俺のメイドちゃんだけキリングマシーンなんだけど

兎屋亀吉

文字の大きさ
23 / 24

23.籠城合戦

しおりを挟む
『現在調理室には加藤沙織とその派閥メンバーが、会議室には篠原雅也とその派閥メンバーが、サロン棟には游桜会のメンバーがそれぞれ籠城しているようです。残りはテロリストたちに連れられて体育館に集められています。生徒たちの被害は軽い怪我程度で死者は出ていません』

 それぞれが勢力を率いて籠城か。
 本格的に戦国時代みたいになってきた。
 雪村の派閥にも命に代えても雪村を守れと命じられていた生徒がいたみたいだし、おそらく他の連中にもそういった家臣的な奴らがいるのだろう。
 小さい頃から戦闘訓練を受けた高校生なんていうラノベの主人公みたいなやつがこの学園にはたくさんいるのだ。
 SPに四六時中守らせるわけにはいかない学園内だからこそ、そういったやつらに頼るしかないのだろう。
 社会人になって父の会社で働いている長兄の学生時代もガチムチのホモ臭いやつがべったりだったからな。
 ガチムチは今や兄の片腕とも呼べる存在で、たまに実家でも見かけた。
 とても仲が良さげだった。
 あれは護衛だからだと思いたい。
 まさか我が兄ながら衆道を嗜んではおらんだろうな。
 おらんよね?
 
『犯人たちの目的はやはり誘拐犯のアジトで手に入れたあの文章らしいですね。あれさえ取り戻せば自分たちはまた日本国で潜伏して任務を続行できると思い込んでいるようです』

 俺の兄を心配する思考をエルザは読んでいるだろうに、こともなさげに犯人たちの目的を報告する。
 エルザに聞けば兄がどっちなのか教えてくれるだろうが、俺にはそんな勇気はない。
 だがもし兄がそっちだった場合のために俺も嫁探しを頑張るか。
 四宮家の跡継ぎは俺にかかっているのかもしれない。

『ゲイの……間違えました。お兄様のことは今は置いておきましょう。目の前のことに集中してください』

 集中させてくれよ。
 お前が言い間違えた2文字のせいで全く集中できそうにない。

『はいはい、冗談ですよ。お兄様はたぶんノーマルです。銀座の高級クラブにも通っていますし、美人ホステスのすみれさんを口説いています。少し年増好みなのが心配ですね』

 そこまで教えろとは言ってねえよ。
 誰が兄の恥部を晒せと言ったんだ。
 まあ一応兄が子孫を残す気がありそうで安心だ。
 それでなんだったか、テロリストの目的だったか。
 馬鹿なやつらだな。
 テロリストたちの後ろに国がいるとすれば、表沙汰になった時点で奴らは切り捨てられているに違いない。
 なにせ自国の息のかかった組織に他国で工作活動をさせるなどは今の国際世論は許しはしない。
 まあそんなものを気にして本当にやらないのは日本くらいのもので、実際は多くの国が当然のように行っている。
 スパイも潜入させるし暗殺もさせる。
 テロリストも支援する。
 だがテロリスト側も大ぴらに自分は〇国の支援を受けたテロリストですとは言わない。
 本国との繋がりは徹底的に隠さなければならないはずだ。
 組織の概要が明らかになってしまった今からでも書類さえ取り戻せばやり直せるというのは甘すぎる考えだろう。
 おそらく日本の政界や財界の有力者たちの子供が在籍しているこの学園の生徒を人質にすればなんとでもなると思ったのだろうな。
 現実は半分以上の生徒を人質にすらできていない。
 あいつら普通の子供を脅すつもりで来てやがる。
 金持ちの子供を舐めすぎなんだよ。
 俺だったら開幕ぶっぱで催涙ガスでも充満させて行動不能にするな。
 銃なんか突きつけるよりもそのほうが早いし安全だ。

『なんでテロリスト側の思考なんでしょうかねこの坊ちゃんは』

 生まれついてのテロリスト思考なんだよ。
 ほっとけ。
 それよりも、救出はまだなのか?
 そろそろテロリストたちが突入してきてから5時間になる。
 なんらかの手段を用いた生徒からの連絡か、犯人の犯行声明か、それとも不審に思った外部の連中か、なんらかの形で学園の異変に気が付いて救出隊を編成していてもおかしくはない。

『このような形での生徒の反抗を想定していなかった犯人たちはまだ犯行声明を出すことができていないようです。ですが警察はすでにこの事態に気が付いています。学園の中に外部への定時連絡を行っていた生徒がいたようで、その生徒からの定時連絡がなかったことから発覚したようです』

 なるほど、おそらくどこぞの派閥の護衛役だろうな。
 ご苦労様なことだ。
 だがこれでテロリスト共が検挙されるのも時間の問題となったな。
 あとは内部から警察を援護してやればいい。
 簡単じゃないか。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』

まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。 朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。 「ご主人様の笑顔が見たいんです」 その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。 全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!? 甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

没落貴族とバカにしますが、実は私、王族の者でして。

亜綺羅もも
恋愛
ティファ・レーベルリンは没落貴族と学園の友人たちから毎日イジメられていた。 しかし皆は知らないのだ ティファが、ロードサファルの王女だとは。 そんなティファはキラ・ファンタムに惹かれていき、そして自分の正体をキラに明かすのであったが……

処理中です...