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十五章 絶滅願望
95、時計台の外へほっぽり
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ミキキがメロウによって時計台の外へほっぽリ出された頃、ユウカリとシシタの姿は見当たらなくて、何処かへ消えてしまったようであった。ノノバラもまた、時計台から出てきたけれど、彼がエルノックを助けようともしなかったのは、エルノックならば、いかなる状況に置かれても他人の手を借りはしないだろうと高を括っていたからであった。
ノノバラは、水精霊の襲撃を霊感によって予知した手前、シチューリア島に渡りたがっていた。以前のようにユウカリの助けを受けられないから、赤獣の女王の所有する戦艦、カタクリナに頼るしか、渡島する術はなかった。あれは水精霊によって破壊されてしまったとベネチャン支部の騎士から聞いていた。一方、シチューリア島の騎士からは、当時元帥代理であったミキキがカタクリナは直ったと言い張っていた、そう聞いたので、この際、現状を当人に確かめてみる事にした。カタクリナは本当に直ったのか、そう訊いてみたところ、ミキキは口ごもってばかりで答えようとはしなかった。そこで、口調を強めて更に訊いてみたところ、ミキキは、重い口を開き始め、カタクリナは依然として航行できない状態にあるとだけ呟いた。ノノバラは、愕然としたの束の間、嘘を言い張っていた理由について質問を重ねたところ、ミキキは、事のあらましを白状した。ノノバラを助けたいという気持ちだけが空回りした結果、船倉へ密かに連絡し、周囲に無断で戦艦カタクリナを無理矢理にでも航行させようと試みたのが、食い違いを招いた原因であったという。その事は、すぐにサティにも露見して、こっぴどく叱られたそうなので、ノノバラは、大目に見る事にした。
戦艦カタクリナが機能しない以上、もはやユウカリにすがりつく事でしか、シチューリア島に渡れそうもなかった。そこで、ノノバラは、メロウに頼んで、ユウカリの元へと連れて行ってもらう運びとなった。ミキキは大聖堂に帰したいというのが本音であったけれど、また尾行されては七面倒くさいので、いっそ同行させる事にした。キミシロミへの伝言は、ミキキが公衆電話にて伝えておき、それから三人はユウカリの元へと急いだ。
ノノバラは、水精霊の襲撃を霊感によって予知した手前、シチューリア島に渡りたがっていた。以前のようにユウカリの助けを受けられないから、赤獣の女王の所有する戦艦、カタクリナに頼るしか、渡島する術はなかった。あれは水精霊によって破壊されてしまったとベネチャン支部の騎士から聞いていた。一方、シチューリア島の騎士からは、当時元帥代理であったミキキがカタクリナは直ったと言い張っていた、そう聞いたので、この際、現状を当人に確かめてみる事にした。カタクリナは本当に直ったのか、そう訊いてみたところ、ミキキは口ごもってばかりで答えようとはしなかった。そこで、口調を強めて更に訊いてみたところ、ミキキは、重い口を開き始め、カタクリナは依然として航行できない状態にあるとだけ呟いた。ノノバラは、愕然としたの束の間、嘘を言い張っていた理由について質問を重ねたところ、ミキキは、事のあらましを白状した。ノノバラを助けたいという気持ちだけが空回りした結果、船倉へ密かに連絡し、周囲に無断で戦艦カタクリナを無理矢理にでも航行させようと試みたのが、食い違いを招いた原因であったという。その事は、すぐにサティにも露見して、こっぴどく叱られたそうなので、ノノバラは、大目に見る事にした。
戦艦カタクリナが機能しない以上、もはやユウカリにすがりつく事でしか、シチューリア島に渡れそうもなかった。そこで、ノノバラは、メロウに頼んで、ユウカリの元へと連れて行ってもらう運びとなった。ミキキは大聖堂に帰したいというのが本音であったけれど、また尾行されては七面倒くさいので、いっそ同行させる事にした。キミシロミへの伝言は、ミキキが公衆電話にて伝えておき、それから三人はユウカリの元へと急いだ。
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