【完結】剣の世界に憧れて上京した村人だけど兵士にも冒険者にもなれませんでした。

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課題は、クリア

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 エリザベス様達の整備に付き合った後は、戦利品や採集品を1階の事務室に持って行く。ノックして、取り巻き1人とジュンが中に入って行った。玄関横の大きな窓から部屋を覗くと、セーナと一緒に手続きをしたテーブルの上に他の者の戦利品と思われる袋や紙でまとめられた薬草がいくつか見える。僕達以外にも泊まり掛けしない選択をした者が居るみたいだ。

 テーブルに品物を置いて、名前かな?何か書いた紙を品物の袋や薬草の束に挿して終了。テーブルに小山を作ったジュン達と合流した。

「名前いっぱい書かせちゃったね。お疲れ様」

「ううん、大丈夫。事務員の女性ひとが驚いてたよ。たくさん持って来たから」

 労いの言葉に感想を返すジュン。窓の向こうから見てたけど、嵩だけは他の者の戦利品の3倍か4倍はあったからな。

「あの女、ユカタ見て手ぇ振ってたね」

「仲良しなんだよ。それにセーナの事崇拝してるみたいでさ」

 ロシェルの嫌味を軽く流して学生用玄関へ。コッチから出ても怒られる事は無いだろうが移動距離変わらんしな。

「レイナ嬢、明日はどうなさるおつもりでして?」

「はい。まだ決めかねております。寮の中で全てを決められませんので。ユカタ、クリスさんももう少し良いかしら」

 エリザベス様の質問に答えるレイナは僕とマッチョに話を振る。明日の予定か…。

私達わたくしもこの場で決めないとなりませんわね」

「俺は新参だし、お嬢様方に合わせるぜ?」「オレも」

「なれば明日は休みとしましょう。課題に見合う戦利品は集めたハズですし」

 ミルコとエヴィナの答えにエリザベス様は休養を選択した。経験は糧だが、戦利品が鉄貨1枚にもならないのでは報われない。それに体調コントロールも冒険者には大事だ。

「クリスさん、ユカタ。貴方達はどう?」

「俺は戦ってねぇからダメージもねぇが…。兄弟はどうよ」

「うーん」

「何?悩み事?ハグしたげよか?」

「ダンジョンって言っても行けるのは地上階だけだし、2層の植生を見て回っても良いけど…」

「歯切れが悪いですね」

「敵の分布はエリザベス様達にお聞きしたものね」

「お金にならない…からかな?」

「戦闘なら任せろ?」「戦闘…ああ、そゆこと~」

 ロシェルは僕の心配に気付いたようだ。

「ユカタはね、他のオッサン共とかち合いたくないんだよ。ね?」

「そうだね。それが一番だよ」

「確かにな。俺達は無かったが、他の奴等はドヤされてんのを見たぜ?」

 ミルコの意見を聞いてますます行きたくなくなる。声を上げてくれる冒険者はまだ良い。問題は逆のパターンだ。戦利品を奪われたり怖い思いをするのも良い経験だが、良い経験で終わらない事もあるのだ。

「ではこちらも、明日は休みにしましょ。休むも良し、勉学に励むも良し。外でブフリムを殴るのも好きにしたら良いわ」

 レイナの意向が示された。

「だったら弟を借りるぜ?外で遊んで来らぁ」

「おうよ」「あ、オレも行って良いか?」

 マッチョとガサツは外出。ブフリムを虐めに行くようだ。

「エリザベス様、私達は魔法の鍛錬に当たりたいと思います」

「良くってよ」

「レイナ様、私も鍛錬したいです」

「付き合うわ」

「私は魔法の鍛錬しようかな。良い、かな…?」

「良いですとも」「貴女の魔法は刺激になるわ」「一緒にお茶もしましょ」

 取り巻きと3人衆は鍛錬するのだと。

「ユカタ、どしよ?」

「僕に聞くなよ。したい事無いのか?」

「朝の鍛錬したらご飯食べて、寝るくらいしか思い付かないよ」

「ならそれで良くない?」

「あンたどーすんのよ」

 僕か。

「装備を揃えたいかな」

「お金あんの?それにまだ着られるじゃん」

「戦闘用じゃ無いんだよ。手脚の皮もだいぶ熟れて来たし、そろそろ金属の内履きにしても良いかなーって」

「じゃあ街に出るの?」

「迷子にならないよう気を付けるよ」

 串焼き頼まれた。僕の金で…。






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