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急転直カプリチョーザ
3.まさかの不発、まさかの事件。
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翌日
「おはようございます」
「ああ、おはよう今坂くん。彼女、来てるよ」
穏やかに微笑む係長に、真理は朝から胃が痛くなるような気がした。やっぱり本気だったのか、あの話。
デスクを見ると、三崎は安らかな眠りについていた。幸せそうな顔で。もう始業時間だっつの、と真理はその頭を少し強めに叩いた。
「いって! ……マリちゃんか、おはよう……」
「挨拶しながら二度寝すんな」
「いやさ、当直だったしさ。特になにもなかったんだ、昨日は。俺ちょーツイてたの」
「じゃ睡眠時間十分だろ、ほら起きた起きた。もう始業時間ですよぉ、三崎さあ~ん」
「やめてよマリちゃん、柄にもない声出すの」
起き上がっていつもの調子で笑う三崎に、目ぇ覚めたでしょ、と言いながら缶コーヒーを差し出した。昨日取り調べを代わってもらったので、そのお礼だ。ちょっとショボいけど。
「よう犬のおまわりさん。寝癖残ってるぞぉ」
「えっ嘘!」
「嘘で~す。刑事は人を疑うのが職業でしょ、気をつけなよぉ」
人に嘘を言っておいて、どうしてしゃあしゃあと人に説教ができるんだ、このお子様は。なぜか自分のデスクの下から登場した君子に、真理は軽くめまいがした(ような気がした)。
「で。昨日のひったくりってのは、どうなったんだぁ? みっくん」
「そう! それ、それだよ」
手を組みながらそう言った君子に、三崎はハッとした表情で体を乗り出した。
「ちょっと待て二人とも。『みっくん』って何?」
「なにって、こいつのことだ」
「な~んか仲良くなっちゃったんだよねえ、君子ちゃんと。マリちゃんが来るまでに」
そうそう、と頷く君子は、どこか楽しそうだ。
「お前の武勇伝とやら、かなり面白かったぞぉ」
「えっウソ待て三崎、こいつに何話したの? 答えによっては殴るよ」
右手を軽く握り拳を作ると、三崎は首を激しく横に振って弁明した。
「そんな大したこと話してないって! ただほら、犯人確保に誰よりも必死だって話を……」
「そうそう、車廃車にしかけたとか聞いたな」
「それで私の首が痛んだとかね」
そう言って話に首を突っ込んできたのは、先輩の権田原春沖だった。
「は、春さん……その節はすみませんって……」
「今坂はもう一度免許取り直せ」
権田原はメガネのフレームを中指で押し上げ、少し呆れたように笑った。口調は少しきついが、なんだかんだでいい先輩だ。
「で、君たち、ひったくりのことを話すんじゃなかったかい?」
「あ、係長」
話が脱線しかけたところで、鞄を置いた係長が会話に参加した。
「そう。あのひったくりなんですけど、」
話し始めた三崎に、その場の全員の注目が集まる。
「釈放になったんです。なんでも、被害者の方が物は戻ってきたから構わないって言うし、やった方の男も未成年だったんで」
「未成年?」
「そう。外河高校の3年生」
「ああ、なるほど。外河のか」
外河の生徒とは署内で顔を合わせることが多いので、権田原の打った相槌に、君子を除いたその場の全員が納得という顔をした。
「しかしまあ、それじゃあ今回のは報告書出して終わりってことになりますね」
メガネのフレームを僅かに持ち上げ、権田原はそう加えた。
「つまり吾輩の出番がない、ってことだな」
真理が君子のほうを見ると、まるで面白くないと言った様子で手を組んでいる。お子様ったら、不貞腐れちゃってさ。そんなことを思いながら、真理はあくびをひとつした。
「まあ、盗犯事件は他にもあるよ。お嬢様にはちょっと刺激が足りないかもだけど?」
「そうだよ君子ちゃん。人が死ぬなんてのはあんまりないけど、盗犯ならいっぱいあるからね」
「まあ、滅多に無いですね、殺人事件とかは」
権田原が、三崎の頼りないフォローにそう付け加えたときだった。
『警視庁から入電中、警視庁から入電中。管内K区西上橋、留川周辺で男性の死体発見との通報、直ちに急行してください。繰り返します——』
「……係長」
その場の強行盗犯係全員の目が向いた先には、やんわりと笑う係長が。
「事件、起きちゃったかもねえ。急行、しましょうか」
「今坂ァ、免許の返納の仕方知ってるか?」
「す、すみませんって……つい……」
助手席から降りた権田原が、首を揉みながら疲れきった顔で言った。急行と言われると、血が騒いでしまうのが自分の悪い癖だということは、真理も重々承知している。
「お前車に乗っても犬じゃん。犬っていうか、イノシシ?」
後部座席から降りてきた君子も、にやにやしながらそう言った。
「うるさいよ、もう」
土手の方を見れば、先についていた交番の巡査が、五人に向かってこっちですと手を振っている。
「お疲れ様です」
「お疲れ様です。仏さんは?」
係長がそう尋ねると、巡査は「こっちです」と案内しながら土手を降りていった。背の高い草を掻き分けた先に、水面へ続く石段があり、そこにもう一人の警官と、引き上げられた男性の亡骸があった。
「あーあ、これはまた……」
「土左衛門ですね」
「臭うんだよねぇ、水死体は」
係長と権田原が、遠目に見ながら眉を寄せる横で、君子が死体に近づいていくのに気がついた真理は、思わず君子の腕を掴んだ。
「ちょっと、」
「平気だ」
「君ね、まだ子供でしょ」
その言葉に、君子に腕を振り払われる。
「お前よりは大人だ」
——なんだって?
後ろを見ずにそう言い放った君子に、軽くカチンときたが、まあまあ、と三崎に肩を叩かれた。
「探偵、なんでしょ? あの子は」
「だからって、お子様に死体なんか……!」
「いい薬になるんじゃないの」
その台詞に、少し背筋が冷える。あれでも君子はまだ子供だ。子供が死体を見ようとするのを止めるのが、大人ってもんじゃないのか。
「三崎、お前さ、そういうとこクールだよな」
「マリちゃんは優しいんだよ」
「そんなんじゃない」
まあ多分、あの子なら大丈夫だと思うし。三崎はそうつけ加えて、苦笑した。
「てか、社会科見学だろ。どこに死体見せる社会科見学があんだよ」
真理はそう言いながら、君子の後を追った。世間に知られたらなんて書かれるかわからない。
「なんか分かったのかよ、探偵の金若君子サン?」
検視なんて、やったことないくせに。そう思いながら、真理は君子の隣で中腰になった。
膨れ上がった死体は、見るからに不気味で仕方がない。
「事故だと思うか?」
「へ?」
「水死体の死因は、大抵の場合自殺か事故、でしょ」
「あ~……まあ、そういえば、そうなんだけど」
水死体は状態が悪い上に、水中で流されているので死斑ができにくい。死亡推定時刻はわからない上に、死因だって窒息死なのか他にあるのか、解剖されない限りわからないのだ。
「正直なところ、もし殺人だったとしても、わかりにくいって言うか……」
「目立った外傷が無ければ事故、そんで遺書があれば自殺、って感じで通っちゃうこともあるからねぇ~」
いつの間にか後ろにいた三崎が、そうつけ加えた。
「それに、解剖できる数にだって限りがあるからな」
権田原まで来たらしい。
「それで、事故だと思うか?」
君子は表情を変えないまま、もう一度そう言った。
「おはようございます」
「ああ、おはよう今坂くん。彼女、来てるよ」
穏やかに微笑む係長に、真理は朝から胃が痛くなるような気がした。やっぱり本気だったのか、あの話。
デスクを見ると、三崎は安らかな眠りについていた。幸せそうな顔で。もう始業時間だっつの、と真理はその頭を少し強めに叩いた。
「いって! ……マリちゃんか、おはよう……」
「挨拶しながら二度寝すんな」
「いやさ、当直だったしさ。特になにもなかったんだ、昨日は。俺ちょーツイてたの」
「じゃ睡眠時間十分だろ、ほら起きた起きた。もう始業時間ですよぉ、三崎さあ~ん」
「やめてよマリちゃん、柄にもない声出すの」
起き上がっていつもの調子で笑う三崎に、目ぇ覚めたでしょ、と言いながら缶コーヒーを差し出した。昨日取り調べを代わってもらったので、そのお礼だ。ちょっとショボいけど。
「よう犬のおまわりさん。寝癖残ってるぞぉ」
「えっ嘘!」
「嘘で~す。刑事は人を疑うのが職業でしょ、気をつけなよぉ」
人に嘘を言っておいて、どうしてしゃあしゃあと人に説教ができるんだ、このお子様は。なぜか自分のデスクの下から登場した君子に、真理は軽くめまいがした(ような気がした)。
「で。昨日のひったくりってのは、どうなったんだぁ? みっくん」
「そう! それ、それだよ」
手を組みながらそう言った君子に、三崎はハッとした表情で体を乗り出した。
「ちょっと待て二人とも。『みっくん』って何?」
「なにって、こいつのことだ」
「な~んか仲良くなっちゃったんだよねえ、君子ちゃんと。マリちゃんが来るまでに」
そうそう、と頷く君子は、どこか楽しそうだ。
「お前の武勇伝とやら、かなり面白かったぞぉ」
「えっウソ待て三崎、こいつに何話したの? 答えによっては殴るよ」
右手を軽く握り拳を作ると、三崎は首を激しく横に振って弁明した。
「そんな大したこと話してないって! ただほら、犯人確保に誰よりも必死だって話を……」
「そうそう、車廃車にしかけたとか聞いたな」
「それで私の首が痛んだとかね」
そう言って話に首を突っ込んできたのは、先輩の権田原春沖だった。
「は、春さん……その節はすみませんって……」
「今坂はもう一度免許取り直せ」
権田原はメガネのフレームを中指で押し上げ、少し呆れたように笑った。口調は少しきついが、なんだかんだでいい先輩だ。
「で、君たち、ひったくりのことを話すんじゃなかったかい?」
「あ、係長」
話が脱線しかけたところで、鞄を置いた係長が会話に参加した。
「そう。あのひったくりなんですけど、」
話し始めた三崎に、その場の全員の注目が集まる。
「釈放になったんです。なんでも、被害者の方が物は戻ってきたから構わないって言うし、やった方の男も未成年だったんで」
「未成年?」
「そう。外河高校の3年生」
「ああ、なるほど。外河のか」
外河の生徒とは署内で顔を合わせることが多いので、権田原の打った相槌に、君子を除いたその場の全員が納得という顔をした。
「しかしまあ、それじゃあ今回のは報告書出して終わりってことになりますね」
メガネのフレームを僅かに持ち上げ、権田原はそう加えた。
「つまり吾輩の出番がない、ってことだな」
真理が君子のほうを見ると、まるで面白くないと言った様子で手を組んでいる。お子様ったら、不貞腐れちゃってさ。そんなことを思いながら、真理はあくびをひとつした。
「まあ、盗犯事件は他にもあるよ。お嬢様にはちょっと刺激が足りないかもだけど?」
「そうだよ君子ちゃん。人が死ぬなんてのはあんまりないけど、盗犯ならいっぱいあるからね」
「まあ、滅多に無いですね、殺人事件とかは」
権田原が、三崎の頼りないフォローにそう付け加えたときだった。
『警視庁から入電中、警視庁から入電中。管内K区西上橋、留川周辺で男性の死体発見との通報、直ちに急行してください。繰り返します——』
「……係長」
その場の強行盗犯係全員の目が向いた先には、やんわりと笑う係長が。
「事件、起きちゃったかもねえ。急行、しましょうか」
「今坂ァ、免許の返納の仕方知ってるか?」
「す、すみませんって……つい……」
助手席から降りた権田原が、首を揉みながら疲れきった顔で言った。急行と言われると、血が騒いでしまうのが自分の悪い癖だということは、真理も重々承知している。
「お前車に乗っても犬じゃん。犬っていうか、イノシシ?」
後部座席から降りてきた君子も、にやにやしながらそう言った。
「うるさいよ、もう」
土手の方を見れば、先についていた交番の巡査が、五人に向かってこっちですと手を振っている。
「お疲れ様です」
「お疲れ様です。仏さんは?」
係長がそう尋ねると、巡査は「こっちです」と案内しながら土手を降りていった。背の高い草を掻き分けた先に、水面へ続く石段があり、そこにもう一人の警官と、引き上げられた男性の亡骸があった。
「あーあ、これはまた……」
「土左衛門ですね」
「臭うんだよねぇ、水死体は」
係長と権田原が、遠目に見ながら眉を寄せる横で、君子が死体に近づいていくのに気がついた真理は、思わず君子の腕を掴んだ。
「ちょっと、」
「平気だ」
「君ね、まだ子供でしょ」
その言葉に、君子に腕を振り払われる。
「お前よりは大人だ」
——なんだって?
後ろを見ずにそう言い放った君子に、軽くカチンときたが、まあまあ、と三崎に肩を叩かれた。
「探偵、なんでしょ? あの子は」
「だからって、お子様に死体なんか……!」
「いい薬になるんじゃないの」
その台詞に、少し背筋が冷える。あれでも君子はまだ子供だ。子供が死体を見ようとするのを止めるのが、大人ってもんじゃないのか。
「三崎、お前さ、そういうとこクールだよな」
「マリちゃんは優しいんだよ」
「そんなんじゃない」
まあ多分、あの子なら大丈夫だと思うし。三崎はそうつけ加えて、苦笑した。
「てか、社会科見学だろ。どこに死体見せる社会科見学があんだよ」
真理はそう言いながら、君子の後を追った。世間に知られたらなんて書かれるかわからない。
「なんか分かったのかよ、探偵の金若君子サン?」
検視なんて、やったことないくせに。そう思いながら、真理は君子の隣で中腰になった。
膨れ上がった死体は、見るからに不気味で仕方がない。
「事故だと思うか?」
「へ?」
「水死体の死因は、大抵の場合自殺か事故、でしょ」
「あ~……まあ、そういえば、そうなんだけど」
水死体は状態が悪い上に、水中で流されているので死斑ができにくい。死亡推定時刻はわからない上に、死因だって窒息死なのか他にあるのか、解剖されない限りわからないのだ。
「正直なところ、もし殺人だったとしても、わかりにくいって言うか……」
「目立った外傷が無ければ事故、そんで遺書があれば自殺、って感じで通っちゃうこともあるからねぇ~」
いつの間にか後ろにいた三崎が、そうつけ加えた。
「それに、解剖できる数にだって限りがあるからな」
権田原まで来たらしい。
「それで、事故だと思うか?」
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