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序章 なんでも探偵団始動編
銭丸誠という男
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俺の名は銭丸誠だ。
俺は元々警視庁捜査一課の課長を務めるエリートだったが、いろいろやらかして今は交番勤務だ。
だから俺は思う。
もう一度、あの輝かしいキャリアを取り戻したいと。
全盛期の階級は警視だったが、今は警部に降格、さらには交番のお巡りさんにまで成り下がってしまった。
だから俺は諦めない、どんな手を使ってでも星を挙げて出世してやる。
たとえ冤罪であろうとな。
じゃあさっそくかつて俺を降格に陥れる原因を作った奴らのうちの一人である、眞田鑑太郎の犯罪行為を見つけて罪状突きつけて逮捕してやる。
今に見てろ…鑑太郎!
(※ただの逆恨みである)
「あー、……あー、……暇だーー」
「最近依頼があまりないですね、鑑太郎さん」
ここ最近、事務所への依頼がなく、経営が危うい状況に陥っている、そして当人の鑑太郎さんは危機感なく普通にヤ○グジャンプの漫画を読んでいる。
「なあ透、今俺が読んでるヤ○グジャンプけっこういいよな」
「そうですね、おもしろい漫画が連載されてていいですよね」
「は?何言ってんだよ、俺が言ってるのはこのヤ○ジャンの表紙だよ、俺は基本的にそれ目的で買ってるから」
「最低だなお前!漫画もちゃんと読めよ!おもしろいから!」
「うるせえ!そう言うお前もちゃんとアルファポリスの小説、漫画読んでんのかお前は!」
「当たり前でしょ!つーかそう言う鑑太郎さんも読んでるんですか!」
「もちろんだ、○○○とか○○○とか○○○○○とか読んでるわ!」
「なんで全部○○○表記なんですか!何言ってるのかわかんねえよ!」
「一応この作品はR指定じゃないんだろ、だからわざわざ○○○表記にしてんだろ」
「鑑太郎さんアルファポリスの作品ほとんどR指定の作品しか読んでないんですか!他のも読めよ!」
「俺がエ○さを求めて何が悪い!大半の男はそうだろ!」
「変な偏見ができそうなのでそう言うこと言うのやめてください」
「本当のことだ!それが正しくないという正しい根拠を言え!」
「そのネタ使うのやめろ!マジで本人に訴えられるぞ!」
「はて?なんのことやら?ただ根拠を求めただけですが?何か問題でも?」
こんな人がよく今まで訴訟を起こされなかったな。
やっぱり法の知識があれば言い逃れができるものなのか?
「そこまでだ!眞田鑑太郎!」
「けっ、警察!」
突然ドアが開いたと思ったら警察官が一人探偵事務所に入ってきた。
「鑑太郎さん(小声)、また何かやらかしたんですか(小声)?」
「え(小声)?いやいやいや俺まだなんもしてないよ(小声)」
「まだってなんですか(小声)、警察が来てる時点で絶対なんかやらかしてるでしょ(小声)」
「俺そんな信用ないの(小声)、マジで俺なんもしてねえって(小声)」
すると、警察官がこちらに近づいて来た。
「署までご同行願いますか?眞田鑑太郎さん」
「いやあのその前に…令状ありますか?あるなら応じますが、ないなら出てっていただけませんか?営業の妨げになるんで」
「令状?…ふんっ…あるよ!」
警察官が令状を取り出し、それを鑑太郎に見せつけた。
「は!?マジであるの!?えーっとどれどれ…脱税…は?」
「脱税か…鑑太郎さん見損ないましたよ」
「つーわけでお前を逮捕する」
すると、鑑太郎が警察官に質問を始めた。
「あの…おたくは警察官ですよね」
「そうだ、だからなんだ?」
「あっれれ~?おっかしいぞ~?」
「なにがおかしい!言ってみろ!」
鑑太郎は警察官に対して反論を始めた。
「たしか脱税に関することは税務署か国税局が調べるものですよね、なぜ、下っ端の警察官が脱税の捜査をしているのかね~?そしてなぜ、警察官が私を脱税の容疑で逮捕しようとしているか、この場合、令状を持ってくるのは警察官ではなく、検察官か国税局の職員のなはずですけど…あっれれ~あなたは本当に警察官なんですか~、ていうかそれ以前にその令状偽物だろ~」
鑑太郎さんのあおりがうざすぎる、警察官を名乗る男も怒りを抑えてるのか、体がプルプルと震えていた。
「ちょっと、鑑太郎さん、煽るのやめてください、本当に警察官だったらどうするんですか」
「こんなことも知らない奴が警察官なわけねえだろ、まあこんなんで本当に警察官だったらちょーウケるんだけど(笑)」
すると、警察官が下を向いたかと思ったら、急に顔を上げ、大声で笑い出した。
「フッフッフ…ウハハハハハ!アーッハッハッハッー」
「あーついに頭いかれちゃったかー、お前なんか薬中かなんかか?」
「残念だったな!眞田鑑太郎!脱税の証拠はもう国税局に提出した!少しすれば国税局の人間もこの事務所にくるぞ!」
「な!?」(柳崎透)
「な!?」(眞田鑑太郎)
「「なんだって!!??」」
その警察官を名乗る男の言葉に俺たちは慌てた、ていうかもう手遅れだ。
「おい、自称警察官の分際でよくもやってくれたな!」
「いや元はと言えばあんたが脱税したからだろ!」
「やばい…この事務所…マジで終わる」
「警察を舐めるから痛い目に合うんだぞ鑑太郎!(計画通り!思い通り!予想通り!)」
落胆する鑑太郎さんを見た警察官の顔は…めちゃくちゃ気持ち悪いくらいの笑みを浮かべていた。
その笑顔は俺的にも生理的に受け付けたくないくらいだ。
ガチャッ
「うおい!ドアが開いたぞ!ほんとにマジで来るの!?」
「俺だってどうなるんですか!?あんたが捕まれば俺無職になるんだぞ!」
「俺の心配よりそっち気にするのかよ透!」
「ふはははは!鑑太郎!地獄に落ちやがれ!」
「おいなんだそのセリフ!元々俺に恨みでもあったのかポリ公!」
ドアが開くとそこには美人でスタイル抜群の女性が入ってきた。
「お待ちしてましたよ、国税局の方ですよね、では後のことは頼みましたよ」
するとその女性の口から予想外の言葉が出た。
「はて…何のことでしょう?私は国税局の人間ではありませんよ?それに…国税の方はここに来ないと思いますが」
「なに!」
この女性は一体何者なんだ?国税の人かと思ったけど、どうやら違ったみたいだ。
だけど、国税局がここに来ないというのはどういうことだろうか?
すると警察官の携帯が鳴り響いた、けたたましく鳴る携帯を警察官がとる。
「ああ俺だ…なに!今回のことは無かったことにしてくれだと!おい!待て!まだ話は終って……」
電話は切れてしまったようだ、警察官自身も何が起こったのかが見当もつかない様子だった。
そして、警察官は女性の方に視線を向けた。
「おい女!お前なにか知ってるだろ!国税に何を吹き込んだんだ!」
警察官が女性に怒号をぶつけると女性は警察官に詰め寄って来た。
「あなたも…これ以上あまり突っ込まない方がいいと思いますよ、まだ警察組織というものにしがみつきたいのであれば…ね」
女性のその言葉に警察官は恐れおののき、すぐに探偵事務所を出ていった。
「えっと、俺たちがこんなこと言うのもあれなんですが、ありがとうございます」
「いいえ、鑑太郎君にはこんなことで失脚されては困るからね、たしかあなたは柳崎透君だっけ?」
「え?どうして俺の名前を?」
「鑑太郎君の部下くらい把握するのは当たり前だわ」
そして、女性は鑑太郎さんに近づいて行った。
「久しぶりだね、鑑太郎君」
「国税の奴らかと思ったらお前かよ、先輩」
女性の方は少し懐かしそうな表情をしているのに対し、鑑太郎さんの方はめんどくさそうな表情をしていた。
「もう二度と会わないって言ったはずだが、それに…例の件絶対引き受けないからな!」
「久しぶりの再会がそれ~?それに今回の国税の強制捜査を止めるの結構大変だったからね!感謝の言葉くらいあっていいと思うけど」
「お前のそれただ国税に何かしら圧力を掛けただけだろ、国税局に圧力掛けてくれてありがとうなんて言ったら俺自身罪悪感湧きそうだし」
「脱税行為は罪悪感湧かないんだね鑑太郎君」
昔から知り合いなのだろうか?でもそこまで仲が良さそうには見えないような…見えるような。
でもこの女性と鑑太郎さんが先輩後輩関係なのがわかる。
「あ、そういえば柳崎君には名乗ってなかったね、私は最高裁判所の裁判官を勤めている長瀬冬美と申します、いつも鑑太郎君がお世話になっております」
「え!?最高裁判所に勤めてるんですか!?あ、改めましてえっと俺…私は眞田鑑太郎の助手をしている柳崎透と申します」
互いの名刺を交換し、挨拶を交わした。
「じゃあ私もこれで失礼するね、また会おうね!柳崎君!鑑太郎君!」
「二度と来るな!」
「鑑太郎さん!そんな言い方ないじゃないですか!」
その女性…長瀬冬美が事務所を後にしようとすると、何かを思い出したような素振りを見せ、鑑太郎さんのところへと戻ってきた。
「なんだよ、まだ何かあるのかよ、俺はお前に謝礼もお礼の言葉も何もあげないからな」
「せめてお礼の言葉くらい言ってあげてもいいじゃないですか」
長瀬冬美は鑑太郎さんの目の前に立つと、懐から手紙を取り出した(ラブレターとかじゃないよな?)。
「ん?なんだこれ?」
「作者(神町恵)さんからの手紙よ」
え!?え!?作者!?え!?ちょ待て!?いいの!?小説の物語の中に作者出て来ていいの!?いいんだっけ!?ありなんだっけ!?
「じゃあこれで失礼するね、また遊びにくるからね」
「二度と来るな(二回目)!」
「鑑太郎さん!一体長瀬さんとの間に何があったんですか!?」
「…ただの腐れ縁だよ」
そして、俺と鑑太郎さんは作者からの手紙の封を開ける、手紙には一言こう記してあった。
”二ヵ月半ほど放置しちゃって…ごめんね… by神町恵 ”
その内容に俺たちの脳内は一瞬フリーズした。
そういえばここ二ヵ月半俺たち何もしてないどころか、出番すらもなかったような…そんな気がした。
次回、”放置プレイ?舐めてんのかお前?”作者による謝罪会見が予定されているよう…。
俺は元々警視庁捜査一課の課長を務めるエリートだったが、いろいろやらかして今は交番勤務だ。
だから俺は思う。
もう一度、あの輝かしいキャリアを取り戻したいと。
全盛期の階級は警視だったが、今は警部に降格、さらには交番のお巡りさんにまで成り下がってしまった。
だから俺は諦めない、どんな手を使ってでも星を挙げて出世してやる。
たとえ冤罪であろうとな。
じゃあさっそくかつて俺を降格に陥れる原因を作った奴らのうちの一人である、眞田鑑太郎の犯罪行為を見つけて罪状突きつけて逮捕してやる。
今に見てろ…鑑太郎!
(※ただの逆恨みである)
「あー、……あー、……暇だーー」
「最近依頼があまりないですね、鑑太郎さん」
ここ最近、事務所への依頼がなく、経営が危うい状況に陥っている、そして当人の鑑太郎さんは危機感なく普通にヤ○グジャンプの漫画を読んでいる。
「なあ透、今俺が読んでるヤ○グジャンプけっこういいよな」
「そうですね、おもしろい漫画が連載されてていいですよね」
「は?何言ってんだよ、俺が言ってるのはこのヤ○ジャンの表紙だよ、俺は基本的にそれ目的で買ってるから」
「最低だなお前!漫画もちゃんと読めよ!おもしろいから!」
「うるせえ!そう言うお前もちゃんとアルファポリスの小説、漫画読んでんのかお前は!」
「当たり前でしょ!つーかそう言う鑑太郎さんも読んでるんですか!」
「もちろんだ、○○○とか○○○とか○○○○○とか読んでるわ!」
「なんで全部○○○表記なんですか!何言ってるのかわかんねえよ!」
「一応この作品はR指定じゃないんだろ、だからわざわざ○○○表記にしてんだろ」
「鑑太郎さんアルファポリスの作品ほとんどR指定の作品しか読んでないんですか!他のも読めよ!」
「俺がエ○さを求めて何が悪い!大半の男はそうだろ!」
「変な偏見ができそうなのでそう言うこと言うのやめてください」
「本当のことだ!それが正しくないという正しい根拠を言え!」
「そのネタ使うのやめろ!マジで本人に訴えられるぞ!」
「はて?なんのことやら?ただ根拠を求めただけですが?何か問題でも?」
こんな人がよく今まで訴訟を起こされなかったな。
やっぱり法の知識があれば言い逃れができるものなのか?
「そこまでだ!眞田鑑太郎!」
「けっ、警察!」
突然ドアが開いたと思ったら警察官が一人探偵事務所に入ってきた。
「鑑太郎さん(小声)、また何かやらかしたんですか(小声)?」
「え(小声)?いやいやいや俺まだなんもしてないよ(小声)」
「まだってなんですか(小声)、警察が来てる時点で絶対なんかやらかしてるでしょ(小声)」
「俺そんな信用ないの(小声)、マジで俺なんもしてねえって(小声)」
すると、警察官がこちらに近づいて来た。
「署までご同行願いますか?眞田鑑太郎さん」
「いやあのその前に…令状ありますか?あるなら応じますが、ないなら出てっていただけませんか?営業の妨げになるんで」
「令状?…ふんっ…あるよ!」
警察官が令状を取り出し、それを鑑太郎に見せつけた。
「は!?マジであるの!?えーっとどれどれ…脱税…は?」
「脱税か…鑑太郎さん見損ないましたよ」
「つーわけでお前を逮捕する」
すると、鑑太郎が警察官に質問を始めた。
「あの…おたくは警察官ですよね」
「そうだ、だからなんだ?」
「あっれれ~?おっかしいぞ~?」
「なにがおかしい!言ってみろ!」
鑑太郎は警察官に対して反論を始めた。
「たしか脱税に関することは税務署か国税局が調べるものですよね、なぜ、下っ端の警察官が脱税の捜査をしているのかね~?そしてなぜ、警察官が私を脱税の容疑で逮捕しようとしているか、この場合、令状を持ってくるのは警察官ではなく、検察官か国税局の職員のなはずですけど…あっれれ~あなたは本当に警察官なんですか~、ていうかそれ以前にその令状偽物だろ~」
鑑太郎さんのあおりがうざすぎる、警察官を名乗る男も怒りを抑えてるのか、体がプルプルと震えていた。
「ちょっと、鑑太郎さん、煽るのやめてください、本当に警察官だったらどうするんですか」
「こんなことも知らない奴が警察官なわけねえだろ、まあこんなんで本当に警察官だったらちょーウケるんだけど(笑)」
すると、警察官が下を向いたかと思ったら、急に顔を上げ、大声で笑い出した。
「フッフッフ…ウハハハハハ!アーッハッハッハッー」
「あーついに頭いかれちゃったかー、お前なんか薬中かなんかか?」
「残念だったな!眞田鑑太郎!脱税の証拠はもう国税局に提出した!少しすれば国税局の人間もこの事務所にくるぞ!」
「な!?」(柳崎透)
「な!?」(眞田鑑太郎)
「「なんだって!!??」」
その警察官を名乗る男の言葉に俺たちは慌てた、ていうかもう手遅れだ。
「おい、自称警察官の分際でよくもやってくれたな!」
「いや元はと言えばあんたが脱税したからだろ!」
「やばい…この事務所…マジで終わる」
「警察を舐めるから痛い目に合うんだぞ鑑太郎!(計画通り!思い通り!予想通り!)」
落胆する鑑太郎さんを見た警察官の顔は…めちゃくちゃ気持ち悪いくらいの笑みを浮かべていた。
その笑顔は俺的にも生理的に受け付けたくないくらいだ。
ガチャッ
「うおい!ドアが開いたぞ!ほんとにマジで来るの!?」
「俺だってどうなるんですか!?あんたが捕まれば俺無職になるんだぞ!」
「俺の心配よりそっち気にするのかよ透!」
「ふはははは!鑑太郎!地獄に落ちやがれ!」
「おいなんだそのセリフ!元々俺に恨みでもあったのかポリ公!」
ドアが開くとそこには美人でスタイル抜群の女性が入ってきた。
「お待ちしてましたよ、国税局の方ですよね、では後のことは頼みましたよ」
するとその女性の口から予想外の言葉が出た。
「はて…何のことでしょう?私は国税局の人間ではありませんよ?それに…国税の方はここに来ないと思いますが」
「なに!」
この女性は一体何者なんだ?国税の人かと思ったけど、どうやら違ったみたいだ。
だけど、国税局がここに来ないというのはどういうことだろうか?
すると警察官の携帯が鳴り響いた、けたたましく鳴る携帯を警察官がとる。
「ああ俺だ…なに!今回のことは無かったことにしてくれだと!おい!待て!まだ話は終って……」
電話は切れてしまったようだ、警察官自身も何が起こったのかが見当もつかない様子だった。
そして、警察官は女性の方に視線を向けた。
「おい女!お前なにか知ってるだろ!国税に何を吹き込んだんだ!」
警察官が女性に怒号をぶつけると女性は警察官に詰め寄って来た。
「あなたも…これ以上あまり突っ込まない方がいいと思いますよ、まだ警察組織というものにしがみつきたいのであれば…ね」
女性のその言葉に警察官は恐れおののき、すぐに探偵事務所を出ていった。
「えっと、俺たちがこんなこと言うのもあれなんですが、ありがとうございます」
「いいえ、鑑太郎君にはこんなことで失脚されては困るからね、たしかあなたは柳崎透君だっけ?」
「え?どうして俺の名前を?」
「鑑太郎君の部下くらい把握するのは当たり前だわ」
そして、女性は鑑太郎さんに近づいて行った。
「久しぶりだね、鑑太郎君」
「国税の奴らかと思ったらお前かよ、先輩」
女性の方は少し懐かしそうな表情をしているのに対し、鑑太郎さんの方はめんどくさそうな表情をしていた。
「もう二度と会わないって言ったはずだが、それに…例の件絶対引き受けないからな!」
「久しぶりの再会がそれ~?それに今回の国税の強制捜査を止めるの結構大変だったからね!感謝の言葉くらいあっていいと思うけど」
「お前のそれただ国税に何かしら圧力を掛けただけだろ、国税局に圧力掛けてくれてありがとうなんて言ったら俺自身罪悪感湧きそうだし」
「脱税行為は罪悪感湧かないんだね鑑太郎君」
昔から知り合いなのだろうか?でもそこまで仲が良さそうには見えないような…見えるような。
でもこの女性と鑑太郎さんが先輩後輩関係なのがわかる。
「あ、そういえば柳崎君には名乗ってなかったね、私は最高裁判所の裁判官を勤めている長瀬冬美と申します、いつも鑑太郎君がお世話になっております」
「え!?最高裁判所に勤めてるんですか!?あ、改めましてえっと俺…私は眞田鑑太郎の助手をしている柳崎透と申します」
互いの名刺を交換し、挨拶を交わした。
「じゃあ私もこれで失礼するね、また会おうね!柳崎君!鑑太郎君!」
「二度と来るな!」
「鑑太郎さん!そんな言い方ないじゃないですか!」
その女性…長瀬冬美が事務所を後にしようとすると、何かを思い出したような素振りを見せ、鑑太郎さんのところへと戻ってきた。
「なんだよ、まだ何かあるのかよ、俺はお前に謝礼もお礼の言葉も何もあげないからな」
「せめてお礼の言葉くらい言ってあげてもいいじゃないですか」
長瀬冬美は鑑太郎さんの目の前に立つと、懐から手紙を取り出した(ラブレターとかじゃないよな?)。
「ん?なんだこれ?」
「作者(神町恵)さんからの手紙よ」
え!?え!?作者!?え!?ちょ待て!?いいの!?小説の物語の中に作者出て来ていいの!?いいんだっけ!?ありなんだっけ!?
「じゃあこれで失礼するね、また遊びにくるからね」
「二度と来るな(二回目)!」
「鑑太郎さん!一体長瀬さんとの間に何があったんですか!?」
「…ただの腐れ縁だよ」
そして、俺と鑑太郎さんは作者からの手紙の封を開ける、手紙には一言こう記してあった。
”二ヵ月半ほど放置しちゃって…ごめんね… by神町恵 ”
その内容に俺たちの脳内は一瞬フリーズした。
そういえばここ二ヵ月半俺たち何もしてないどころか、出番すらもなかったような…そんな気がした。
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