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十章 対女王戦陣
69、さらに詳しく訊いて
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さらに詳しく訊いてみると、対女王戦陣は、その奇妙奇天烈な装置によって水精霊の力を再現しているという。対女王戦陣の人員は、実力によって、ほんの一握りの陣頭と、その他大勢の霊兵に区別される。生身で水精霊と戦うのは陣頭だけであり、霊兵は幽体離脱装置に入って水精霊と化し、陣頭を手助けする役目を果たす。水精霊になると、万物に変化できるようになるばかりか、霊魂であるが故に不死だが、いかんせん陽光剣を手にした途端に蒸発してしまう身体なので、代わりに自身を武具に変えて陣頭を補佐する。そういった心強い味方の事を、対女王戦陣は、水精霊剣と便宜上は呼称して、悪しき水精霊と呼び分けている。陽光剣を用いて敵を打ち倒すのは陣頭であり、選りすぐりの腕利きだけをその役目に据えているため、極端に数が少なく、現時点で三名しか存在しないという。その内の一人がシシタであり、彼の周囲を取り巻いていた十の水精霊剣は、アナウンシアに追随した元騎士である。彼らの中には、陣頭に就けるほどの実力者が、ほぼ見受けられなかった。従って、陣頭は方々よりスカウトし、七名ほどを集めると計画されている。満を持して立ち上げたとはいえ、いまだ基盤を固める段階に甘んじているから、急ぎ戦力を整えようとアナウンシアは奔走している。
ノノバラは、先刻ユウカリに勧誘されたばかりであった。ただ、赤獣の女王と対女王戦陣、この二つの組織は、ルージュと戦い、聖碑石と約束の地を奪還するという一点において一致しているのだから、結局の所、然程の違いしか見当たらないように思えた。なので、ノノバラからすれば、どちらに属しようが一向に構わず、このまま赤獣の女王に残留した方が気楽とさえ思っていた。
ヴァレエタインが長話を終えて、一息ついた矢先、ノノバラは更に質問を重ねた。
「その幽体離脱装置ってのはルージュも使ってんのか」
「ルージュの頂点たるIDという女性をご存じですか。彼女こそが、すべての水精霊の母なのです。IDには、特殊な霊が取り憑いていて、その力をもってして水精霊を生み出しているのです。もっとも、人為的に生み出す事も、今では可能になりました」
「お前の胡散臭さの正体が何となく分かってきた。お前はルージュとの関わりを持っているんだ」
「もう昔の話です。こう見えても、かつてはルージュの幹部として働いていました。でも、今はフリーです」
ノノバラは、先刻ユウカリに勧誘されたばかりであった。ただ、赤獣の女王と対女王戦陣、この二つの組織は、ルージュと戦い、聖碑石と約束の地を奪還するという一点において一致しているのだから、結局の所、然程の違いしか見当たらないように思えた。なので、ノノバラからすれば、どちらに属しようが一向に構わず、このまま赤獣の女王に残留した方が気楽とさえ思っていた。
ヴァレエタインが長話を終えて、一息ついた矢先、ノノバラは更に質問を重ねた。
「その幽体離脱装置ってのはルージュも使ってんのか」
「ルージュの頂点たるIDという女性をご存じですか。彼女こそが、すべての水精霊の母なのです。IDには、特殊な霊が取り憑いていて、その力をもってして水精霊を生み出しているのです。もっとも、人為的に生み出す事も、今では可能になりました」
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