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番外編・13
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ソフィアのこういった性格は、本当に好ましいとイーサンは思っている。
姉の行動のせいで自分は不本意な立場に置かれた。だというのに、その姉を心配する言葉がすぐに出てくるのは彼女だからこそだ。
「ご安心くださいませ。奥さまだけではなく、一門の誰もが次の当主は兄上さまだと思っております。そのようにお声がけしてしまうのは無理もございません」
エイナルはソフィアに声をかけながら、イーサンを睨みつけてきた。
お前もさっさと何か声をかけてやれという心の声が聞こえる。
「ソフィアがかけた言葉は、純粋にめでたいことだと思ったからこそのものだろう。そういう気持ちはちゃんと伝わっているはずだから、気にすることではない。……と、私は思うぞ?」
「……ありがとうございます。そのお言葉で救われましたわ」
ソフィアがこちらを見上げてにこりと微笑んだ。イーサンはほっと胸を撫でおろす。
ちらりとエイナルを盗み見たが、彼はもうイーサンを睨んではいなかった。
「でもわからないわ。お姉さまはそうまでしてお父さまに恥をかかせたあとはどうするつもりだったの?」
ソフィアは腕を組んで考え込む。
彼女の疑問に関しては、イーサンも不思議に思っていた。自分の父親に恥をかかせたところで、その後の自分の立場をどうするつもりだったのだろうか。叔父の元にいつまでも隠れている訳にはいかないはずだ。
「どうやら本来は結婚式から逃亡したあと、すぐに隣国へ身を寄せるつもりだったようなのです」
「隣国へ? ……まあ、お姉さまだったら引く手あまたでしょうけれど」
「ええ、優秀な魔術師として特別待遇で迎えられる予定だったようです」
隣国とは長年に渡り小競合いが続いている。こちらの国の内情を知る優秀な魔術師であれば歓迎されるだろう。
「ところが、ソフィア様を代理に立て結婚式は行われてしまいました。これでも十分に師の体面を汚すことはできたでしょうが、来賓の前で結婚式を中止に追い込むというほどのインパクトはありませんでしたからね」
「……あらそう。お姉さまは満足できなかったのね。だから協力者である叔父さまのところへとりあえず身を寄せたと……」
「ええ。本来は来賓の前で師に大恥をかかせる。高貴な方々の間で花嫁はどこへ行ったと大騒ぎに。そんな中、どうやら好待遇で隣国に迎えられたらしいと皆さま方の知るところとなり……」
「我が国の最先端の魔術知識が隣国に流出した上、王宮の内情まで知られてしまったのではと大問題に発展する。お父さまの責任問題になって罷免、という予定だったのね」
ソフィアが低い声で淡々と言った。
その内容にイーサンは背筋が寒くなる。
「おっしゃる通りでございます。師が罷免となれば我ら一門の者もただでは済まないでしょう。私だって職は失いたくありませんしねえ」
もしそんなことになれば、我が国で最大の魔術師派閥が姿を消すことになりかねない。その影響は計り知れないだろう。
姉の行動のせいで自分は不本意な立場に置かれた。だというのに、その姉を心配する言葉がすぐに出てくるのは彼女だからこそだ。
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「……ありがとうございます。そのお言葉で救われましたわ」
ソフィアがこちらを見上げてにこりと微笑んだ。イーサンはほっと胸を撫でおろす。
ちらりとエイナルを盗み見たが、彼はもうイーサンを睨んではいなかった。
「でもわからないわ。お姉さまはそうまでしてお父さまに恥をかかせたあとはどうするつもりだったの?」
ソフィアは腕を組んで考え込む。
彼女の疑問に関しては、イーサンも不思議に思っていた。自分の父親に恥をかかせたところで、その後の自分の立場をどうするつもりだったのだろうか。叔父の元にいつまでも隠れている訳にはいかないはずだ。
「どうやら本来は結婚式から逃亡したあと、すぐに隣国へ身を寄せるつもりだったようなのです」
「隣国へ? ……まあ、お姉さまだったら引く手あまたでしょうけれど」
「ええ、優秀な魔術師として特別待遇で迎えられる予定だったようです」
隣国とは長年に渡り小競合いが続いている。こちらの国の内情を知る優秀な魔術師であれば歓迎されるだろう。
「ところが、ソフィア様を代理に立て結婚式は行われてしまいました。これでも十分に師の体面を汚すことはできたでしょうが、来賓の前で結婚式を中止に追い込むというほどのインパクトはありませんでしたからね」
「……あらそう。お姉さまは満足できなかったのね。だから協力者である叔父さまのところへとりあえず身を寄せたと……」
「ええ。本来は来賓の前で師に大恥をかかせる。高貴な方々の間で花嫁はどこへ行ったと大騒ぎに。そんな中、どうやら好待遇で隣国に迎えられたらしいと皆さま方の知るところとなり……」
「我が国の最先端の魔術知識が隣国に流出した上、王宮の内情まで知られてしまったのではと大問題に発展する。お父さまの責任問題になって罷免、という予定だったのね」
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その内容にイーサンは背筋が寒くなる。
「おっしゃる通りでございます。師が罷免となれば我ら一門の者もただでは済まないでしょう。私だって職は失いたくありませんしねえ」
もしそんなことになれば、我が国で最大の魔術師派閥が姿を消すことになりかねない。その影響は計り知れないだろう。
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