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61.オーガ
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敵船にテレポートした俺は、大砲を奪って回った。
200隻もあるので間に合わなかった船が島に向かって砲弾を撃ちまくってくれたが、島民たちは破壊不能の避難所にいるはずだし島民たちの家屋も破壊不能オブジェクトになっているので大丈夫だろう。
被害があるとすれば再度植えなおしたヤシの木くらいか。
前は津波で根こそぎやられたし、ヤシの木はなかなか根付かないな。
200隻の船を回り抵抗する船員たちを投げ飛ばし、両肩の関節を外して転がし、大砲を収納の指輪に入れていく。
これで海からの攻撃手段はなくなった。
「問題はここからだ」
すでに俺の中では人間牧場の方向で皮算用が始まっている。
単純計算で60人の島民から月間300ポイントの収支プラスが出るのだから、2万人なら10万ポイントだ。
毎月良い宝箱が10個開けられる計算になる。
スペシャル宝箱でも1個開けられる。
岐阜の人口は正確にはわからないが、ポイント的には岐阜はその3倍くらいの印象だ。
岐阜は人の出入りの激しい町だからばらつきが大きいのだが、毎月平均したら30万ポイントくらいが入ってきている。
つまりあのスペイン人たちを捕虜にすれば毎月入ってくるポイントが今より3割増くらいに膨らむということだ。
これは捕虜一択でしょ。
だが、奴らを捕まえたり閉じ込めておくための場所を作ったりと大変なことも多い。
少しポイントを使うとするか。
俺はまず、スマホを操作してダンジョンを増設した。
ダンジョンの部屋には、いったいどういう目的で使うつもりなのか牢屋というオプションもついている。
捕まえた侵入者を入れておくためのものなのだろうが、そのあと侵入者がどうなるのかはその物語の年齢制限次第だろう。
使い方はともかくとして便利なものがあるのだから使わない手はない。
俺は海岸を入り口として地下に階層を作り、そこを牢屋エリアとした。
子どもたちが入り込まないように入り口に怖い門番でも置いておかないとな。
俺は亜人型モンスター、オーガを10体生み出した。
1体3000ポイントとナイトメアゴーストの3倍の値段がした。
しかしその顔の怖さと身体の頑丈さにはそれだけの価値がありそうなモンスターだ。
光の奔流の中から出てきた10体のオーガは、まさに物語の中の鬼そのものだった。
「「「グルルルル……」」」
鳴き声も怖い。
まるで以前みんなで退治した虎のような鳴き声だった。
しかし彼らから伝わってくる思念は実に実直。
強面だけど実は真面目なんていいモンスターだ。
ただ食費はすごいことになりそうだけど。
オーガたちにはまずスペイン人たちを捕らえるのを手伝ってもらうことにした。
今回もまた1隻は逃がすつもりなので、失神するほど怖い思いをして帰ってもらわなければならない。
オーガたちに襲われれば生涯忘れることのできないほどの恐怖を植え付けることができるだろう。
俺はオーガたちを従え、スペイン人たちが上陸してくるのを待った。
あの総督はたぶん大砲を奪われたくらいで諦めないだろう。
必ず上陸してくるはずだ。
来るのなら前回の津波で壊れたままの防波壁のあたりか、申し訳程度に俺が手作りした港か。
防波壁を直しておけばよかったな。
そうすればこの島は他に上陸できるような場所は港くらいしかなかったはずだったのに。
毎日入ってくる大量のダンジョンポイントと南国フルーツに浮かれていたせいだな。
反省だ。
俺はスマホを取り出し、ナイトメアゴーストの下位種であるゴーストを100匹ほど生み出した。
ナイトメアゴーストと同じような黒いモヤが大量に飛び出した。
「島の周りを見回って、上陸しようとしている人がいたら俺に知らせて。死なない程度に生気も吸っていいよ」
『『『………………』』』
ゴーストたちは了承し、島のあちこちへ飛び去っていった。
彼らはナイトメアゴーストのように魔法は使えないモンスターだが、同じように生気や魂を餌にする。
物理攻撃は効かないから侵略者たちにはどうすることもできないだろう。
島の防備は万端だ。
俺たちが待ち構えているのは港。
あの総督のことだからあまり策を練って上陸はしてこないと思うんだよね。
ならば一番上陸しやすい港から本隊が来るのではないだろうか。
俺のそんな底の浅い読みは当たっていたようで、南蛮船からたくさんの小舟が港に向かってくる。
さすがにすべての人員を港に向かわせることはしなかったようだが、兵力の4分の1程度はいるのではないだろうか。
5000くらいか。
俺一人では捕縛は難しかったが、俺の後ろには1000人力のオーガが10体もいる。
負ける気がしない。
やがて小舟は港につき、大勢のスペイン人が降りてきた。
「#$%$%!?」
スペイン人たちは港に仁王立ちする大鬼に恐怖し怖気づく。
「多少手荒でも構わない。捕まえろ」
「「「グルァァァッ」」」
「^%$#$%!!」
俺はスペイン語がわからないので彼らが何を言っているのかわからないが、おそらく逃げろとでも叫んでいるのだろう。
今更逃さないよ。
10体のオーガたちは曲刀を振り回すスペイン人たちの中で大暴れした。
その皮膚はなまくら刀なんかでは刃が立たないらしく、切りつけられても全く血は流れている様子がない。
オーガが腕をひと振りするだけで人が吹き飛んだ。
俺はオーガたちの後ろからその様子を冷静に見守る。
思ったよりも鉄砲を持った人が少ないな。
銃を持っているのは後ろのほうで俺と同じようにこの状況を見守っている後づめの部隊だけのようだ。
どう考えても一番最初に突っ込んでくる人たちのほうが危険が大きいから、足軽と正規兵みたいな身分の違いでもあるのかもしれない。
「#$%^#$%!!」
その正規兵みたいな人たちが大きな声で号令をかける。
すると決死の覚悟でオーガたちと戦っていた人たちが小舟へと引き上げていく。
なるほど、撤退か。
こちらもはいそうですかと帰らせてあげるわけにもいかない。
俺は彼らが乗ってきた小舟にテレポートすると、逃げてくる彼らの足元めがけて弱めのファイアボールを連射する。
「$#$%!!」
たまらず急停止するスペイン人たち。
その背中をオーガたちが蹂躙する。
すごい勢いで人が吹き飛んでいるけど、死んでないよね。
オーガに手加減を期待するのは間違いだったかな。
200隻もあるので間に合わなかった船が島に向かって砲弾を撃ちまくってくれたが、島民たちは破壊不能の避難所にいるはずだし島民たちの家屋も破壊不能オブジェクトになっているので大丈夫だろう。
被害があるとすれば再度植えなおしたヤシの木くらいか。
前は津波で根こそぎやられたし、ヤシの木はなかなか根付かないな。
200隻の船を回り抵抗する船員たちを投げ飛ばし、両肩の関節を外して転がし、大砲を収納の指輪に入れていく。
これで海からの攻撃手段はなくなった。
「問題はここからだ」
すでに俺の中では人間牧場の方向で皮算用が始まっている。
単純計算で60人の島民から月間300ポイントの収支プラスが出るのだから、2万人なら10万ポイントだ。
毎月良い宝箱が10個開けられる計算になる。
スペシャル宝箱でも1個開けられる。
岐阜の人口は正確にはわからないが、ポイント的には岐阜はその3倍くらいの印象だ。
岐阜は人の出入りの激しい町だからばらつきが大きいのだが、毎月平均したら30万ポイントくらいが入ってきている。
つまりあのスペイン人たちを捕虜にすれば毎月入ってくるポイントが今より3割増くらいに膨らむということだ。
これは捕虜一択でしょ。
だが、奴らを捕まえたり閉じ込めておくための場所を作ったりと大変なことも多い。
少しポイントを使うとするか。
俺はまず、スマホを操作してダンジョンを増設した。
ダンジョンの部屋には、いったいどういう目的で使うつもりなのか牢屋というオプションもついている。
捕まえた侵入者を入れておくためのものなのだろうが、そのあと侵入者がどうなるのかはその物語の年齢制限次第だろう。
使い方はともかくとして便利なものがあるのだから使わない手はない。
俺は海岸を入り口として地下に階層を作り、そこを牢屋エリアとした。
子どもたちが入り込まないように入り口に怖い門番でも置いておかないとな。
俺は亜人型モンスター、オーガを10体生み出した。
1体3000ポイントとナイトメアゴーストの3倍の値段がした。
しかしその顔の怖さと身体の頑丈さにはそれだけの価値がありそうなモンスターだ。
光の奔流の中から出てきた10体のオーガは、まさに物語の中の鬼そのものだった。
「「「グルルルル……」」」
鳴き声も怖い。
まるで以前みんなで退治した虎のような鳴き声だった。
しかし彼らから伝わってくる思念は実に実直。
強面だけど実は真面目なんていいモンスターだ。
ただ食費はすごいことになりそうだけど。
オーガたちにはまずスペイン人たちを捕らえるのを手伝ってもらうことにした。
今回もまた1隻は逃がすつもりなので、失神するほど怖い思いをして帰ってもらわなければならない。
オーガたちに襲われれば生涯忘れることのできないほどの恐怖を植え付けることができるだろう。
俺はオーガたちを従え、スペイン人たちが上陸してくるのを待った。
あの総督はたぶん大砲を奪われたくらいで諦めないだろう。
必ず上陸してくるはずだ。
来るのなら前回の津波で壊れたままの防波壁のあたりか、申し訳程度に俺が手作りした港か。
防波壁を直しておけばよかったな。
そうすればこの島は他に上陸できるような場所は港くらいしかなかったはずだったのに。
毎日入ってくる大量のダンジョンポイントと南国フルーツに浮かれていたせいだな。
反省だ。
俺はスマホを取り出し、ナイトメアゴーストの下位種であるゴーストを100匹ほど生み出した。
ナイトメアゴーストと同じような黒いモヤが大量に飛び出した。
「島の周りを見回って、上陸しようとしている人がいたら俺に知らせて。死なない程度に生気も吸っていいよ」
『『『………………』』』
ゴーストたちは了承し、島のあちこちへ飛び去っていった。
彼らはナイトメアゴーストのように魔法は使えないモンスターだが、同じように生気や魂を餌にする。
物理攻撃は効かないから侵略者たちにはどうすることもできないだろう。
島の防備は万端だ。
俺たちが待ち構えているのは港。
あの総督のことだからあまり策を練って上陸はしてこないと思うんだよね。
ならば一番上陸しやすい港から本隊が来るのではないだろうか。
俺のそんな底の浅い読みは当たっていたようで、南蛮船からたくさんの小舟が港に向かってくる。
さすがにすべての人員を港に向かわせることはしなかったようだが、兵力の4分の1程度はいるのではないだろうか。
5000くらいか。
俺一人では捕縛は難しかったが、俺の後ろには1000人力のオーガが10体もいる。
負ける気がしない。
やがて小舟は港につき、大勢のスペイン人が降りてきた。
「#$%$%!?」
スペイン人たちは港に仁王立ちする大鬼に恐怖し怖気づく。
「多少手荒でも構わない。捕まえろ」
「「「グルァァァッ」」」
「^%$#$%!!」
俺はスペイン語がわからないので彼らが何を言っているのかわからないが、おそらく逃げろとでも叫んでいるのだろう。
今更逃さないよ。
10体のオーガたちは曲刀を振り回すスペイン人たちの中で大暴れした。
その皮膚はなまくら刀なんかでは刃が立たないらしく、切りつけられても全く血は流れている様子がない。
オーガが腕をひと振りするだけで人が吹き飛んだ。
俺はオーガたちの後ろからその様子を冷静に見守る。
思ったよりも鉄砲を持った人が少ないな。
銃を持っているのは後ろのほうで俺と同じようにこの状況を見守っている後づめの部隊だけのようだ。
どう考えても一番最初に突っ込んでくる人たちのほうが危険が大きいから、足軽と正規兵みたいな身分の違いでもあるのかもしれない。
「#$%^#$%!!」
その正規兵みたいな人たちが大きな声で号令をかける。
すると決死の覚悟でオーガたちと戦っていた人たちが小舟へと引き上げていく。
なるほど、撤退か。
こちらもはいそうですかと帰らせてあげるわけにもいかない。
俺は彼らが乗ってきた小舟にテレポートすると、逃げてくる彼らの足元めがけて弱めのファイアボールを連射する。
「$#$%!!」
たまらず急停止するスペイン人たち。
その背中をオーガたちが蹂躙する。
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オーガに手加減を期待するのは間違いだったかな。
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