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序章
狂気
しおりを挟む閲覧注意 残酷な場面があります。
「みんな起きて。」
夜通し見張ってたマリエッタ先生の声で起きる。まだ外は暗い。ランプ手にみんなを起こして回ってる。
「どうしたの?先生。」
フィナが眠い目を擦りながら聞く。
外が騒がしい。私は異変に気付きすぐ起きた。
「少しの間、教会の講堂にいてもらうわ。アリサとフィナはみんな起こしてを集めて。移動するわよ。」
すぐさま二人で起こして回る。マリエッタ先生とアンジェ先生が小声で相談している。
「外に誰かいるの?」
「こちらの方に向かってくる沢山の松明の明かりが見えたの。何がくるかわからないわ。安全な場所に移動しましょう。確か、講堂の地下ならみんな隠れられると思うわ。」
「わかった。急いでいきましょう。」とアンジェ先生も頷く。
全員が集まり移動する。 フィナと手を握り合う。震えている。
真っ暗な、教会への廊下を駆ける。外で怒号、誰か戦ってる物音が聞こえる。みな精一杯に逃げる。この状況、あの悲劇が思い出させる。今度は大丈夫だと心に言い聞かせる。年長の男の子としてケンタは最後尾から小さい子を引き連れて私はフィナを引っ張って行く。
教会の講堂にたどり着いた。
「この階段から降りて地下の部屋に行って。」
マリエッタ先生が誘導する。床下に階段があり下に続いてる。初めて見るところだ。
「さぁみんな入って。」
「フィナ?」
「うん、平気。」
「大丈夫。ケンタが守ってくれるから。」
「え、俺?」
「か弱い私達を守ってくれないのかな?」
「アリサねーちゃんは別だろ。」
「えー。」
ちょっと不謹慎過ぎたかな。でもフィナがくすっと笑った。
「ありがとうねアリサお姉ちゃん」
「うん。」
扉を開け私とケンタが部屋の中へ、全員入らせる。
「絶対あいつらに渡さないから」アンジェ先生が小声で呟く。
「アンジェ先生。」
「だってみんな…」
部屋の中は暗い。ふと何かの違和感が。そういえば、階段の上にいたマリエッタ先生が来ていない。踵を変えそうと入り口に向かった時カチャリとドアの閉まる音が聞こえる。
「アンジェ先生どこ?」
あとこの部屋臭い。最近どこかで嗅いだことがある臭いだ。
ろうそくの明かりが灯る。私は絶句した。部屋の隅々に拷問道具、大小さまざまな刃物。辺り一面血の跡。
一人の女の子がアンジェ先生を見つけて駆け寄る。
「怖いよ先生。」
「心配しないで今助けてあげる」
アンジェ先生がニコニコしながら答える。何か変だ。
「アンジェ殺りなさい。」
声をたどると奥の壇上にニコル先生いる。
それよりも、アンジェ先生がいつの間にか大きなナタを持っている。そして女の子を少し離すとナタを振り上げ、落とす。
「え?!」
鮮血が飛び散り辺りを濡らし、私の顔にもかかる。何かが足元に転がって来て、驚いた顔と目が合った。先ほど女の子の首転がってきた。
静寂が続く。
「あら?やり過ぎちゃたかしら。」
アンジェ先生が血が滴るナタを手に近づいてくる。絶叫。数人の子は呆然と硬直し、残りは一目散にドアに逃げようと群がる。
「開かない」
「マリエッタ先生居るんでしょ。」
「助けて。」
「アンジェ先生が変だよ。」
子供たちが叫び、ドアを必死で叩く。
だけど開かない。ドアの奥から「ごめんなさい。ごめんなさい。」とすすり泣くマリエッタ先生の声が聞こえる。私は何も考えられずに突っ立ていて、フィナは座り込んでいる。アンジェ先生と目が合った。
「あなたたちはメインディッシュ。最後まで取っといてあげる。今はこの子たちを可愛がらなきゃ。」
どうして?と言葉が出ず見ていることしか出来なかった。
ある男の子は背中から切りつけられ抵抗しなくなるまでナイフで滅多刺し。それでもピクピクといまだ動いている。またある女の子は座り込んでいて、慈愛の目で血が着いた手で頬を擦られてそのまま首を締められた。暴れているが拘束から抜け出せない。可愛らしいスカートの奥から生暖かい物が濡らし漏れ出している。
また一人と仲間がいなくなる。「やめて」とフィナは怖さのあまりうずくまり怯えている。私は酷い状況から目を逸らすことができない。
「次はフィナね。とりあえず誕生日おめでとう。最高の日にしてあげる。」
ノコギリを手にして、私たちに近づいてくる。とっさにフィナの手を引き後ずさる。それでもアンジェ先生は焦らずゆっくりと距離をつめる。壁に背中がついてしまった。逃げられない。恐怖でてを握り合う。
「やめろ!」
その時ケンタが飛び付いてくる。右手に持ったノコギリの腕にしがみついている。
「やーね。もう少し待ってくれれば良いのに。この子のこと好きだね。だったら少し見てなさい。」
「うわっ」
ケンタを振りほどき腹パンをし、蹴り飛ばす。そしてこちらに近づいてくる。
「気絶しちゃったか。」
「どうしてこんなことするんですか?」
私は泣きながら質問した。
「こんなことって?」
「こんなこと私が知ってるアンジェ先生ではないです!」
ここに来てからアンジェ先生は優しく接してくれた。何もわからないところを親切に教えてくれたり、遊んでくれた。時々お茶目なところもあるけど、危険なことがあったとき本気で心配してくれた。私にとってママみたいな存在だった。
「いままでのことはうそだったんですか?」
「いえ、ほんとよ。うちの子のように接していて、いままで孤児院の子も同じようににしているわ。でも今回で最後かもしれない。だから精一杯可愛がってあげる。」
「いやっ!」
フィナの腕を掴み引っ張ってくる。
「渡さない❗」
負けじと離さない。絶対この手を離さない。
「うーん?困ったわね。それなら。」
ナイフに持ち替え、私の首元に添える。
「これに耐えれるかな?」
「ひっ!」
「ひどいことしないで。」
思わずフィナが叫ぶ。
首に触れ血がたらーとこぼれ落ちる。そのまま胸元まで撫でる。たまらず目を閉じてたすら耐える。そして軽い衝撃。思わず横に倒れ手を離してしまった。
「アリサお姉ちゃん!」
フィナが連れられて行く。
「いつから姉妹になったの?まぁいいわ。妹の素敵な姿を見ときなさい。」
「やめて❗」
馬乗りにされノコギリを右手に当てて切る。あたかも材木を切るように。ぐちゃぐちゃと鈍い音が聞こえる。
「ぎゃあー」女の子らしくない悲鳴が上がる。
「いた、痛い。やめて。」
「だーめやめない。こんな楽しいこと。」
さらに進める。そして声が聞こえなくなった。
いくら時間がたったのだろう。1日が半日か実際は20分しかたっていない。それほど遅く感じた。顔を上げるとバラバラになったフィナだった物が転がってた。思わず胃の内容物を吐き出す。
「もういやだ。」
「そういえば、フィナがお姉ちゃんありがとうって。」
アンジェ先生が腕を拾い投げて渡す。
手に誕生日にプレゼントしたペンダントが握りしめてあった。思わず涙が零れる。
それを大切に抱え込みんだ。
更新がものすごく遅れました。すいません。地道にがんばります。
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