが「ぼん、今日しっぽ元気だね」と声をかけてきた。ぼくはしっぽをぴんと立てて答えた。その瞬間、昔の“さみしさ”や“うれしさ”まで一緒に動いた気がした。しっぽは、ぼくの心のアンテナ。揺れるたびに、過去の音や匂いを連れてくる。
でも、今日はいつもと違う気分。しっぽの動きと一緒に、心の奥で「手放してもいい」と思えた。古い記憶が、そっとこぼれそうになる。思い切って、しっぽを何度も大きく揺らしてみた。何度も、何度も。まるで風にのせて、小さな思い出を遠くに送るみたいに。
午後、しっぽの毛をひと舐めして、ゆっくり整えた。毛並みの間に残っていた、少し苦い気持ちや、言葉にできないもやもやも、一緒に撫でて流してしまう。きれいにしたしっぽは、少しだけ軽くなった。新しい風が通る気がした。
夜、クッションの上で丸くなりながら考えた。全部を手放す必要はない。でも、時々こうして整理するのも悪くない。軽くなったしっぽで、また新しい出来事を感じていきたい。
おやすみ、整理したしっぽ。おやすみ、流れていく記憶。また、次の思い出が増える日まで。
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