3日後に結婚するはずの僕たちは

木野葉ゆる

文字の大きさ
2 / 3

パンツ

しおりを挟む
 見覚えのないパンツが、目の前に落ちている。
「浮気か? 」
 琢磨が白い目で見てくる。心外だ。
 僕と琢磨はつい最近結婚したばかりである。
 僕は、琢磨以外と付き合いたいなんて思ったことはない。火遊びなんてしたくない。
 でも、僕達の付き合いは長い。性生活もマンネリ気味だ。たまには刺激を求めてもいいのじゃないかと、ある人に相談したら、下着を変えてみるのもいいよと、アドバイスを貰ったのだ。
 通販サイトでセクシー下着を適当にポチッて、昨日届いた。ちゃんと琢磨に見つからないように、クローゼットに隠したはずなのに、一枚だけ、リビングに落としていたらしい。
 水色のギンガムチェックのビキニパンツは、女性用ショーツのようにも見える。でも、ちゃんとメンズ用なのだ。
「浮気なんかしないよ。それは僕の。琢磨が喜ぶと思って通販したの」
「ほう……」
 ちょっと嬉しそうに、琢磨がそのパンツを手に取った。
 恥ずかしい。パンツを履いた自分を見られるより、パンツだけを見られる方が、なんだか照れてしまう。
「これ、祥吾に似合うだろうな。今夜が楽しみだ」
 僕は琢磨の手からパンツを奪って、ポケットにしまった。
「琢磨のスケベ」
 僕がそう言うと、琢磨は心外だという顔をする。
「どう考えても、祥吾の方がスケベだろ? 」
「絶対、琢磨の方がスケベだよ! 」
 
 くだらない口喧嘩は、すぐにただのじゃれあいになる。
 僕達は、犬も食わない新婚夫夫なのだもの。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *不定期連載です。

博愛主義の成れの果て

135
BL
子宮持ちで子供が産める侯爵家嫡男の俺の婚約者は、博愛主義者だ。 俺と同じように子宮持ちの令息にだって優しくしてしまう男。 そんな婚約を白紙にしたところ、元婚約者がおかしくなりはじめた……。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

暑がりになったのはお前のせいかっ

わさび
BL
ただのβである僕は最近身体の調子が悪い なんでだろう? そんな僕の隣には今日も光り輝くαの幼馴染、空がいた

執着

紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。

敗戦国の王子を犯して拐う

月歌(ツキウタ)
BL
祖国の王に家族を殺された男は一人隣国に逃れた。時が満ち、男は隣国の兵となり祖国に攻め込む。そして男は陥落した城に辿り着く。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

処理中です...