ぼんの宇宙日記

ぼん

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ぼんの宇宙日記(21日目)

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21日目。 今日は“かたち”に囲まれていた。

朝、船長がブロック状の荷物を抱えて移動していた。 それが、船内のカーブした通路と全然合ってなくて、 ぼくは思わずその後ろで“しっぽで道案内”してしまった。 四角と丸って、仲が悪そうだ。 でも、どっちも大事なんだと思う。 ぼくの肉球も、ちょっとだけ四角い。

昼、マヤが新しい収納棚を組み立てていた。 部品が全部三角だった。 「この角度が安定の秘密」と彼女は言っていたけど、 ぼくは斜めに並んだ板の間に顔を突っ込んでみた。 なんか“山登りしている気分”になった。 棚って、登山装備かも。

午後、ジンが無人ドローンの点検をしていた。 丸い胴体、細長い羽根、四角いコンソール。 ぼくはその“合成体”に惹かれて、ドローンの下に座ってみた。 「ぼん、形で性格を決めるのか」とジンが言ったので、 ぼくは鼻をドローンにくっつけた。 それが「この子、きっとがんばり屋」っていうぼくの診断。

夕方、ミナがぼくのブラシを新しくしてくれた。 持ち手が楕円で、毛の部分が波打っていた。 「猫の毛並みに合わせたカーブだよ」って言われて、 ぼくはブラシに頭をぐりぐり。 ぼくは“かたちを感じる猫”だから、使い心地も感覚で決める。
夜、船長が言った。 「宇宙は不規則だが、美しい形をつくる力がある」 ぼくは窓辺で、遠くの星々の並びを見つめながら思った。 今日見た形たちも、きっと“意味を持つ並び”。 ぼくのしっぽも、今は“くるん”と丸くなっている。 それが今日の気分。

おやすみ、三角の棚。おやすみ、丸いドローン。また、かたちで心を読む日が来るといいね。
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