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2 閉ざされた私たちと違和感
三角錐
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警備室の前で自分たち四人は立ち止まったまましばらく話し込んでいた。この事実が判明したことによる、さまざまな推測が湖さん、飯村、自分の三人で行われていた。三人がさまざまな推測を飛ばしている中、荻原さんは一言も口を利くことなくずっと黙っていた。
三人寄れば文殊の知恵という言葉があるが、なにぶん推理材料がないもので、三人の推測は完全に変な方向へと反れてしまった。もっと正確に言うならば、湖さんの推測が突拍子のないことだったり、実現不可能なことだったりといった方向に進んでいくため、そこまで充実した話し合いとはならなかった。きっと、荻原さんがずっと黙っていたのも、自分たちの話し合いがただの無駄話であると彼女自身捉えていたのだろう。
警備室の前で五分か十分くらい話し合いをした後、四人は適当に校舎をブラブラ歩いていたが、特に何も誰も発見することはなかった。
しかし、五階を散策したとき、とある発見があった。中央階段の目の前に一つの赤いカラーコーンが置いてあった。正確にはカラーコーンは倒されていた。
「あれ、こんなところにカラーコーンがあるよ」
いち早くカラーコーンを見つけたのは飯村だった。彼はそのカラーコーンがある場所へ近づき、カラーコーンを持ち上げてみた。
カラーコーンの中には油性ペンで「屋上」と書かれていた。それを見た飯村はその旨をほかの三人に伝えた。きっと立ち入りが禁じられている屋上で使われているカラーコーンなのだろう。
自分と湖さんは、飯村のもとに駆け寄ってカラーコーンの中を覗かせてもらった。確かに彼の言う通り「屋上」と書かれていた。文字は割と大きめに書かれており、その大きさはカラーコーンの裏を覗けばはっきりと分かるくらいだった。カラーコーンの使用用途によって、裏に何か文字を記すことがあるということを知らなかった。三角錐の裏面に文字を書くのは相当書きにくそうである。表面に書けばいいのに。と少しだけ不思議に思った。
一方で荻原さんは、カラーコーンには一切近づくことなくずっとその場にいた。ふと自分は荻原さんと視線が合ったのだが、荻原さんの様子が少し変だった。さっき、自分たちが話し合いをしていたときの荻原さんの態度はどちらかというと呆れている感じで、キョロキョロあたりを見回している様子だった。しかし、今の荻原さんはそのカラーコーンを魔物でも見たかのような目でじっと見つめていた。彼女の表情から読み取れるのは、焦りと恐れだった。
「まあ、何にもなさそうだね」
と湖さんがカラーコーンを投げ捨てた。そのカラーコーンはガランガランといって階段を転がっていった。
「おい、別に投げ捨てなくてもいいんじゃ」
飯村がそう湖さんに言った。湖さんは「別にどっちでもいいじゃん」と笑い飛ばした。
何だろう。別に変なことを言っているわけじゃないのに、なぜかその飯村の言葉が引っかかった。自分は頭を思わず抱えていた。言語化することができない、正体のわからない違和感に振り回されているような、そんな気にしかならなかった。
三人寄れば文殊の知恵という言葉があるが、なにぶん推理材料がないもので、三人の推測は完全に変な方向へと反れてしまった。もっと正確に言うならば、湖さんの推測が突拍子のないことだったり、実現不可能なことだったりといった方向に進んでいくため、そこまで充実した話し合いとはならなかった。きっと、荻原さんがずっと黙っていたのも、自分たちの話し合いがただの無駄話であると彼女自身捉えていたのだろう。
警備室の前で五分か十分くらい話し合いをした後、四人は適当に校舎をブラブラ歩いていたが、特に何も誰も発見することはなかった。
しかし、五階を散策したとき、とある発見があった。中央階段の目の前に一つの赤いカラーコーンが置いてあった。正確にはカラーコーンは倒されていた。
「あれ、こんなところにカラーコーンがあるよ」
いち早くカラーコーンを見つけたのは飯村だった。彼はそのカラーコーンがある場所へ近づき、カラーコーンを持ち上げてみた。
カラーコーンの中には油性ペンで「屋上」と書かれていた。それを見た飯村はその旨をほかの三人に伝えた。きっと立ち入りが禁じられている屋上で使われているカラーコーンなのだろう。
自分と湖さんは、飯村のもとに駆け寄ってカラーコーンの中を覗かせてもらった。確かに彼の言う通り「屋上」と書かれていた。文字は割と大きめに書かれており、その大きさはカラーコーンの裏を覗けばはっきりと分かるくらいだった。カラーコーンの使用用途によって、裏に何か文字を記すことがあるということを知らなかった。三角錐の裏面に文字を書くのは相当書きにくそうである。表面に書けばいいのに。と少しだけ不思議に思った。
一方で荻原さんは、カラーコーンには一切近づくことなくずっとその場にいた。ふと自分は荻原さんと視線が合ったのだが、荻原さんの様子が少し変だった。さっき、自分たちが話し合いをしていたときの荻原さんの態度はどちらかというと呆れている感じで、キョロキョロあたりを見回している様子だった。しかし、今の荻原さんはそのカラーコーンを魔物でも見たかのような目でじっと見つめていた。彼女の表情から読み取れるのは、焦りと恐れだった。
「まあ、何にもなさそうだね」
と湖さんがカラーコーンを投げ捨てた。そのカラーコーンはガランガランといって階段を転がっていった。
「おい、別に投げ捨てなくてもいいんじゃ」
飯村がそう湖さんに言った。湖さんは「別にどっちでもいいじゃん」と笑い飛ばした。
何だろう。別に変なことを言っているわけじゃないのに、なぜかその飯村の言葉が引っかかった。自分は頭を思わず抱えていた。言語化することができない、正体のわからない違和感に振り回されているような、そんな気にしかならなかった。
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