異世界の無人島で暮らすことになりました

兎屋亀吉

文字の大きさ
3 / 17

3.ステータス

しおりを挟む
 俺の選んだスキルは以下の5つだ。

・火弾
・石工
・体毛操作
・アイテムボックス(小)
・通販(微)

 やはり体毛操作を捨てられなかった。
 ゲーハーの足音はすぐそこまで来ているのだ、これは仕方がない。
 まあ戦闘に使えそうな火弾と手に職の石工、小さいとはいえチート代表のアイテムボックス、ポテチとコーラの通販だ。
 これだけあればなんとか異世界でも生きていくことができるだろう。

「それではスキルを付与します。以後もう変更はできませんよ。いいですか?」

「はい」

 ファイナルアンサーだ。
 神様の持つ焼き鳥の串先が光り、俺の中に何かが入ってきた。
 なんかエッチな気分になってしまいそうな感覚だ。
 
「はい完了です」

「もうスキルが使えるのですか?」

「使えますよ」

 俺は持っていたビールの空き缶をアイテムボックスに収納してみる。
 虚空に穴が開き、空き缶が吸い込まれていった。
 かっこいい。
 ゲートオブバ〇ロンみたいだ。

「ステータスと念じると自分のスキルのレベルを確認することができます」

「え、スキルってレベル制なんですか?」

「そうですよ」

 これはチートの予感がしてきた。
 今は大したことができないスキルばかりだが、俺が選んだのはレベルが上がれば色々なことができるようになりそうなスキルばかりだ。
 俺は言われたとおりステータスと念じてみる。

名 前:オクモト
年 齢:28
魔力値:10
スキル:【火弾lv1】【石工lv1】【体毛操作lv1】【アイテムボックス(小)lv1】【通販(微)lv1】

 ずいぶんとスッキリしたステータスだ。
 ゲームのようにレベルや能力値がずらっと並んでいるようなこともなく、俺の名前すらも省略されてしまっている。
 これではファミリーネームを名乗って貴族かと聞かれるあのやり取りができないじゃないか。
 まあJK神様は弱小という話だし、少々適当なのは仕方がないか。

「この魔力値というのはなんですか?MPのようなものなのでしょうか」

「ゲームで言うならば、レベルが近いのでしょうか。魔力値の強さは魔力の多さを表わしています。魔力が多ければスキルを何度も使うことができるのは当然として、身体能力や身体の頑丈さも上がります」

「なるほど、そういう感じなんですね。ではこの10というのは高いのでしょうか」

「低いですね。子供でも15くらいはありますよ」

 しょんぼりだ。
 別にそこまで俺ツヨがしたいわけではないが、子供より弱いというのは男としては少し複雑な気分なのだ。
 かませ異世界人が現地人主人公の少年に無双される光景が目に浮かぶようだ。
 あまり目立たないように生活したほうが現地主人公に目を付けられる可能性は低くなりそうだ。

「魔力値はモンスターを倒せば少しずつですが上げっていきます。強く生きてください」

「はい」

 まずは地道にレベル上げだな。
 スキルのレベルも上げていきたいし、あまりいきなり異世界っぽいことなどは期待しないほうがいいだろう。
 そういえば、JK神様から具体的な行動指針などを聞いていないな。
 JK神様の支配地域で暮らすだけでいいのだろうか。

「あの、具体的に私は異世界で何をすればいいのでしょう」

「私の支配地域に一人でも多くの人を呼んできてください。できれば街などを作って私を祭ってくれるとありがたいです」

「なるほど」

 地域おこし協力隊みたいなものか。
 過疎地域に住んで、地域の活性化に励むというわけだ。
 それくらいなら俺にもできるかもしれない。
 まあぼちぼちやっていこう。

「もう異世界に行きますか?」

「ちょっと待ってくれますか?こちらの世界で買い物などして行きたいので」

「わかりました」

 今住んでいるワンルームマンションは会社が借りているものなので、会社に辞めることさえ告げられれば全ての手続きができる。
 しかし今は深夜だ。
 今日は残業組で一番最後まで残っていたのは俺なので、連絡しようにも会社には誰もいない。
 仕事量が増えるであろう同僚たちには申し訳ないが、ばっくれさせていただこう。
 しかし貯金くらいは全額使っておかなければもったいない気がしている。
 日本銀行券なんか異世界に持って行ったところでコーラとポテチを買う資金くらいにしかならなさそうだし、なるべく使ってしまいたい。
 少しの名残惜しさを残して俺はラブホを出てコンビニに向かう。
 JK神様は俺の後ろをついてきてくれているようだ。
 まずはお金を下さなければ。
 こんな時間でも銀行からお金を出金することのできる時代に生まれてよかった。
 引き出す金額は小銭以外の全額だ。
 固定残業の会社でも6年も勤めれば多少の纏まった額が貯まる。
 ATMを長いこと占領して結構いい車が買えそうな額を下したので、店員さんに少し怪しまれてしまったかもしれない。
 まあいい、俺はあと数時間でこの世界からいなくなる人間だ。
 警察に通報されようが、職質される前に買い物を済ませて向こうの世界に行ってしまえばいいのだ。
 次に向かったのはドン・〇ホーテだ。
 こんな時間でも開いている大型店舗はこのへんでは24時間スーパーかドンキくらいしかない。
 JK神様の支配地域には人が全く住んでいない状態なのだという。
 ということはしばらくは野宿のような生活が続くと思われるので、あらゆる事態に備えた物資を買っておかなければならない。
 幸いにも資金は潤沢なので、高そうなキャンプグッズとかを大人買いしてしまおうかな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

借金5億で異世界転移、よりによって金本位制の世界だった

夜明け一葉
ファンタジー
32歳の個人トレーダー・佐藤慧は、5年間の雪辱を賭けたトレードで5億円の借金を抱え、意識を失った。目覚めると、そこは剣と魔法が存在する見知らぬ世界だった。常識が通じない異世界で、金貨を見るだけで嘔吐する「金アレルギー」を抱えながら、若き冒険者リナと出会い、生き延びる術を探し始める。諦めることだけができなかった男が、新たな世界で再び立ち上がる異世界サバイバル譚。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

異世界と地球がダンジョンで繋がった ー異世界転移者の私ー

白木夏
ファンタジー
2040年の初春、突如として地球上の主要都市に謎のダンジョンが出現した。 その特異性は明らかで、人口密集地を中心に出現し、未開の地には一切現れないという法則性を帯びていた。 人々は恐怖に震えつつも、未知なる存在に対する好奇心を抑えきれなかった。 異世界転移した最強の主人公のほのぼのライフ 主人公はあまり戦ったりはしません。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。

山椒
ファンタジー
そのコンビニにいた人たち全員が異世界転移された。 異世界転移する前に神に世界を救うために呼んだと言われ特典のようなものを決めるように言われた。 その中の一人であるフリーターの優斗は異世界に行くのは納得しても世界を救う気などなくまったりと過ごすつもりだった。 攻撃、防御、速度、魔法、特殊の五項目に割り振るためのポイントは一億ポイントあったが、特殊に八割割り振り、魔法に二割割り振ったことでチートな箱庭をゲットする。 そのチートな箱庭は優斗が思った通りにできるチートな箱庭だった。 前の世界でやっている番組が見れるテレビが出せたり、両親に電話できるスマホを出せたりなど異世界にいることを嘲笑っているようであった。 そんなチートな箱庭でまったりと過ごしていれば迷い込んでくる女性たちがいた。 偽物の聖女が現れたせいで追放された本物の聖女やら国を乗っ取られて追放されたサキュバスの王女など。 チートな箱庭で作った現代技術たちを前に、女性たちは現代技術にどっぷりとはまっていく。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

辺境で静かに暮らしていた俺、実は竜王の末裔だったらしく気づけば国ができていた

平木明日香
ファンタジー
はるか五億四千万年前、この星は六柱の竜王によって治められていた。火・水・風・土・闇・光――それぞれの力が均衡を保ち、世界は一つの大きな生命のように静かに巡っていた。だが星の異変をきっかけに竜の力は揺らぎ、その欠片は“魂”となって新たな生命に宿る。やがて誕生した人類は文明を築き、竜の力を利用し、ついには六大陸そのものを巨大な封印装置へと変えて竜王を眠りにつかせた。 それから幾千年。 現代では六つの大国がそれぞれ封印を管理し、かろうじて世界の均衡を保っている。しかし各地で異常な魔獣が出現し、封印の揺らぎが噂されはじめていた。 そんな世界を気ままに旅する青年がいる。名はブラック・ドラグニル。三年前からハンターとして魔獣を討伐し、その肉を味わいながら各地を渡り歩く放浪者だ。規格外の実力を持ちながら名誉や地位には興味がなく、ただ「世界のうまいものを食べ尽くす」ことを楽しみに生きている。 ある日、光の王国ルミナリア近郊で王女ユリアナが大型魔獣に襲われる事件が起きる。死を覚悟した騎士団の前に現れたブラックは、その怪物をわずか数十秒で討ち倒す。彼にとっては雑魚同然だったが、その圧倒的な強さは王国中に知れ渡る。王女は自由に生きる彼の姿に心を奪われるが、ブラックは次の目的地へ向かう計画を練るばかり。 だが彼自身はまだ知らない。 自らが竜族の末裔であり、世界を再び“統合”へ導く鍵となる存在であることを。 竜の封印が揺らぐとき、自由を愛する青年は世界の命運を左右する選択を迫られる。 これは、竜の記憶と人の魂が交錯する壮大なファンタジー叙事譚である。

処理中です...