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序章 なんでも探偵団始動編

放置プレイ?舐めてんのかお前?

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 パシャッ、パシャパシャッ、パシャッ。

 皆さん初めまして、私は作者の神町恵と申します、今現在カメラでの撮影音で鳴り響いている会場にいます、パシャパシャと、てかなんだろう…なんで私今謝罪会見みたいな状況に遭ってんだっけ?俺なんかしたっけ?ていうかカメラのフラッシュが眩しすぎて前なんも見えねえけど…。
 まあとりあえず、何か喋ろう、うん。

 「えーっと、皆さま、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます…」

 パシャパシャパシャパシャッ、パシャシャシャシャシャシャシャッピ~ヤ!

 途中フラッシュ音がおかしくなっているのはおいといて、私たしか昨日SF小説の更新を終えてすぐ寝ちゃったのは覚えてるんだけど、気づいたらいつの間にかこんな状況になってるし、あ、そうだ、これは夢だ、うん、絶対夢だ、間違いない、でもだからって謝罪会見する夢ってなんかやだなあ、とりあえず適当に合わせよう。

 「えー今回の件に関しまして、皆さまにご迷惑をお掛けしてしまい、申し訳ありませんでした」

 とりあえず角度90度くらい頭を下げて謝罪した、なんだろう、夢とは言っても何も悪いことしてないのに謝るのやっぱなんかやだなあ、てか早く目を覚ましてくれよー私。

 「神町さん、あなたが何したか、ご自身でわかってます?」

 多くいる記者の内の一人が私にそう聞いてくる、知らねえよ!こっちが聞きてえわ!なんて…言えないけど。
 
 「……」

 「神町さん、無言ではなく、あなたが何をやらかしたのかを今、説明してください」

 知らねえよー!ほんとにマジで知らねえよー!
 私一体何したの?ほんとわかんないだけど、仮に今ここで見覚えのあるようなやらかしを言ったとして、違ったらどうする?違ったらさらに批判の材料が増えるだけだ。

 「神町さん、ずっと無言を貫くつもりですか?何か喋ったらどうです?」

 こうなったら、正直に心のままに本音をぶちまけるしかない!今!ここで!

 「神町さん、説明してください」

 「……」

 「神町さ……」

 「知るかー!私特になんも悪いことしてねえし!私が筋合いねえんだよ!だったらてめえが私が何やらかしたか教えろや!」

 私が記者に怒鳴った瞬間、私の顔面右側から大きな衝撃が走った、あまりの衝撃に私は気絶してしまった。


 「おーい、おーい、起きろー、おいおいおいおいおいおいおい」

 あまりのうっとおしい呼びかけに私は目覚める、するとそこには眞田鑑太郎と柳崎透がいた、辺りを見渡すとどうやらここは鑑太郎の探偵事務所のようだった。

 「えーっと、君たちが私を助けてくれたのかい?いやーほんとに助かった、ありがと……」

 お礼を言おうとしたその時、急に鑑太郎が私の胸ぐらを掴んで私に言った。

 「まだ、俺たちへの”謝罪”が終わってませんよ~、作者」

 「ほへ?」

 鑑太郎が私に胸ぐらを掴んだのを見た透が鑑太郎を宥めようとする。

 「鑑太郎さん、一旦落ち着きましょう、いきなり気絶した作者を連れて来て、作者が起きた瞬間に怒鳴るのはないでしょ?」

 「いやいやいやいや、こいつはなあ、前回の話、”銭丸誠という男”の公開が遅れたのと、こうして今現在の更新までに一か月近くもかかってんだぞ、放置プレイ?舐めてんのかお前?明らかにこれはどう見ても連載サボってるだろうが!」

 鑑太郎がそう言いながら私に詰め寄りまたさらに苦言を続けて言う。

 「あとよお~、第15回ファンタジー小説大賞になんで俺たちが出てる”この物語はSFなのかファンタジーなのかよくわからん世界”のエントリーをしなかったんだ?あ?」

 「あまり作者にオラつかないでください!作者さん怖がってるじゃないですか!」

 「うるさーい!こいつはな!俺たちよりももう一つ連載してる小説の方を優先したんだぞ!さあ!作者いや…神町恵!説明して貰おうか」

 鑑太郎の追及に観念し、最近この小説の連載更新が遅れたことと、ファンタジー大賞にエントリーしなかった訳を私は彼らに説明することにした。

 「私がファンタジー大賞にエントリーした”かつて世界を救った戦士たち”のミリオンボーナスキャンペーンを達成するために、そのエントリーした小説の方に集中することにしたんだ、あと、君たちの小説をエントリーしなかったのは、2作品同時進行が困難ていうのもあるけど、今現在のストーリー状況だと、カテゴリがファンタジーなのにファンタジー要素が一切ないって理由で失格になる恐れがあると考えてエントリーしなかったんだ、事前に君たちに伝えなくて、ほんと…すいませんでした!」
 
 「ほうほうほうほう…それはわかってるんだよ、でもな、俺たちじゃあファンタジー要素がないっていうそんなどうでもいい理由で失格になるとでも思ったかお前?確実でもねえのに決めつけたというわけか?ふざけるなー!」

 掴みかかろうとした鑑太郎を透が抑える。

 「抑えてください鑑太郎さん!作者さんだってきっと忙しかったんです!しかも現実世界の本業やりながら2作品同時に連載してるわけですから」

 透が宥めても鑑太郎は収まる様子はなかった。

 「じゃあお前がエントリーした小説の結果はどうだったんだ!?どうせ大した結果じゃないんだろ!」

 「「いやまだ最終結果出てないです」」(神町恵 柳崎透)

 「でも100位以内には入ってないんだろ?」

 「……はい」

 「つまりは読者に認められなかったというわけだ!さあ!作者は黙って!全部この作品に投資しろぉー!!」

 鑑太郎がそう叫ぶと、後ろから透が鑑太郎の発言に対して冷静に突っ込んだ。
 
 「鑑太郎さん、そうやっていつもパクリ発言だのしてるからエントリーしてくれなかったんじゃないですか?それだったら”かつて世界を救った戦士たち”の方がちゃんとした作品ですし、カテゴリと内容が合致してますしね、それに俺がこんなこと言うとちょっと凹みますが…お気に入り登録数ではあちらが多いですし、ですよね、作者さん」

 透にそう聞かれ、私は透の問いに答える。

 「あ…はい、そうです!」

 私が答えると鑑太郎が落ち着いた様子を見せ、私に言った。

 「はあ…わかったよ、今回だけは許してやる、でも一つ約束してくれないか?」

 「何でしょう?」

 「エントリー作品に力を入れたいというのもわかるが、できたら俺たちの出番(更新)も増やして欲しい、放っておかれると…ニートになっちまうしな」

 鑑太郎の言葉に透が反応する。

 「たしかに鑑太郎さんは出番(更新)が無い間はいつも放○少女ばかりやってましたからね」

 「そういうてめえも放○少女ばっかやってただろうが、まあ…というわけだ、約束してくれないか?」

 「はい!頑張りま……あっ」

 「あ?」

 「約束しようとしたところ申し訳ないんですが…」

 「あ?」

 「1月からはもしかしたらまた更新が遅れるかもしれないです」

 「はあー!?」

 鑑太郎が一瞬黙り、考えていると急に笑顔になり、私に言った。

 「もしかしてそれ、キャラ文芸だろ!?てことはつまり俺たちの出番じゃあないか、一応この作品キャラ文芸に入るはずだろ?」

 「いえ違います」

 「は?」

 「第6回キャラ文芸大賞ではなく、第16回恋愛小説大賞に参加する予定なんです(都合により変更の場合はある)」

 「恋愛!?お前が!?書けんの!?」

 「あくまで力試しです、それに…キャラ文芸に”この世界はSFなのかファンタジーなのかよくわからん世界”をエントリーしたとしてもおそらく失格になります」

 「いやいやいやいやならんだろ、キャラ文芸の定義はたしか…” 一般的な文芸小説とは異なり、主人公やその周囲を取り巻く登場人物のキャラクター像が漫画やアニメのように個性的で、また、舞台設定に特徴のある小説ジャンルを「キャラ文芸」として定義する”ってアルファポリスに書いてあったぞ!それにカテゴリをファンタジーからキャラ文芸に変えれば問題ないはずはずだ!」

 「いえ、キャラ文芸に異世界やゲーム世界を舞台とした作品、その他異世界ファンタジー要素が含まれる小説はカテゴリーエラーになってしまうんです」

 「つまり…俺たちは小説大賞にエントリーできないってことなのか?」

 「いえ、そう言うわけではないです、ドリーム小説であればエントリーすることができます(たぶん)」

 「ドリーム小説って…まだ全然先じゃねえか!くそがあー!」

 「なので、もう少し待っていただけないでしょうか?」

 「待てるかぁー!ていうか別に恋愛大賞に参加しなくていいだろーもう!これじゃあ1月にまた連載途切れるかもしれねえってことだろ、やだよー!出番くれー!」

 「わがまま言わないでください!見苦しいですよ!」(柳崎透)

 「てか童貞の作者に書けるのかよお!」

 「ちょっ…それは個人情報です…」

 「うるせえー!いいからしばらくは俺たちの物語の連載に集中しろー!」

 「作者さんを困らすような言動はやめてください鑑太郎さん!」(柳崎透)

 グダグダでしたが、読者の皆様、鑑太郎さんと作者さんのこれからを温かく見守ってていただけると幸いです。
 これからも俺たちでおもしろくストーリーが築けるよう頑張っていきます。  by 柳崎透

 次回、”インタビューでかまして何が悪い!”です、更新されてたら読んでね。
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