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14.高貴なる争い(笑)
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「ようこそ彩叶学園へ四宮君。我々遊桜会は君を歓迎するよ。実は我々の調べで君の父方の祖父の母方の祖母が皇族の血を引く方だと判明してね。ぜひ君には遊桜会に入会して欲しいんだ」
俺に向かってにこやかに話しかけているのは現遊桜会会長の九条善治だ。
少しパーマがかったワカメヘアーのイケメンで、金持ちの上、旧華族。
それだけ揃っていれば叶えられない我がままなんて数えるほどしかないんじゃないか?
さぞ楽しそうな人生を送っていることだろう。
しかし俺の父方の祖父の母方の祖母が皇族の血を引いていたとは。
父さんでも知らないんじゃないか?
こいつら良く調べたな。
もしかしたら血筋を調べるのが趣味な奴がこいつらの中にいるのかもしれない。
メイドの血筋を調べられないように気をつけないと。
『調べても出てくるとは思えませんけどね』
いや、相手を侮るのは良くないことだ。
向こうにどんな調査手段があるか分からない。
魔界通信的な情報網を持っていないとも限らない。
『なるほど、以後気をつけます』
で、どないしよか。
遊桜会とか入りたくないんだけど。
断るのも相手の印象を悪くするしな。
「ところで、なんでこの高貴なる者の庭に下賎な貧乏人がいるんだい?」
やっぱり場違いな中村をスルーしてはくれなかったか。
でも下賎は余計だ。
中村は確かに俺達から見たら貧乏人だが、野球がうまいぞ。
バスケもそこそこできる。
金のあるなしなんて相場の世界では一瞬で推移するし、あんまり貧乏貧乏言うのはよくないと思います。
中村はこれから相場を覚えて俺と一緒にビッグウェーブに乗る予定なのに。
『そんなこといつ決めたんですか?』
今。
思ったんだけど、こいつら金のあるなしとか、血筋がどうとかうるさいよね。
そんなこいつらが圧倒的な金の力の前に膝を屈する姿が見たいなと俺は思ったんだよね。
『坊ちゃま、なんでこんな風に育っちゃったんですか?』
メイドとじゃれあっている間にも雪村が説明して遊桜海とすったもんだしている。
元々俺達雪村に呼ばれたんだもんね。
だが、遊桜会はなかなか聞き入れてくれないようだ。
遊桜会と御三家って仲悪いのかな。
なんか両者の間にピリピリとした空気を感じる。
篠原雅也はいつもピリピリしてるんだけど。
しかし、御三家の圧倒的な財力に屈しないとはなかなか遊桜会もやるな。
一昔前なら商人と貴族の関係だもんな。
金という力をもった商人と、権力という力を持った貴族。
一昔前ならどちらが強いとは一概には言えなかったが、少なくとも今の旧華族たちに大した権力なんてものはないはずだ。
それならば今は圧倒的に御三家のほうが強いはず。
血なまぐさい展開にならないといいのだけどな。
幸いにも雪村も加藤さんもそこまで過激なことをするような性格には思えない。
篠原は知らんが。
結局険悪な雰囲気になってしまったその日のお茶会はお開きになった。
もう行きたくないな。
憂鬱な放課後を終えた俺達3人はとぼとぼと男子寮に帰宅する。
「ごめんね、僕のせいで巻き込んじゃって」
「いや、問題ないよ。でももうあのお茶会には出たくないな」
「まあ雪村のせいではないと思うけど、すごい世界だったな。下賎の貧乏人なんてさ。うちは別にそんなに貧乏ってわけじゃないのにな」
「「え?」」
「え?」
すまん中村、ずっとお前は極貧にあえぐ苦学生だと思ってた。
驚いた顔をしている雪村を見れば、やはり中村を苦学生だと思っていたようだ。
「あたりまえだろ!貧乏ならこの学園の高い学費が払えるわけないだろ。うちの父親の年収は一応サラリーマンの平均年収の3倍くらいはあるぞ?」
なんということでしょう。
中村は世間一般でいえば割と裕福な家庭の子供だったらしい。
そういえば俺は本当に貧乏な人って見たことなかった。
前通っていた学校も一応私立だったし。
同級生の親もサラリーマンの平均年収より安い給料のやつはいなかったように感じる。
世間知らずってどこの病院で治るのかな。
『一度世間の荒波に揉まれてみたらどうですか?』
俺と雪村は寮の部屋に着くまでの間、中村の家庭の話に驚愕し続けた。
本当に結構裕福じゃないかよ。
中村の金欠は学費まで払ってもらっているのに生活費まで貰うのが悪いと思って自分の貯金でやりくりしている所為だった。
この学園は寮の朝晩の食事もただじゃない。
無料にするならばみんな同じ食事にしないと不公平になってしまう。
そんな食事に金持ち共は耐えられないため、食堂といってもレストランとそう変わりはないのだ。
そのため中村はできるだけ早く幼馴染メイドに料理を覚えてもらって、3食手料理を作ってもらいたいらしい。
まあ頑張れ。
料理下手属性を克服するのは並大抵のことではないということは先人の知恵で知っている。
今度魔界食材でも差し入れてやるかな。
『魔界の食材に素人が手を出すのはお勧めしません。死にますよ』
手料理への道は甘くない。
俺に向かってにこやかに話しかけているのは現遊桜会会長の九条善治だ。
少しパーマがかったワカメヘアーのイケメンで、金持ちの上、旧華族。
それだけ揃っていれば叶えられない我がままなんて数えるほどしかないんじゃないか?
さぞ楽しそうな人生を送っていることだろう。
しかし俺の父方の祖父の母方の祖母が皇族の血を引いていたとは。
父さんでも知らないんじゃないか?
こいつら良く調べたな。
もしかしたら血筋を調べるのが趣味な奴がこいつらの中にいるのかもしれない。
メイドの血筋を調べられないように気をつけないと。
『調べても出てくるとは思えませんけどね』
いや、相手を侮るのは良くないことだ。
向こうにどんな調査手段があるか分からない。
魔界通信的な情報網を持っていないとも限らない。
『なるほど、以後気をつけます』
で、どないしよか。
遊桜会とか入りたくないんだけど。
断るのも相手の印象を悪くするしな。
「ところで、なんでこの高貴なる者の庭に下賎な貧乏人がいるんだい?」
やっぱり場違いな中村をスルーしてはくれなかったか。
でも下賎は余計だ。
中村は確かに俺達から見たら貧乏人だが、野球がうまいぞ。
バスケもそこそこできる。
金のあるなしなんて相場の世界では一瞬で推移するし、あんまり貧乏貧乏言うのはよくないと思います。
中村はこれから相場を覚えて俺と一緒にビッグウェーブに乗る予定なのに。
『そんなこといつ決めたんですか?』
今。
思ったんだけど、こいつら金のあるなしとか、血筋がどうとかうるさいよね。
そんなこいつらが圧倒的な金の力の前に膝を屈する姿が見たいなと俺は思ったんだよね。
『坊ちゃま、なんでこんな風に育っちゃったんですか?』
メイドとじゃれあっている間にも雪村が説明して遊桜海とすったもんだしている。
元々俺達雪村に呼ばれたんだもんね。
だが、遊桜会はなかなか聞き入れてくれないようだ。
遊桜会と御三家って仲悪いのかな。
なんか両者の間にピリピリとした空気を感じる。
篠原雅也はいつもピリピリしてるんだけど。
しかし、御三家の圧倒的な財力に屈しないとはなかなか遊桜会もやるな。
一昔前なら商人と貴族の関係だもんな。
金という力をもった商人と、権力という力を持った貴族。
一昔前ならどちらが強いとは一概には言えなかったが、少なくとも今の旧華族たちに大した権力なんてものはないはずだ。
それならば今は圧倒的に御三家のほうが強いはず。
血なまぐさい展開にならないといいのだけどな。
幸いにも雪村も加藤さんもそこまで過激なことをするような性格には思えない。
篠原は知らんが。
結局険悪な雰囲気になってしまったその日のお茶会はお開きになった。
もう行きたくないな。
憂鬱な放課後を終えた俺達3人はとぼとぼと男子寮に帰宅する。
「ごめんね、僕のせいで巻き込んじゃって」
「いや、問題ないよ。でももうあのお茶会には出たくないな」
「まあ雪村のせいではないと思うけど、すごい世界だったな。下賎の貧乏人なんてさ。うちは別にそんなに貧乏ってわけじゃないのにな」
「「え?」」
「え?」
すまん中村、ずっとお前は極貧にあえぐ苦学生だと思ってた。
驚いた顔をしている雪村を見れば、やはり中村を苦学生だと思っていたようだ。
「あたりまえだろ!貧乏ならこの学園の高い学費が払えるわけないだろ。うちの父親の年収は一応サラリーマンの平均年収の3倍くらいはあるぞ?」
なんということでしょう。
中村は世間一般でいえば割と裕福な家庭の子供だったらしい。
そういえば俺は本当に貧乏な人って見たことなかった。
前通っていた学校も一応私立だったし。
同級生の親もサラリーマンの平均年収より安い給料のやつはいなかったように感じる。
世間知らずってどこの病院で治るのかな。
『一度世間の荒波に揉まれてみたらどうですか?』
俺と雪村は寮の部屋に着くまでの間、中村の家庭の話に驚愕し続けた。
本当に結構裕福じゃないかよ。
中村の金欠は学費まで払ってもらっているのに生活費まで貰うのが悪いと思って自分の貯金でやりくりしている所為だった。
この学園は寮の朝晩の食事もただじゃない。
無料にするならばみんな同じ食事にしないと不公平になってしまう。
そんな食事に金持ち共は耐えられないため、食堂といってもレストランとそう変わりはないのだ。
そのため中村はできるだけ早く幼馴染メイドに料理を覚えてもらって、3食手料理を作ってもらいたいらしい。
まあ頑張れ。
料理下手属性を克服するのは並大抵のことではないということは先人の知恵で知っている。
今度魔界食材でも差し入れてやるかな。
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手料理への道は甘くない。
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