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王女さまが新居にいらっしゃるらしいよ
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コンコン
ドアを叩く音がする。
「どなた様でしょうか?」
と元気よく返事をする。
「失礼致します。王国調査団のものです。ちょっとお時間頂けますか?簡単な質問をいくつかしますので回答ください」
僕が扉をあけると前に居たのは役所のお姉さんだった。
「恋愛進行度Zの方でお間違いないですか?」
「はい」
「すべてのチェックボックスにチェックが入っておりますよね?」
「はい、そうですね」
「王女さまが希有な例だと、大変お喜びになられまして……。その自分の施行した法律でこんなにも早く、おめでたとは……」
「おめでた……ですか」
「はい、王女アルジェさまは是非ジョフィアさんとエルさんとお話がしたいと……。王女アルジェ殿下はこの1月の月末に、法律の成果として、自分の目で確かめたいそうです。おめでたい、ことですから」
ああ、僕は王女様から直接このエルとの楽しい同棲生活を祝ってもらえるのか……。
「エル、王女さまが今月末、新居にくるって」
「そうなんだ……。うれしいね。なにか贈り物を用意しないと……。部屋も綺麗に飾り付けたいな」
僕たちは月末まで、前にも輪をかけて、王女殿下のことについて、何度も絶賛し、はなしあかしたものだ。
そして、ついに月末が来た。
「こんにちは、王女殿下の教育係を務めさせていただいている賢者のランドルというものです……。王女殿下が、すぐに参られますので、しばしお待ちを……」
ほどなく、僕の新居に、いかにもお姫様というかっこうのアルジェ殿下がいらした。
「あなたが、ジョフィアさん……、それにエルさん……。おめでとうございますね?」
「いえ、おめでとうだなんて……もったいないお言葉です。アルジェ王女殿下のおかげさまで、僕とエルは毎日楽しく暮らしております」
「そう、良かった……。これから、もっと賑やかになりますね……」
「え?」
「出産はまだまだ先でしょうけど、エルさんをちゃんといたわってあげてくださいね!」
とニッコリ笑う王女殿下。
「出産……ですか?」
なにを言っているのだろうと疑念をもつ僕。
王女殿下の顔が曇る。
「ひょっとして、まずいことを聞いてしまいましたか……。ごめんなさい……。大変失礼致しました」
と謝る王女。
「いえ……。僕たちの今があるのは王女殿下の法律があってのことですから……、気にしないで、どうか」
とドギマギする僕。
「それにしても、毎日愛のキスを欠かさないなんて……。素敵ですね!」
「あ、あ、あいのキス????」
キスなんてしてないけど……。
「ベットも一緒に仲良くと聞いております」
「一緒のベット……」
「毎晩……とか、エルさん、お幸せなんですね。女の子として、素敵な殿方と……。うらやましいです」
ちょっとほほを赤らめる王女。
「毎晩……。はい、そうですね。毎晩一緒に寝ています」
話を合わせる僕。
「もう、露骨ですね……」
ますます顔を赤らめる王女。
「王女さま、質問を逆にしてもよろしいでしょうか?」
「はい、もちろんです。ジョフィアさん」
僕は王女殿下が誰に告白したのか?素朴にそれを聞きたくなった。それは若さ故の過ちだったかもしれない。
だって僕はしらなかったんだ。王女が自分の法律を守っておらず、まだ告白相手がいなくて、報告書も書いてなくて……。それでいますぐ誰かに告白しないと、王族とはいえ、禁固一年の罪で投獄されることを……。
ドアを叩く音がする。
「どなた様でしょうか?」
と元気よく返事をする。
「失礼致します。王国調査団のものです。ちょっとお時間頂けますか?簡単な質問をいくつかしますので回答ください」
僕が扉をあけると前に居たのは役所のお姉さんだった。
「恋愛進行度Zの方でお間違いないですか?」
「はい」
「すべてのチェックボックスにチェックが入っておりますよね?」
「はい、そうですね」
「王女さまが希有な例だと、大変お喜びになられまして……。その自分の施行した法律でこんなにも早く、おめでたとは……」
「おめでた……ですか」
「はい、王女アルジェさまは是非ジョフィアさんとエルさんとお話がしたいと……。王女アルジェ殿下はこの1月の月末に、法律の成果として、自分の目で確かめたいそうです。おめでたい、ことですから」
ああ、僕は王女様から直接このエルとの楽しい同棲生活を祝ってもらえるのか……。
「エル、王女さまが今月末、新居にくるって」
「そうなんだ……。うれしいね。なにか贈り物を用意しないと……。部屋も綺麗に飾り付けたいな」
僕たちは月末まで、前にも輪をかけて、王女殿下のことについて、何度も絶賛し、はなしあかしたものだ。
そして、ついに月末が来た。
「こんにちは、王女殿下の教育係を務めさせていただいている賢者のランドルというものです……。王女殿下が、すぐに参られますので、しばしお待ちを……」
ほどなく、僕の新居に、いかにもお姫様というかっこうのアルジェ殿下がいらした。
「あなたが、ジョフィアさん……、それにエルさん……。おめでとうございますね?」
「いえ、おめでとうだなんて……もったいないお言葉です。アルジェ王女殿下のおかげさまで、僕とエルは毎日楽しく暮らしております」
「そう、良かった……。これから、もっと賑やかになりますね……」
「え?」
「出産はまだまだ先でしょうけど、エルさんをちゃんといたわってあげてくださいね!」
とニッコリ笑う王女殿下。
「出産……ですか?」
なにを言っているのだろうと疑念をもつ僕。
王女殿下の顔が曇る。
「ひょっとして、まずいことを聞いてしまいましたか……。ごめんなさい……。大変失礼致しました」
と謝る王女。
「いえ……。僕たちの今があるのは王女殿下の法律があってのことですから……、気にしないで、どうか」
とドギマギする僕。
「それにしても、毎日愛のキスを欠かさないなんて……。素敵ですね!」
「あ、あ、あいのキス????」
キスなんてしてないけど……。
「ベットも一緒に仲良くと聞いております」
「一緒のベット……」
「毎晩……とか、エルさん、お幸せなんですね。女の子として、素敵な殿方と……。うらやましいです」
ちょっとほほを赤らめる王女。
「毎晩……。はい、そうですね。毎晩一緒に寝ています」
話を合わせる僕。
「もう、露骨ですね……」
ますます顔を赤らめる王女。
「王女さま、質問を逆にしてもよろしいでしょうか?」
「はい、もちろんです。ジョフィアさん」
僕は王女殿下が誰に告白したのか?素朴にそれを聞きたくなった。それは若さ故の過ちだったかもしれない。
だって僕はしらなかったんだ。王女が自分の法律を守っておらず、まだ告白相手がいなくて、報告書も書いてなくて……。それでいますぐ誰かに告白しないと、王族とはいえ、禁固一年の罪で投獄されることを……。
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