ゴミスキルでもたくさん集めればチートになるのかもしれない

兎屋亀吉

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29.オーク狩り再び

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 さて、出航である。
 昨日までにスキルの練習、手裏剣の練習、操船の練習、すべて入念に行ってある。
 スキルレベルも全体的に上がっている。

一般スキル
 【回転lv5】
 【凝縮lv4】
 【振動lv3】
 【曲鉄lv4】
 【着鉄lv4】
 【浮遊lv3】
 【リキッドステイクlv4】

魔法スキル
 【生活魔法lv5】
 【毛魔法lv5】
 【反転魔法lv5】
 【変色魔法lv3】

エクストラスキル
 【魔眼(性別)】
 【チャージ】
 【スキル効果10倍】

 こうして書き記しておかないとそろそろ自分の持っているスキルを忘れそうだ。
 この世界にはステータスウィンドウは無いので、自分で憶えておかなくてはならない。
 しかし僕もスキルレベルが5に到達したスキルが増えてきたな。
 もはやオークは雑魚だという確信が、僕の中にある。
 スキルレベルはここからがなかなか上がらないらしいから、まあのんびり上げていこう。
 まだ新しいスキルもたくさん手に入れたいしね。
 僕は気を引き締めると、慣れた手つきでプロペラを回し小船を発進させた。
 オークの縄張りまでの街道はそれほど人通りは多くないが、全く人が通らないわけではない。
 時折追い抜いたりすれ違ったりする人たちに驚かれたりして少し恥ずかしい。
 人身事故を起こしてはいけないのであまりスピードが出せないのもストレスだ。
 現在のスピードは体感で時速40キロくらいだろうか。
 実際にはもう少し遅いのかもしれない。
 それでもオークの縄張りまでは3時間もあれば到着するだろう。
 そこで昼すぎまでに1、2匹のオークを狩り、睾丸とたくさんの肉を舟に積んで街に帰る。
 睾丸は1匹分で金貨1枚に、肉は1匹分で金貨2枚くらいにはなるだろう。
 オークが1匹狩れれば1日の稼ぎは金貨3枚。
 2匹狩れれば金貨6枚だ。
 うはうはだ。
 あ、よだれが。
 僕は期待に胸を膨らませ、オークの縄張りに急いだ。




 以前狩りをした川の上流の支流との分岐点で今日も僕は待ち伏せる。
 船を近くに隠し、僕はまた臭い布をかぶって待機だ。
 チートなスキルを手に入れたおかげで正面から戦っても多分勝てるとは思うけれど、それと狩りのスタイルを変えるのとは別の話。
 僕は変色魔法で落ちていた小石に絵を描きながらオークが来るのを待った。
 30分くらいでドスドスパチャパチャというオークが川を渡る音が僕の耳に聞こえてきた。
 今日はどうやら運がいいらしい。
 僕は1匹で川を渡っているオークを目視で確認し、いつでも発動できるように準備しておいた黒針地獄を発動した。
 川底という見えない場所から伸びる地獄の針に、オークは全く気付くことなく足を乗せ踏み抜いた。

「ブヒィィィィ!!!」

 オークの悲痛な悲鳴が響き渡る。
 まずいな、悲鳴のことを全く考えてなかった。
 仲間のオークが悲鳴を聞きつけてやってくるかもしれない。
 僕は急いでオークに追撃を加える。
 川底からオークの足首に髪を巻きつけ固定し、少し近づいて液体窒素の杭を投擲した。
 キンキンに冷えた杭はオークの胸に突き刺さり、液体となって身体の内側から凍りつかせる。
 オークは苦悶の表情を浮かべたまま川に突っ伏した。
 僕は念のためもう1本液体窒素の杭を生み出し、触腕を使ってオークの後頭部に突き立てた。
 触腕を放すと杭は液体窒素に戻ってオークの頭部を凍てつかせる。
 この仕留め方だと血があまり出ないのがいいな。
 僕は浮遊スキルでオークの身体を浮かせると、引っぱってもう少し下流に移動した。
 たぶん3匹くらいのオークなら勝てると思うけれど、この前みたいな強いオークやもっとたくさんのオークに出てこられたら冷静に戦える自信が無かった。
 隠してあった船にオークを乗せ、川の上を浮遊して移動すること数分。
 以前僕が砂地にお風呂用の穴を掘ったあたりまで下ってきた。
 ここならよほど運が悪くないかぎりはオークが出ることも無いだろう。
 僕は適当な木にオークを逆さに吊るし、首を切って血抜きをする。
 グロイな。
 オークの肉は食用だとはいえ、体つきは豚というよりも人に近い。
 やっぱりグロイ。
 解体して肉にしてしまえば、程よく脂の乗ったおいしそうな肉なのだけれど、解体前の獲物というのはえてしてグロイものだ。
 僕は血が滴らなくなったところで、オークの死体をまた船に乗せた。
 しかしこれからどうしようか。
 オークを乗せたまま船を隠すと、匂いで動物か魔物が寄ってきてオークを横取りされてしまうかもしれない。
 僕はしばらく考えて、毛魔法で船ごとグルグル巻きにすることにした。
 木か岩でも巻き込んでぐるぐる巻きにすれば、誰にも盗まれることはないし僕は毛髪を魔力に変換するだけで船を取り出すことができる。
 僕はそばにあった大きな岩を巻きこんで船をぐるぐる巻きにした。
 毛髪同士を複雑に結んで、手では絶対に解けないようにする。
 これで僕以外がこの毛の固まりから船を盗もうとしても焼き払うくらいしか方法は無いだろう。
 僕は次のオークを探しに向かった。
 船をぐるぐる巻きにしてしまったから歩きだ。
 移動してからぐるぐる巻きにすればよかったな。


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