楽園-ベッド・イン-

さとう涼

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楽園-ベッド・イン-(3)

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「『好きなように』ね。うれしいこと言ってくれるじゃん。なら、遠慮なく抱くよ」

 そう言うや否や、リクの猛攻撃がはじまった。
 脇腹から腰のラインの素肌を大きな手が移動していく。それからその手でわたしの脚を広げさせると、そこへ自分の身体を忍び込ませた。
 それがあまりにも早業で、びっくりして目を見開くと至近距離で目が合う。

「遠慮しないって言っただろう」

 リクのご満悦の顔が見えた。なんだかそれもちょっと悔しい。
 でもきっと、どう張り合おうとしたって敵うはずないんだ。抵抗したって無駄。それでもいいと思っているからこそ、わたしはこうして自慢にもならない裸体をさらしている。

「そんなの、最初から覚悟してるよ」

 わたしだってそれなりに経験はあるから、少しくらい乱暴でもたぶん平気だと思う。こんなのでよかったら、いくらでも利用してくださいという感じ。満足させられる身体とも思ってもいないけれど、一応女の機能は備わっているから。

「ほんと、おまえ、可愛いこと言うようになったな」
「そう?」
「そういう葉月もいいかも」
「ありがとう。今のわたしがあるのはリクのおかげだから。リクのためならなんでもするよ」

 恋とか愛とか、そんなものはわたしたちの間には残念ながら存在しない。だけど、ぜんぜん投げやりな気持ちなんかじゃない。
 不思議なわたしたちの関係は、今のところ、たとえようがない。それでもリクはわたしにとって大切な存在には間違いない。

「やっぱり、なかなかの余裕だな」

 だから違うのに。そう言おうとしたら、その口をキスでふさがれた。胸のふくらみに手を置かれ、たったそれだけで全身がゾクッと粟立ってしまう。

 強く揉まれると、いてもたってもいられなくなった。

「反応よすぎ」

 だって久しぶりなんだもん、と言ったらリクはなんて思うだろう。
 社会人一年目のときに相手に浮気されてフラれて以来、彼氏はずっといない。
 だけど最近になってようやく心がときめく人と出会うことができた。その人と新たな一歩を踏み出せると思ったのに、またもや残念な結果に。それが二ヵ月前のことだった。
 わたしがいまも二ヵ月前の失恋を引きずっていると知ったら、すぐに抱き起こして服を着せてくれるのだろうか。

「だって……リクって上手なんだもん」
「ほかの男と比べんな」
「比べてないよ。身体が勝手に反応しているだけでしょう」

 リクこそ、ほかの女の人と比べないでよね。いつぶりなの? なんて、あえて聞かないけれど。女はそういうのを気にするものなのだから。

 わたしはリクの女性遍歴をほんの少しだけ知っている。ううん、知っているというほど詳しくないのだけれど、それなりに経験があるというのはなんとなく感じていた。
 だけどここ何年かは女性の影を感じることはなかった。
 特定の相手がいるようなこともリクから聞いたことがないから、勝手にいないと思い込んでいたのだけれど……。
 本当のところはどうなのだろう。

 ん? でも恋人がいたらまずいか。

 けれど、そもそもリクはそういう性格ではないような気がする。浮気や二股をかけるような面倒なことはしない。ひとりの女性に満足できないのなら、最初から恋人を作らなさそう。
 つまりセックスする相手はいたとしても、本命の彼女はきっといないのだろう。
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