異世界の無人島で暮らすことになりました

兎屋亀吉

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12.女神像の完成とスキルポイント

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「できた……」

 石工スキルを駆使し、総作業時間300時間ほどかけ、JK神様の石像が完成した。
 サイズは等身大。
 ご要望通り実際に会った印象よりも二割増しくらい胸を大きく作った。
 あちらの世界でJK神様と出会ったときは深夜のテンションだったし、話したのはラブホだったのでかなり美化されているかもしれない。
 実際のJK神様はミニのワンピース姿だったが、石像は俺の妄想を爆発させて高校の制服のような衣装になっている。
 全て石でできているので当然キャストオフはできない。
 そのような恐れ多いことができようはずもない。
 この石像の特徴は、なんといっても色があるということだろう。
 普通石像は1つの岩から削り出すため色はほとんど一色だし、石膏像は真っ白だ。
 しかし俺がJK神様からもらった石工スキルは石を切ったり貼ったり混ぜたりすることができる。
 そのため色の濃い石と薄い石を部位ごとに使い分けることによって、白黒漫画のように色の濃淡で色彩を表現することができるのだ。
 雪のように真っ白な肌は白っぽい石で、良い匂いがしそうな亜麻色の髪は淡い色の石で、強い意思を宿した真っ黒な瞳は濃い色の石で作ってある。
 それだけのことだが、まるで本当に生きているかのように躍動感が生まれている。
 我ながらいい出来だ。
 特に100時間くらい作り込んだ脚のラインがたまらん。
 色の濃い石で表現した黒ストッキングがまたいい味を醸し出している。
 膝の裏のところに少し皺ができるくらいのサイズ感のストッキングだ。
 このくらいが一番好きなんだよな。
 膝上丈のミニスカートに黒ストッキングなんか履いた女は大体、脚を見せたいけれど同性からは嫌われたくないという中途半端にあざとい女だ。
 しかし男はそういう女が大好きなのだ。
 黒ストッキングなんか履いたら人によっては素足よりもエロいと思う男も多いというのに、それがわかっているのかわかっていないのか女は黒ストを履く。
 JKはわかっているのかいないのか微妙な年ごろだ。
 そんなJKの見せる不安定な魅力をうまく引き出せている作品だと思う。
 まあJK神様は神様なのでおそらくそのような年齢ではないと思うが。
 
「これで女神クエストをひとつクリアしたことになるのか」

 ステータスを確認すると女神像のクエストが消え、SPが10ポイント増えていた。
 どうやらJK神様も石像の出来に満足してくれたようだ。
 このSPというのを使えばスキルの成長を早めることができるのだよな。
 どのくらいのSPをつぎ込めばスキルレベルを1アップさせることができるのかわからないので慎重に使っていこう。
 スキルごとに必要なポイントが違う可能性もあるが、とりあえずは同じだと仮定して進める。
 上げる優先順位は火弾、アイテムボックス(小)、通販(微)、石工、体毛操作の順かな。
 石工と体毛操作の2つのスキルについては現時点ですでにスキルの性能に不満はないので後回しでも構わない。
 石壁の拡張により日々拠点の安全性が上昇している状況では完全な戦闘スキルの火弾と便利系スキルのアイテムボックス(小)、通販(微)の2つのどれを上げるか迷うが、一応危険が無くなったわけではないので火弾をまず最優先で上げることにした。
 現段階の豆鉄砲のような魔法スキルでは巨大イノシシの子供相手でも全く倒せる気がしない。
 スキルをぶっ放しただけで倒せることはなくとも、せめて動きを阻害するとかある程度のダメージを与えることができるくらいの威力は欲しいところだ。
 俺はステータスのSPの部分をタップした。
 すると俺がJK神様からもらった5つのスキルのリストが出てきた。
 スキル名の右側には、1/10という数字が表示されている。
 熟練度のようなものだろうか。
 あれだけ毎日使った石工スキルですら2/10にすら達していないとは、スキルをたくさんもらった対価は思った以上に重たいな。
 地力でスキルレベルを上げていたら死ぬまでかかってもオール2くらいまでしか上がらないのではなかろうか。
 女神クエストとSPのシステムは大変ありがたい。
 俺はさっそく火弾のスキルにタップしてSPを注ぎ込む。
 SPを1消費することにより、火弾スキルの右側の数字が2/10に変化した。
 どうやらSP1ごとに熟練度が1上昇する仕様なようだ。
 俺は迷う事なく火弾の熟練度を10まで上げる。
 ステータスを確認すると、火弾スキルのレベルが2になっていた。
 俺はJK神様の石像に感謝の祈りを捧げた。
 
「ありがたやありがたや」

 スキルレベルの上限が100とかであれば、このレベルアップにそれほどの価値はない。
 しかし俺はそうではないと思っている。
 上限が100であるならばレベル2に上げるのがこんなに大変なはずがない。
 スキルを5つ持っているからといって俺だけそこまでハードモードにされるとは思えない。
 そう願いたい。
 とにもかくにも、レベルアップしたスキルを使ってみる以外に確かめる方法はない。
 俺は指先を意識して火弾と念じる。
 人差し指の先にチリチリと空気を燃やすような火の弾が生まれた。
 火弾は今までにないような眩い光と空気のゆらぎを纏っており、間違いなくパワーアップしていた。
 レベルが1つ上がっただけでこれほどまでに変わるものなのか。
 これはレベル上限が5ということもありえるな。
 俺が無双する日も近いかもしれない。
 俺は指先を石壁に向け、火弾を放った。
 高速で放たれた火弾はビームのような軌跡を描きながら一直線に壁に激突した。
 衝撃波で少し髪がなびく。
 特に爆発なんかはしなかったものの、石でできた壁に小さなクレーターを作って消えた。
 近づいて確認するとクレーターは硝子のようにツルツルしている。
 これは石壁の表面を溶かすような高温が生じたということだ。
 めちゃめちゃパワーアップしているじゃないか。
 これならば、イノシシ野郎に一矢報いることができるかもしれない。
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