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4地雷と盗聴器
地雷
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とりあえず、自分の席に着いた。別に席なんてどこに座っても変わらないのだが、なんだか自分の席というのは一番安心する。ある意味、ふるさとともいえるのだろう。柿本さんもちょうど自分の席に座っていたため、自分と柿本さんでまたたわいもない会話をした。
「柿本さんって、荻原さんと仲良いんだね」
荻原さんが柿本さんとLINEしていたということを聞いたため、それを話題として振った。自分からしてみたら何事もきっちりとしている荻原さんと、とりあえず無邪気に元気に振る舞う柿本さんとは性格が違いすぎるため、柿本さんと荻原さんが仲良くしていることに少々意外な面を感じた。
「あ、仲良く見える?私、そんなに真実ちゃんと話してないけどね」
「あ、なんか、荻原さんから柿本さんとLINEしたって言うのを聞いてさ」
「ああ、なるほどね。まあ、家近所同士だったからっていう理由で真実ちゃんが私に聞いてきたんじゃない?」
「へえ、家近いんだ」
「うん。だから、今日も真実ちゃんと一緒に来たよ。別に真実ちゃんと特別仲がいいとか名が悪いとかってわけじゃないけど、真実ちゃんはいい子だよ」
柿本さんの声が大きいせいで、荻原さんに聞こえてはしないかとハラハラしていた。荻原さんは遠く離れた自分の席で読書をしていたようで、特に荻原さんがこちらを気にする様子はなかったため、それは幸いだった。もし、荻原さんがこの会話を盗み聞きしていたとしたら、自分から荻原さんのことを話題に出して柿本さんと話していることがなんだか恥ずかしく思えてならない。
そのような感じでどうでもいい話が進んでいった。ただ、そのどうでもいい話が良くも悪くもリラックスさせてくれる。気が付けばすでに十五分が経っていた。あのさっきの一時間と比べて、時が経つのが圧倒的に早いと感じさせた。お互いに話すことで微かによぎる不安の気持ちを無意識のうちに抑えようとしていたのだろう。
「あれ、てか今日スマホ持ってきてないんだ」
柿本さんが自分に対して聞いた。
「うん。まあ、なんかスマホ置いてきちゃっていいかなって思ったから」
「そーなんだ。まあ、なんか圏外になっててどのみち使えないんだけどね」
そういいながら、柿本さんはスマホを荷物から取り出して電源を入れた。
そういえば、スマホがみんな圏外になっているんだったということを今思い出した。おそらく電波の障害でも入ったのだろう。普段、平日においてはスマホは普通に使えるため、ここで使えないということはおそらく人為的なものであると思われる。そこまで仕組んでいるとなるとこちらとしても身構えざるを得ない。
柿本さんのスマホが起動した。しかし、相変わらず柿本さんのスマホは圏外だった。柿本さんのスマホのホーム画面には一人の男性の写真があった。
「その写真、誰?」
思わず自分は柿本さんに聞いた。
すると、柿本さんはスマホを慌てて荷物の中に押し込んだ。自分は見てはいけないものを見てしまい、聞いてはいけないことを聞いてしまったという罪悪感を抱いた。柿本さんは動揺を隠すように笑顔を見せた。ただ、その笑顔は動揺を隠すためだけではなかった。
「その写真ね・・・・・・兄の写真なの」
柿本さんに妹がいるということは知っていたが、兄がいるということは初耳だった。年齢的に兄は一個上か二個上くらいだろうか。
「へえ、兄さんがいるんだ。それは初めて知ったな」
すると、彼女は寂しそうな表情を見せて言った。
「兄さんがいるというより、兄さんがいたって言ったほうが正しいね・・・・・・」
「あ・・・・・・」
自分はそれ以上言葉が出なかった。本当に聞いてはいけないことを聞いてしまったのだ。
「うん。なんか変な雰囲気にしちゃってごめんね。なんか別の話しよっか」
柿本さんは再び笑顔を見せた。ただ、彼女の目には涙を浮かべていた。無理して笑っている彼女の姿を見た自分は、余計に心が辛くなった。
「柿本さんって、荻原さんと仲良いんだね」
荻原さんが柿本さんとLINEしていたということを聞いたため、それを話題として振った。自分からしてみたら何事もきっちりとしている荻原さんと、とりあえず無邪気に元気に振る舞う柿本さんとは性格が違いすぎるため、柿本さんと荻原さんが仲良くしていることに少々意外な面を感じた。
「あ、仲良く見える?私、そんなに真実ちゃんと話してないけどね」
「あ、なんか、荻原さんから柿本さんとLINEしたって言うのを聞いてさ」
「ああ、なるほどね。まあ、家近所同士だったからっていう理由で真実ちゃんが私に聞いてきたんじゃない?」
「へえ、家近いんだ」
「うん。だから、今日も真実ちゃんと一緒に来たよ。別に真実ちゃんと特別仲がいいとか名が悪いとかってわけじゃないけど、真実ちゃんはいい子だよ」
柿本さんの声が大きいせいで、荻原さんに聞こえてはしないかとハラハラしていた。荻原さんは遠く離れた自分の席で読書をしていたようで、特に荻原さんがこちらを気にする様子はなかったため、それは幸いだった。もし、荻原さんがこの会話を盗み聞きしていたとしたら、自分から荻原さんのことを話題に出して柿本さんと話していることがなんだか恥ずかしく思えてならない。
そのような感じでどうでもいい話が進んでいった。ただ、そのどうでもいい話が良くも悪くもリラックスさせてくれる。気が付けばすでに十五分が経っていた。あのさっきの一時間と比べて、時が経つのが圧倒的に早いと感じさせた。お互いに話すことで微かによぎる不安の気持ちを無意識のうちに抑えようとしていたのだろう。
「あれ、てか今日スマホ持ってきてないんだ」
柿本さんが自分に対して聞いた。
「うん。まあ、なんかスマホ置いてきちゃっていいかなって思ったから」
「そーなんだ。まあ、なんか圏外になっててどのみち使えないんだけどね」
そういいながら、柿本さんはスマホを荷物から取り出して電源を入れた。
そういえば、スマホがみんな圏外になっているんだったということを今思い出した。おそらく電波の障害でも入ったのだろう。普段、平日においてはスマホは普通に使えるため、ここで使えないということはおそらく人為的なものであると思われる。そこまで仕組んでいるとなるとこちらとしても身構えざるを得ない。
柿本さんのスマホが起動した。しかし、相変わらず柿本さんのスマホは圏外だった。柿本さんのスマホのホーム画面には一人の男性の写真があった。
「その写真、誰?」
思わず自分は柿本さんに聞いた。
すると、柿本さんはスマホを慌てて荷物の中に押し込んだ。自分は見てはいけないものを見てしまい、聞いてはいけないことを聞いてしまったという罪悪感を抱いた。柿本さんは動揺を隠すように笑顔を見せた。ただ、その笑顔は動揺を隠すためだけではなかった。
「その写真ね・・・・・・兄の写真なの」
柿本さんに妹がいるということは知っていたが、兄がいるということは初耳だった。年齢的に兄は一個上か二個上くらいだろうか。
「へえ、兄さんがいるんだ。それは初めて知ったな」
すると、彼女は寂しそうな表情を見せて言った。
「兄さんがいるというより、兄さんがいたって言ったほうが正しいね・・・・・・」
「あ・・・・・・」
自分はそれ以上言葉が出なかった。本当に聞いてはいけないことを聞いてしまったのだ。
「うん。なんか変な雰囲気にしちゃってごめんね。なんか別の話しよっか」
柿本さんは再び笑顔を見せた。ただ、彼女の目には涙を浮かべていた。無理して笑っている彼女の姿を見た自分は、余計に心が辛くなった。
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