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7.商売
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商売を始めようと思う。
僕が神様からもらったスキル【アイテムコピー】はどんなアイテムであっても複製することのできるスキルだ。
このスキルを使えばお金に困ることはない。
金貨を毎日コピーしていけばいつかは金貨よりも価値のある硬貨に両替できるかもしれない。
宝石や金塊なんかに替えてもいい。
そして今度はそれを毎日コピーしていけば僕の資産は加速度的に増えていくことだろう。
しかし、なんの仕事もしていない人間がそんな大金を持っていたらかなり怪しまれてしまうのではないだろうか。
日本だったらまず税務署にはマークされる。
非合法の商売をしていることを疑われれば警察にもマークされてしまうことだろう。
この世界でもおそらく誰にも怪しまれないということはあり得ないだろう。
スキルというものが存在している世界なだけに、スキルでお金を稼いだと言えば犯罪行為の疑いは晴れるんだろうけど今度は権力者に監禁されて金貨を吐き出すだけの人生になってしまいそうだ。
スキルのことが人に知れるのだけは阻止しなくてはならない。
だからカモフラージュになるような商売を始めようと思ったのだ。
アイテムコピーの力を使えば商売なんて簡単だろう。
僕は短絡的にそう思っていた。
「えぇ、僕の売った靴が……」
この街は名をロルクスという。
この国は王を頂点とした封建国家だ。
王家が直接治める直轄領と、家臣である貴族に与えられた領地とがある。
ロルクスの街は後者なので最高権力者は王都から派遣された代官様だ。
その代官様が月に一度、中央広場からお触れを出す。
今月は特になにもお知らせが無かったのか校長先生の挨拶のような当たり障りのない話だった。
しかし僕は壇上の代官様の履いている靴が気になって仕方がなかった。
なにせあれは僕が商人っぽいおじさんに売った靴だ。
代官様が履いているということはあのおじさんが代官様に売ったということだ。
気になるのはいくらで売ったのかということだ。
僕の額から汗が一筋流れ落ちる。
街の喧騒が、まるで別の世界のことのように感じられた。
人混みの中、僕は一人の恰幅のいいおじさんを見つける。
僕が靴を売ったおじさんだ。
おじさんはこの喧騒の中、僕のほうを見ていた。
勝ち誇った顔で、金貨の袋をこちらに掲げて。
なんだあの袋の大きさ。
絶対に100枚は入っている。
「く、狸め……」
狸おやじというのはああいう人のことを言うのだろう。
商売ってなんだかすごく難しそうだな。
狸おやじにまんまと出し抜かれて少しへこんだ僕だったのだけれど、よく考えたらあの靴は仕入れ値ゼロ円の品で、それが金貨30枚で売れたのだ。
つまり利益は金貨30枚。
おそらく金貨30枚で仕入れて100枚以上で売った狸おやじよりは少ないけれど、金貨30枚という莫大な利益は出ているのだ。
何も悲観するようなことはない。
僕の強みは商売上の駆け引きではない。
そんな才能があったらあちらの世界でももっとうまくやれている。
僕の強みはなんといっても神様からもらったスキルだろう。
といっても僕が特別というわけではなく、この世界の人たちは皆一人に一つスキルを持っている。
僕が特別なのはスキルを自分で選ぶことができたことだろう。
剣術や火魔法を選んでいたら僕はこの世界に来て早々に死んでしまっていたかもしれない。
なにせ剣術や火魔法でお金を稼ぐためには冒険者やらなんやらになってモンスターと戦ったりしなければならないのだ。
僕に戦いの才能があるとは思えないし、すぐにゴブリンあたりにブチ殺されていたことだろう。
その点アイテムコピーなら戦わなくても確実にお金を稼ぐことができる。
アイテムボックスはちょっと欲しかったけれど、コイン1枚分のアイテムボックスならすでに持っているしそのうち収納の魔道具も買えばいい。
この世にはお金でもなんともならないことというのがあるけれど、大体のことはお金でなんとかなるものだ。
そして僕にはそのお金を無限に稼ぐ手段がある。
これこそが僕の強み。
僕の作った商会は絶対に倒産しない。
「こんにちは、商人になりたいんですけど」
「はぁ、今まで商人のご経験は?」
「いえ、ないですけど」
商業ギルドの受付のお姉さんはこのド素人どうしようかという困った顔を浮かべる。
僕の作った商会が絶対に潰れることがないことをこのお姉さんに伝える手段がない。
商人にとって信用が最も大切なものだ。
だから商業ギルドは誰でも彼でも商人にするわけにはいかないのだろう。
「誰か保証人になってくれるような方はいらっしゃいますか?いらっしゃらないのであれば保証金として金貨5枚をお預かりすることとなりますが」
僕はこの世界に来てまだ1か月も経っていない。
当然僕の身元を保証してくれるように知り合いはいない。
ザックスは奴隷だし僕の身元なんて保証できない。
となれば僕が選ぶのは消去法で金貨となる。
僕の信用を保証してくれるのはこいつだけだよ。
僕は金貨5枚を取り出してお姉さんの前に積み上げた。
僕の身なりは異世界のブレザー姿から全身古着屋コーディネートに変わっている。
つまりお金なんて持ってなさそうなザ・村人コーデだ。
お姉さんはまさか僕が金貨を出すとは思わなかったのか少しのけぞった。
「し、失礼しました。すぐに申請書をご用意します」
お姉さんはすぐに必要書類を持ってきてくれた。
僕はそれに記入し、なんかよくわからないけど血を1滴垂らしたら登録完了だ。
軍人さんのドッグタグみたいなものを渡され、僕は晴れて商人となった。
さて、大金を稼いでいこうか。
商売を始めるにあたり、最初に思いつくのは異世界の知識を利用してお金を稼ぐ方法だ。
マヨネーズしかり、リバーシしかり、そのへんのやり尽くされた安い知識チートだ。
もしこの世界の食文化や娯楽が中世ほどに乏しければ確かにそういった安直な方法でもお金が稼げたかもしれない。
しかしこの世界の文化は中世よりも進んでいる。
ハイテク機械や石油製品こそまだ開発されていないものの、魔道具なんていう便利な道具はあるしご飯は美味しいし庶民でも楽しむことのできる娯楽もたくさんある。
大体マヨネーズなんて卵と油とお酢と塩を混ぜるだけの単純なソースじゃないか。
水と油を混ぜるのに少し労力がいるというだけだ。
全く同じものは確かにまだないが、卵とお酢のソースやお酢と油のソースなどの近似のソースはこの世界にもすでに存在している。
マヨネーズっぽいものが開発されるのは時間の問題だ。
そしてそれは爆発的に売れるようなことはないだろう。
日本でマヨネーズが爆発的に売れたのは和食にフランス料理のような味の濃いソースの文化があまりなかったことと単純にキュー〇ーの企業努力によるものだ。
オ〇ロも右に同じ。
単純なソースやゲームが売れたのはそれを売ろうと頑張った人の努力があったからだ。
僕に同じことができるとは思わない。
そんなものよりも僕は堅実だけど確かな商売をやっていきたいと思っている。
それはお酒の販売だ。
この世界は昔のヨーロッパのように水が安全ではない。
生活排水が垂れ流しだから川の水が汚いのだ。
あちこちに糞尿を捨てるからそれがしみ込んだ井戸水も汚い。
綺麗な水を飲むためにはお金を払わなければならず、そしてそれは安酒を買うよりも高い。
だからみんな水を買わずに酒を買い、水の代わりに飲む。
つまりお酒はライフラインなのだ。
需要が無くなることは絶対にない安パイの商売、それが酒の販売だ。
アイテムコピーのスキルを使う事で酒もコピーすることができる。
瓶に入ったものは瓶のまま、樽に入った物は樽に入ったままコピーできることがわかっている。
このへんの検証は何度も行った。
樽の中に同一のアイテムを詰めたり、別のアイテムを詰めたり。
その結果、樽や木箱などの容器に入ったものというのは中に同一のアイテムのみが入っている場合のみ中身ごとコピーされることがわかった。
もし別種のアイテムが混ざっている場合は、容器のみがコピーされる。
液体は混ぜればすべて同一のアイテムとみなされるようなのでお酒をブレンドすることも可能だ。
僕はお酒を飲んだことがないので美味しいかどうかはわからない。
なのでザックスに味見をしてもらい、彼が美味しいと言ったお酒を大量にコピーして販売しようと思う。
バンバン売りさばいて大儲けだ。
僕が神様からもらったスキル【アイテムコピー】はどんなアイテムであっても複製することのできるスキルだ。
このスキルを使えばお金に困ることはない。
金貨を毎日コピーしていけばいつかは金貨よりも価値のある硬貨に両替できるかもしれない。
宝石や金塊なんかに替えてもいい。
そして今度はそれを毎日コピーしていけば僕の資産は加速度的に増えていくことだろう。
しかし、なんの仕事もしていない人間がそんな大金を持っていたらかなり怪しまれてしまうのではないだろうか。
日本だったらまず税務署にはマークされる。
非合法の商売をしていることを疑われれば警察にもマークされてしまうことだろう。
この世界でもおそらく誰にも怪しまれないということはあり得ないだろう。
スキルというものが存在している世界なだけに、スキルでお金を稼いだと言えば犯罪行為の疑いは晴れるんだろうけど今度は権力者に監禁されて金貨を吐き出すだけの人生になってしまいそうだ。
スキルのことが人に知れるのだけは阻止しなくてはならない。
だからカモフラージュになるような商売を始めようと思ったのだ。
アイテムコピーの力を使えば商売なんて簡単だろう。
僕は短絡的にそう思っていた。
「えぇ、僕の売った靴が……」
この街は名をロルクスという。
この国は王を頂点とした封建国家だ。
王家が直接治める直轄領と、家臣である貴族に与えられた領地とがある。
ロルクスの街は後者なので最高権力者は王都から派遣された代官様だ。
その代官様が月に一度、中央広場からお触れを出す。
今月は特になにもお知らせが無かったのか校長先生の挨拶のような当たり障りのない話だった。
しかし僕は壇上の代官様の履いている靴が気になって仕方がなかった。
なにせあれは僕が商人っぽいおじさんに売った靴だ。
代官様が履いているということはあのおじさんが代官様に売ったということだ。
気になるのはいくらで売ったのかということだ。
僕の額から汗が一筋流れ落ちる。
街の喧騒が、まるで別の世界のことのように感じられた。
人混みの中、僕は一人の恰幅のいいおじさんを見つける。
僕が靴を売ったおじさんだ。
おじさんはこの喧騒の中、僕のほうを見ていた。
勝ち誇った顔で、金貨の袋をこちらに掲げて。
なんだあの袋の大きさ。
絶対に100枚は入っている。
「く、狸め……」
狸おやじというのはああいう人のことを言うのだろう。
商売ってなんだかすごく難しそうだな。
狸おやじにまんまと出し抜かれて少しへこんだ僕だったのだけれど、よく考えたらあの靴は仕入れ値ゼロ円の品で、それが金貨30枚で売れたのだ。
つまり利益は金貨30枚。
おそらく金貨30枚で仕入れて100枚以上で売った狸おやじよりは少ないけれど、金貨30枚という莫大な利益は出ているのだ。
何も悲観するようなことはない。
僕の強みは商売上の駆け引きではない。
そんな才能があったらあちらの世界でももっとうまくやれている。
僕の強みはなんといっても神様からもらったスキルだろう。
といっても僕が特別というわけではなく、この世界の人たちは皆一人に一つスキルを持っている。
僕が特別なのはスキルを自分で選ぶことができたことだろう。
剣術や火魔法を選んでいたら僕はこの世界に来て早々に死んでしまっていたかもしれない。
なにせ剣術や火魔法でお金を稼ぐためには冒険者やらなんやらになってモンスターと戦ったりしなければならないのだ。
僕に戦いの才能があるとは思えないし、すぐにゴブリンあたりにブチ殺されていたことだろう。
その点アイテムコピーなら戦わなくても確実にお金を稼ぐことができる。
アイテムボックスはちょっと欲しかったけれど、コイン1枚分のアイテムボックスならすでに持っているしそのうち収納の魔道具も買えばいい。
この世にはお金でもなんともならないことというのがあるけれど、大体のことはお金でなんとかなるものだ。
そして僕にはそのお金を無限に稼ぐ手段がある。
これこそが僕の強み。
僕の作った商会は絶対に倒産しない。
「こんにちは、商人になりたいんですけど」
「はぁ、今まで商人のご経験は?」
「いえ、ないですけど」
商業ギルドの受付のお姉さんはこのド素人どうしようかという困った顔を浮かべる。
僕の作った商会が絶対に潰れることがないことをこのお姉さんに伝える手段がない。
商人にとって信用が最も大切なものだ。
だから商業ギルドは誰でも彼でも商人にするわけにはいかないのだろう。
「誰か保証人になってくれるような方はいらっしゃいますか?いらっしゃらないのであれば保証金として金貨5枚をお預かりすることとなりますが」
僕はこの世界に来てまだ1か月も経っていない。
当然僕の身元を保証してくれるように知り合いはいない。
ザックスは奴隷だし僕の身元なんて保証できない。
となれば僕が選ぶのは消去法で金貨となる。
僕の信用を保証してくれるのはこいつだけだよ。
僕は金貨5枚を取り出してお姉さんの前に積み上げた。
僕の身なりは異世界のブレザー姿から全身古着屋コーディネートに変わっている。
つまりお金なんて持ってなさそうなザ・村人コーデだ。
お姉さんはまさか僕が金貨を出すとは思わなかったのか少しのけぞった。
「し、失礼しました。すぐに申請書をご用意します」
お姉さんはすぐに必要書類を持ってきてくれた。
僕はそれに記入し、なんかよくわからないけど血を1滴垂らしたら登録完了だ。
軍人さんのドッグタグみたいなものを渡され、僕は晴れて商人となった。
さて、大金を稼いでいこうか。
商売を始めるにあたり、最初に思いつくのは異世界の知識を利用してお金を稼ぐ方法だ。
マヨネーズしかり、リバーシしかり、そのへんのやり尽くされた安い知識チートだ。
もしこの世界の食文化や娯楽が中世ほどに乏しければ確かにそういった安直な方法でもお金が稼げたかもしれない。
しかしこの世界の文化は中世よりも進んでいる。
ハイテク機械や石油製品こそまだ開発されていないものの、魔道具なんていう便利な道具はあるしご飯は美味しいし庶民でも楽しむことのできる娯楽もたくさんある。
大体マヨネーズなんて卵と油とお酢と塩を混ぜるだけの単純なソースじゃないか。
水と油を混ぜるのに少し労力がいるというだけだ。
全く同じものは確かにまだないが、卵とお酢のソースやお酢と油のソースなどの近似のソースはこの世界にもすでに存在している。
マヨネーズっぽいものが開発されるのは時間の問題だ。
そしてそれは爆発的に売れるようなことはないだろう。
日本でマヨネーズが爆発的に売れたのは和食にフランス料理のような味の濃いソースの文化があまりなかったことと単純にキュー〇ーの企業努力によるものだ。
オ〇ロも右に同じ。
単純なソースやゲームが売れたのはそれを売ろうと頑張った人の努力があったからだ。
僕に同じことができるとは思わない。
そんなものよりも僕は堅実だけど確かな商売をやっていきたいと思っている。
それはお酒の販売だ。
この世界は昔のヨーロッパのように水が安全ではない。
生活排水が垂れ流しだから川の水が汚いのだ。
あちこちに糞尿を捨てるからそれがしみ込んだ井戸水も汚い。
綺麗な水を飲むためにはお金を払わなければならず、そしてそれは安酒を買うよりも高い。
だからみんな水を買わずに酒を買い、水の代わりに飲む。
つまりお酒はライフラインなのだ。
需要が無くなることは絶対にない安パイの商売、それが酒の販売だ。
アイテムコピーのスキルを使う事で酒もコピーすることができる。
瓶に入ったものは瓶のまま、樽に入った物は樽に入ったままコピーできることがわかっている。
このへんの検証は何度も行った。
樽の中に同一のアイテムを詰めたり、別のアイテムを詰めたり。
その結果、樽や木箱などの容器に入ったものというのは中に同一のアイテムのみが入っている場合のみ中身ごとコピーされることがわかった。
もし別種のアイテムが混ざっている場合は、容器のみがコピーされる。
液体は混ぜればすべて同一のアイテムとみなされるようなのでお酒をブレンドすることも可能だ。
僕はお酒を飲んだことがないので美味しいかどうかはわからない。
なのでザックスに味見をしてもらい、彼が美味しいと言ったお酒を大量にコピーして販売しようと思う。
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