強がりな逢瀬

さとう涼

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強がりな逢瀬(2)

「ついでに全部脱ごうか」

 見下ろす男に少々あきれながらも、わたしも上体を起こし、トップスの裾をめくる。
 もたついていたら、男が手を伸ばしてきた。

「ほら、バンザイして」

 男はこの状況にそぐわないセリフを言って、子どもにするみたいにわたしの首からトップスを引き抜いた。
 でもそんな間の抜けた言動はその一瞬だけ。男の目つきがすぐさま変わる。油断したところを押し倒され、再び覆いかぶされた。

「あっ、ちょっと待って」

 ブラジャーをはぎ取るや否や、胸の中心にかぶりついて形が変わるほど揉みしだく。それはかなり乱暴で、本気モードで抗議の目を向けた。

「ねえ、痛いよ」

 お願いだからもっと加減してほしい。

「あー、悪い」

 わたしのことを見もせずに言う。

「それ、ぜんぜん悪いと思ってない言い方だよね。もっとやさしくして」
「無理かも。だって二週間ぶりだし」

 一週間ほど前、久しぶりに会う約束をしていた。でもその日、わたしが生理になってしまい、急遽キャンセル。
 でもわたしから断ったのではない。「体調がいい日にしようか」と、向こうから言ってきたのだ。
 悲しいけれど、セックスがなければ、わたしたちが会う意味はないような気もしていた。それがなかったら、「会おう」と言ってもらえないのかなって。
 実際に今日だって、一緒にごはんを食べることも夜景を見にドライブすることもない。いきなりラブホテルに連れて来られ、この状況なのだから。

 もちろん、身体を求められることはうれしい。
 とくにスタイルがいいわけでもないし、男性を喜ばせるテクニックだってもっていないと思う。こんなわたしでも必要としてくれているのだと思ったら、ありがたいとすら思う。
 でもどうしても毎回思ってしまう。
 わたしの価値って、それっぽっちなの?

 脚を広げられ、ももの内側を濡れた舌がう。「やだ」と脚を閉じようとしたら、力ずくでさっきより大きく広げられてしまった。

「見えちゃう」

 今さら恥じらうまでもないのに……。
 もう何度もそこをさらしているのに、いつも拒絶反応してしまう。
 すると男はそれまでのやさしい顔を卑猥ひわいに歪ませた。

「見せてよ、じゃないといかせてあげないよ。何度もいきたいだろう?」
「何度もって……、あっ、ちょっと待っ──」

 わたしの答えは求めていないらしい。男は脚の間に顔を埋め、舌先で触れてきた。
 腫れて大きくなった花芽は、すっかり敏感になっている。絶妙な力加減も手伝って身をよじって悶えてしまう。呼吸数も鼓動も体温もどんどん上昇していった。
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