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62.千刃の拓
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「この野朗、俺は『千刃の拓』だぞ。分かっててガンくれてんのか!?」
無駄にかっこいい二つ名をしよって。
自分で考えたのか?
僕は拓君が部屋で一生懸命自分の二つ名を考える姿を想像して、哀れみを禁じえない。
「なんだその目は!!てめえやっぱ俺のこと舐めてんな!!!」
拓君は両手を腰の後ろにやり、2本のナイフを取り出す。
それを器用にクルクルと回している。
すごい、左右で別の動きをしている。
なにこれ、普通にすごいんだけど。
「ビビッて声も出ねえか?だがこれで終わりじゃねえぜ。俺が千刃と呼ばれる所以はな!!」
拓君は2本のナイフを空中に投げると、懐からさらに2本のナイフを抜き放つ。
どうなってしまうんだあの空中のナイフは。
拓君はなんと空中のナイフと手に持っている2本のナイフを交互に空中に投げ、クルクルと器用に回しながらジャグリングを始めた。
すごすぎるよ千刃の拓。
刃の数は四刃だけど、そこは突っ込んだらいけないところなんだよね。
もしかしたらまだナイフ持っているかもしれないし。
「へへへ、ビビッたか?」
凄いとは思うけど、ビビッてはないね。
なんでこれをやったらビビると思ってしまったのか。
なんだか出会いは最低だったけど、拓君は憎めないキャラだな。
きっと不良の先輩とかにも可愛がられる愛されキャラなんだろうな。
ちょっとバカだけど。
ちょうどいい、こちらでの協力者が欲しいと思っていたところだ。
これも何かの縁だろう。
ちょっと協力をお願いしよう(物理)
人通りの無い路地に、尻餅をついて後ずさりをする大柄の青年。
「ひぃ、なんで俺の千刃インフレーションブレードが効かねえんだよぉ……」
技名かっこいいけど、ただの投げナイフやないか。
きっと猛練習したんだろうことだけは伝わってきたよ。
しかし今の僕には物理攻撃も魔法攻撃もほとんど効かないんだな、これが。
申し訳ないね、チートで。
僕は毛魔法でなるべく気持ち悪い触腕を作り上げ、背中でうねらせる。
「ひぇっ、お、お前、なんなんだよ……」
「僕は、宇宙人だ……」
「う、宇宙人……」
「そうだ。この星から2億光年離れたポルベンディエリ星からやってきたポルベンディエリ星人だ」
「ぽるべん、なに?」
「ポルベンディエリ星人だ」
「もう一回」
「ポ」
「ぽ」
「ル」
「る」
「べ」
「べ」
「ン」
「ん」
「ディ」
「でぃ」
「エ」
「え」
「リ」
「り」
「ポルベンディエリ」
「ぽるべんでぃえり」
「OK?」
「OK」
しまったな。
適当な設定を作ったら、拓君には単語が難しすぎた。
でも2回で覚えてくれた。
明日には忘れているかもしれない。
その頃にはきっと僕も設定を忘れているだろうから問題ない。
「お前にはこの星を探索する手伝いをさせてやろう。嬉しかろう?」
「えぇ……。俺、バイトあるんで……」
「バイトなんてやめろ。僕の言う通りにすれば一生遊んで暮らせる額の金が手に入るぞ」
「マジっすか!!じゃあバイトやめます。あ、今電話でやめてきます」
拓君はスマホを片手に少し離れた場所に移動する。
バイト先に電話するのだろう。
ちょろいな。
チョロインくらいちょろい。
BL本だったらすでに尻の貞操を失っているぞ。
僕がノンケでよかったな。
「で、どうしたらいいんスか?ていうか兄貴って呼んでもいいっすか?」
「あ、兄貴はやめろ。まあ、そうだな。まず、僕用にスマホを1台契約してきてくれ。あとパソコンと、タブレットも欲しいな」
「えぇ、俺そんな金無いっすよ」
「金なら僕が出すに決まっているだろ。とりあえずこれを渡しておく」
僕はブラックキューブから円の入った石箱を取り出し、そこから30万円ほど渡しておく。
「なんすかこれ!?黒い箱から、また箱出てきましたよ」
「ああ、これは大宇宙のテクノロジーで作られた収納ボックスだ。それより現金だ、受け取れ」
「おお、現ナマ。こんな大金俺見たことねっす」
「いや、30万くらいあるだろ。貯金とかで」
「貯金が30万超えたことねっす。1万円札なんて、10枚以上あるとこ見たことねっす」
「そ、そうか……」
若者の貧困問題。
異世界人の僕にそんな問題を突きつけられても困ってしまう。
とりあえず拓君だけは貧困から抜け出させてやるからな。
携帯ショップと家電量販店で買い物を終えた僕たちは、拓君が住んでいるというマンションに向かった。
駅から結構離れているものの、なかなかいい感じのマンションだ。
13階建てで、拓君は10階に住んでいる。
部屋はワンルームで、家賃は7万5千円。
やっぱり東京は家賃が高いね。
これで都心だったらどんな金額が出てくるのか軽い恐怖を覚える。
しかし家賃7万5千円か。
拓君のバイトの月収は大体毎月17万円前後だと言っていたな。
家賃は大体給料の3分の1くらいが目安だと聞いたことがあるから、少しオーバーしている。
まあ大丈夫だ。
拓君をスターにして、都心のマンションを買ってあげよう。
「お前には、ユー〇ューバーになったもらう」
「〇ーチューバーっすか?俺が?いやいや無理でしょ」
「ただのユー〇ューバーじゃない。お前になってもらうのは、ゴブリン系ユー〇ューバーだ」
「ゴブリン系ユーチューバー?なんすかそれ」
僕は初めて会ったときから思っていたのだ、拓君はなかなかいい声をしている。
それはV〇ューバーにとって得がたい才能。
Vチ〇ーバー、バーチャル〇ーチューバーの略だ。
つまり本人が出演するのではなく、2Dや3Dのアバターを用いて動画投稿や配信を行う者のことだ。
本人が出演しないということは、僕たちは表に出ないということ。
これほど好都合なものは無い。
そして僕たちには丁度いい3Dキャラクターがいる。
ゴブ次郎という一大役者が。
無駄にかっこいい二つ名をしよって。
自分で考えたのか?
僕は拓君が部屋で一生懸命自分の二つ名を考える姿を想像して、哀れみを禁じえない。
「なんだその目は!!てめえやっぱ俺のこと舐めてんな!!!」
拓君は両手を腰の後ろにやり、2本のナイフを取り出す。
それを器用にクルクルと回している。
すごい、左右で別の動きをしている。
なにこれ、普通にすごいんだけど。
「ビビッて声も出ねえか?だがこれで終わりじゃねえぜ。俺が千刃と呼ばれる所以はな!!」
拓君は2本のナイフを空中に投げると、懐からさらに2本のナイフを抜き放つ。
どうなってしまうんだあの空中のナイフは。
拓君はなんと空中のナイフと手に持っている2本のナイフを交互に空中に投げ、クルクルと器用に回しながらジャグリングを始めた。
すごすぎるよ千刃の拓。
刃の数は四刃だけど、そこは突っ込んだらいけないところなんだよね。
もしかしたらまだナイフ持っているかもしれないし。
「へへへ、ビビッたか?」
凄いとは思うけど、ビビッてはないね。
なんでこれをやったらビビると思ってしまったのか。
なんだか出会いは最低だったけど、拓君は憎めないキャラだな。
きっと不良の先輩とかにも可愛がられる愛されキャラなんだろうな。
ちょっとバカだけど。
ちょうどいい、こちらでの協力者が欲しいと思っていたところだ。
これも何かの縁だろう。
ちょっと協力をお願いしよう(物理)
人通りの無い路地に、尻餅をついて後ずさりをする大柄の青年。
「ひぃ、なんで俺の千刃インフレーションブレードが効かねえんだよぉ……」
技名かっこいいけど、ただの投げナイフやないか。
きっと猛練習したんだろうことだけは伝わってきたよ。
しかし今の僕には物理攻撃も魔法攻撃もほとんど効かないんだな、これが。
申し訳ないね、チートで。
僕は毛魔法でなるべく気持ち悪い触腕を作り上げ、背中でうねらせる。
「ひぇっ、お、お前、なんなんだよ……」
「僕は、宇宙人だ……」
「う、宇宙人……」
「そうだ。この星から2億光年離れたポルベンディエリ星からやってきたポルベンディエリ星人だ」
「ぽるべん、なに?」
「ポルベンディエリ星人だ」
「もう一回」
「ポ」
「ぽ」
「ル」
「る」
「べ」
「べ」
「ン」
「ん」
「ディ」
「でぃ」
「エ」
「え」
「リ」
「り」
「ポルベンディエリ」
「ぽるべんでぃえり」
「OK?」
「OK」
しまったな。
適当な設定を作ったら、拓君には単語が難しすぎた。
でも2回で覚えてくれた。
明日には忘れているかもしれない。
その頃にはきっと僕も設定を忘れているだろうから問題ない。
「お前にはこの星を探索する手伝いをさせてやろう。嬉しかろう?」
「えぇ……。俺、バイトあるんで……」
「バイトなんてやめろ。僕の言う通りにすれば一生遊んで暮らせる額の金が手に入るぞ」
「マジっすか!!じゃあバイトやめます。あ、今電話でやめてきます」
拓君はスマホを片手に少し離れた場所に移動する。
バイト先に電話するのだろう。
ちょろいな。
チョロインくらいちょろい。
BL本だったらすでに尻の貞操を失っているぞ。
僕がノンケでよかったな。
「で、どうしたらいいんスか?ていうか兄貴って呼んでもいいっすか?」
「あ、兄貴はやめろ。まあ、そうだな。まず、僕用にスマホを1台契約してきてくれ。あとパソコンと、タブレットも欲しいな」
「えぇ、俺そんな金無いっすよ」
「金なら僕が出すに決まっているだろ。とりあえずこれを渡しておく」
僕はブラックキューブから円の入った石箱を取り出し、そこから30万円ほど渡しておく。
「なんすかこれ!?黒い箱から、また箱出てきましたよ」
「ああ、これは大宇宙のテクノロジーで作られた収納ボックスだ。それより現金だ、受け取れ」
「おお、現ナマ。こんな大金俺見たことねっす」
「いや、30万くらいあるだろ。貯金とかで」
「貯金が30万超えたことねっす。1万円札なんて、10枚以上あるとこ見たことねっす」
「そ、そうか……」
若者の貧困問題。
異世界人の僕にそんな問題を突きつけられても困ってしまう。
とりあえず拓君だけは貧困から抜け出させてやるからな。
携帯ショップと家電量販店で買い物を終えた僕たちは、拓君が住んでいるというマンションに向かった。
駅から結構離れているものの、なかなかいい感じのマンションだ。
13階建てで、拓君は10階に住んでいる。
部屋はワンルームで、家賃は7万5千円。
やっぱり東京は家賃が高いね。
これで都心だったらどんな金額が出てくるのか軽い恐怖を覚える。
しかし家賃7万5千円か。
拓君のバイトの月収は大体毎月17万円前後だと言っていたな。
家賃は大体給料の3分の1くらいが目安だと聞いたことがあるから、少しオーバーしている。
まあ大丈夫だ。
拓君をスターにして、都心のマンションを買ってあげよう。
「お前には、ユー〇ューバーになったもらう」
「〇ーチューバーっすか?俺が?いやいや無理でしょ」
「ただのユー〇ューバーじゃない。お前になってもらうのは、ゴブリン系ユー〇ューバーだ」
「ゴブリン系ユーチューバー?なんすかそれ」
僕は初めて会ったときから思っていたのだ、拓君はなかなかいい声をしている。
それはV〇ューバーにとって得がたい才能。
Vチ〇ーバー、バーチャル〇ーチューバーの略だ。
つまり本人が出演するのではなく、2Dや3Dのアバターを用いて動画投稿や配信を行う者のことだ。
本人が出演しないということは、僕たちは表に出ないということ。
これほど好都合なものは無い。
そして僕たちには丁度いい3Dキャラクターがいる。
ゴブ次郎という一大役者が。
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