季節の廻らぬこの場所で

三日月 玲音

文字の大きさ
3 / 3
First story~始まりの冬~

First story~始まりの冬~[2]

しおりを挟む
 朝食を食べ終えた後、雷吟は例の『新しい家族』を迎えに行ってくると言って、家を出て行った。
「・・・ヒマ、だなぁ・・・」
怜は、ソファーのうえでうつ伏せになり、ポツリと呟く。
すると、怜の寂しげな雰囲気を感じ取ったのか、飼い猫のオズが怜に近づき、顔を摺り寄せてきた。
「オズ、お前も寂しいのか?」
「ミャアーン」
寂しげに鳴くオズを優しくなでながら、怜は少しの間、眠りにつくことにした。
怜がちょうど眠りについたとき、玄関の方で鍵を開ける音がして、それからドアを開けて誰かが家の中に入ってきた。
「ただいま、怜。居るか・・・って、なんだ、寝てしまったのか。」
『新しい家族』を連れて帰ってきた雷吟は、『新しい家族』を部屋の外に待機させて、ソファーの上で気持ちよさそうに眠る怜の頬をそっとなでる。
「怜、起きろ。『新しい家族』が来たぞ」
「ぅう~ん・・・」
怜は、雷吟の呼びかけに、不機嫌そうに唸って答え、のっそりと起き上がる。
「怜、新しい家族だ。さぁ、入って来なさい。」
雷吟は、部屋の外にいる『新しい家族』を呼ぶ。
「紹介しよう。この子は、氷室 冬だ。」
「よろしくお願いします。」
冬と呼ばれた少年は、怜を見てニコッと笑う。
「よろしく、冬」
そう言って、怜もまたニコッと笑う。
「さて、と。自己紹介も済んだところで、怜。仕事だ。」
雷吟は、急に真剣な顔になる。
「わかった。こいつも行くの?」
雷吟の言葉に、怜も真剣な表情になる。
「あぁ。頼む。」
「・・・わかった。仕度してくる。」
不本意そうにしながらも、怜は深くうなずき、自室へと向かった。
                 🌙                                 🌙
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんとの親子丼をちょっと書きたくなっただけです。

初体験の話

東雲
恋愛
筋金入りの年上好きな私の 誰にも言えない17歳の初体験の話。

処理中です...