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Chapter 2 ある転生者の場合
2.5 Transformation
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気がつくと、もともと調査していたダンジョンに戻ってきていた。
みんなの状態を確認するためにギルドカードでクエスト状況をみると、パーティメンバーが僕ひとりとなっている。
召喚したレオ君は別として、お嬢様達が検出されていないということは、僕と似たような超階にいる可能性が高い。
そのうち戻ってくると思うので、僕は準結晶の採掘をしていようと思う。
【Caution: Mind Inserting】
【Blocked】
そんな折、視界の端にアラートが出た。
これは術理院会員が良く使う緊急回避システムで、何らかの魔力的な介入を受けた際に表示されるようにしているものだ。
【Caution: Mind Inserting】
【Blocked】
【Caution: Mind Inserting】
【Blocked】
【Caution: Mind Inserting】
【Blocked】
【Caution: Mind Inserting】
【Blocked】
【Caution: Mind Inserting】
【Blocked】
【Caution: Mind Inserting】
【Blocked】
「うわ、何だなんだ」
相当な回数の介入があるらしく、視界に高速でメッセージが流れていく。
僕はバッグから魔力板を取り出して操作し、警告の詳細を画面に出力した。
「この魔力応答は、会話魔法かな」
検出した魔力を変換した信号からそう解釈した。
会話魔法は例えば、精神に直接語りかけるコミュニケーションが該当する。
この手の魔法の代表的な作用機構は、送りたいメッセージを、自分の頭の中から相手の頭の中に移す変換だ。
自分の頭の中
⇅
相手の頭の中
こういった精神に直接介入する魔法は、洗脳に発展する恐れがあるので、僕は基本的に受け付けないようにしている。
恐らく土精霊が話しかけようとしているだけだと思うけれど、もしも僕が何らかの影響を受けて召喚魔法を無制限に使い始めたりすれば、取り返しがつかない。
とりあえず同じ警告は視界に表示しないように設定し、無視して採掘に回ることにした。
鉱石を回収していると、戻ってきたお嬢様とメイドさんの声が聞こえてきた。
「一度も迷わず攻略とはさすが、さすがですお嬢様ですぅ!」
「はいはいありがと。それより、向こうから何か聞こえるのは…」
道具をまとめてから出迎えに行く。
「大丈夫でしたか?」
「!?」
「ヤバですぅ! 逃げましょお嬢様」
僕を見るなり後ずさるお嬢様。メイドさんは糸目を一瞬見開いてからお嬢様を背後に隠した。
まるで街中でモンスターに出会ったような反応だ。
「どうかしましたか?」
「いやいやいや、え? 埋まってるの?」
「? ええ、埋まっている鉱物を採掘していたんですよ」
「埋まってるのは店主でしたとさ。泣いてる精霊の山の中」
「あー、それでか」
魔力介入はやはり土精霊からだったらしい。
術理院会員の僕に伝えたいことでもあったのだろうか。
「僕は精霊を知覚できないんです。土精霊達は僕に引っ付いて何て言っているんですか?」
「何でか土精霊だけじゃないし…。色んな属性の精霊が、お願い、逃げて、お願い、危ない、逃げてって、泣きながら」
「やっぱヤバですよぉ!」
通常のフロアにそこまでの脅威が出現するのは考えにくい。けれども、ここは通常のダンジョンとは少し異なる準ダンジョン。
領主様のご息女に何かあった場合、僕には責任が取れない。
撤退するべきだ。
「では、街に帰りましょうか。レオ君は後で僕が迎えておきます」
帰路を進む僕達のパーティには緊張感が漂っていた。
「変だわ、絶対に変…!」
「壁の配置が行きと違いますね。生物の気配もない」
「薄暗い迷路ですな。にしても、精霊達の慌てん坊っぷりが実に激しきで心配ですー…」
「わわ、歩くから引っ張らないで、ね?」
様相を変えたダンジョンを進んでいく。
僕には知覚できない精霊が極めて焦っているらしく、先導するお嬢様をさらに手を引いて急かしているようだ。
「急がないと来るって、何が来るの? え、ダンジョンに、異変?」
⌈ ⌋ ⌈ ⌋ ⌈ ⌋
⌈ ⌋ ⌈ ⌋ ⌈ ⌋ ⌈ ⌋
⌈ ⌋
⌈ ⌋ ⌈ ⌋ ⌈ ⌋
⌈ ⌋ ⌈ ⌋
「お、落ち着いて。ひとりずつね」
⌈ ⌋
⌈ ⌋
「お嬢様、あ、あ、あれ、あれ、あ」
青ざめたメイドさんが十字路で後ろを指差す。
僕は暗がりに目を凝らした。
【Error: Unknown】
【Erŗor: Unќnow̵n】
【Ĕrͬr̴or: U̶ѝ̸knͦø̶ѡn】
【ľ̸̸̶̳͡͝⁅ŗ̤̼́͢͜ō̸̫̉Ŧ̸̸̀̓ͦ̆̉͆͂͌͡͠ Ư̶̈̌ࣟ̅͜n𐨎𐨍𐨁】
みんなの状態を確認するためにギルドカードでクエスト状況をみると、パーティメンバーが僕ひとりとなっている。
召喚したレオ君は別として、お嬢様達が検出されていないということは、僕と似たような超階にいる可能性が高い。
そのうち戻ってくると思うので、僕は準結晶の採掘をしていようと思う。
【Caution: Mind Inserting】
【Blocked】
そんな折、視界の端にアラートが出た。
これは術理院会員が良く使う緊急回避システムで、何らかの魔力的な介入を受けた際に表示されるようにしているものだ。
【Caution: Mind Inserting】
【Blocked】
【Caution: Mind Inserting】
【Blocked】
【Caution: Mind Inserting】
【Blocked】
【Caution: Mind Inserting】
【Blocked】
【Caution: Mind Inserting】
【Blocked】
【Caution: Mind Inserting】
【Blocked】
「うわ、何だなんだ」
相当な回数の介入があるらしく、視界に高速でメッセージが流れていく。
僕はバッグから魔力板を取り出して操作し、警告の詳細を画面に出力した。
「この魔力応答は、会話魔法かな」
検出した魔力を変換した信号からそう解釈した。
会話魔法は例えば、精神に直接語りかけるコミュニケーションが該当する。
この手の魔法の代表的な作用機構は、送りたいメッセージを、自分の頭の中から相手の頭の中に移す変換だ。
自分の頭の中
⇅
相手の頭の中
こういった精神に直接介入する魔法は、洗脳に発展する恐れがあるので、僕は基本的に受け付けないようにしている。
恐らく土精霊が話しかけようとしているだけだと思うけれど、もしも僕が何らかの影響を受けて召喚魔法を無制限に使い始めたりすれば、取り返しがつかない。
とりあえず同じ警告は視界に表示しないように設定し、無視して採掘に回ることにした。
鉱石を回収していると、戻ってきたお嬢様とメイドさんの声が聞こえてきた。
「一度も迷わず攻略とはさすが、さすがですお嬢様ですぅ!」
「はいはいありがと。それより、向こうから何か聞こえるのは…」
道具をまとめてから出迎えに行く。
「大丈夫でしたか?」
「!?」
「ヤバですぅ! 逃げましょお嬢様」
僕を見るなり後ずさるお嬢様。メイドさんは糸目を一瞬見開いてからお嬢様を背後に隠した。
まるで街中でモンスターに出会ったような反応だ。
「どうかしましたか?」
「いやいやいや、え? 埋まってるの?」
「? ええ、埋まっている鉱物を採掘していたんですよ」
「埋まってるのは店主でしたとさ。泣いてる精霊の山の中」
「あー、それでか」
魔力介入はやはり土精霊からだったらしい。
術理院会員の僕に伝えたいことでもあったのだろうか。
「僕は精霊を知覚できないんです。土精霊達は僕に引っ付いて何て言っているんですか?」
「何でか土精霊だけじゃないし…。色んな属性の精霊が、お願い、逃げて、お願い、危ない、逃げてって、泣きながら」
「やっぱヤバですよぉ!」
通常のフロアにそこまでの脅威が出現するのは考えにくい。けれども、ここは通常のダンジョンとは少し異なる準ダンジョン。
領主様のご息女に何かあった場合、僕には責任が取れない。
撤退するべきだ。
「では、街に帰りましょうか。レオ君は後で僕が迎えておきます」
帰路を進む僕達のパーティには緊張感が漂っていた。
「変だわ、絶対に変…!」
「壁の配置が行きと違いますね。生物の気配もない」
「薄暗い迷路ですな。にしても、精霊達の慌てん坊っぷりが実に激しきで心配ですー…」
「わわ、歩くから引っ張らないで、ね?」
様相を変えたダンジョンを進んでいく。
僕には知覚できない精霊が極めて焦っているらしく、先導するお嬢様をさらに手を引いて急かしているようだ。
「急がないと来るって、何が来るの? え、ダンジョンに、異変?」
⌈ ⌋ ⌈ ⌋ ⌈ ⌋
⌈ ⌋ ⌈ ⌋ ⌈ ⌋ ⌈ ⌋
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⌈ ⌋ ⌈ ⌋ ⌈ ⌋
⌈ ⌋ ⌈ ⌋
「お、落ち着いて。ひとりずつね」
⌈ ⌋
⌈ ⌋
「お嬢様、あ、あ、あれ、あれ、あ」
青ざめたメイドさんが十字路で後ろを指差す。
僕は暗がりに目を凝らした。
【Error: Unknown】
【Erŗor: Unќnow̵n】
【Ĕrͬr̴or: U̶ѝ̸knͦø̶ѡn】
【ľ̸̸̶̳͡͝⁅ŗ̤̼́͢͜ō̸̫̉Ŧ̸̸̀̓ͦ̆̉͆͂͌͡͠ Ư̶̈̌ࣟ̅͜n𐨎𐨍𐨁】
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