18 / 1,519
全部で一万
しおりを挟む馬鹿共のガチャガチャに叩き起され俺の朝が始まる。
今日は買い物したら野宿する予定。
朝食の鳥と野菜のスープとソーサーを平らげ、出掛け越しに筋肉ハゲに挨拶しておく。
「明日まで野営してくる」
「女でも出来たか」
「そう言う時に言う言葉は《世話になったな》だろ」
「生きてたら帰って来い」
「死んだら化けて出てやる」
「聖水買って待っててやる」
ギルド、混んでるけど聞きたい事あるし行かないとなー。
で、やっぱり混んでた。鑑定カウンターのマニアで良いか。
「マニア、少し良いか?」
「おはようございます。鑑定ですか?」
「それは近い内に頼む。聞きたい事があるんだが…」
ポーションの精製に使うような器具について聞いてみたが中々の博識。染み出る液体を集める器具が買えそうな店を教えて貰った。
露店通りの風呂屋の反対側の路地を進むと、文字が消えた看板がある。ここが調合用品店と言われても初見じゃ素通りするだろう。
「客が来たぞ」
静かな店内に俺の声が響く。
どこの店も所狭しと商品を置くのが好きなのか?とにかく雑多。何処に何があるか分からない。
「本当に客かい?」
「ギルドのマニアにこの店を聞いた。簡単な装置を作りたいので材料を見繕って欲しい。高過ぎたら見積もりを出してくれ」
頭にホイップの乗った爺さんがカウンターに現れた。
「ドラゴンスケイルの樹液を採取したい」
「吸い出すのか?」
「自然と集まるのを待つつもりだ」
その程度なら…、とウロウロガサガサカウンターに乗せていく。ビーカーにガラス管。うーん、そうじゃない。
「ビーカーより瓶が良いな。あと柔らかい管はないか?蓋をしてゴミが入らないようにしたい」
それなら…、と再びガサゴソ。
蓋付きの薬瓶二つ、短いガラス管二本、動物の腸で出来た管、そして布切れと紐。全部で一万ヤン。端数はおまけしてもらった。
「上手く行くと良いの」
「いかなきゃ丸損さ」
買い物も済んだし…、行くか。山側の門に向かった。
門を出て暫くは森。そこから斜面が増えて禿げた岩山になる。近道は無く見通しが良い為飛んで行けない。森の中は楽をして、岩山からは仕方なく歩く振り。
山羊の野獣が居るけど襲っては来ない。草食だしな。
蛇を捕まえてた鳥の野獣も居るがクルクル飛んでるだけ。
モンスターが居ないと楽で良い。人も居なけりゃ早く行けるのにな。
山頂で昼飯食ってる奴らを横目に、ここからは尾根伝いに降りて行く。降りるのは早い。
こちら側には蛇が居るが棒でペッと弾いてやれば斜面を転がって行く。鳥のご飯だし殺生はしない。
山の昇り降りで午後をだいぶ過ぎた。早足っぽく飛んでドラゴンスケイルの実を取りに行く。ちなみにこれは俺のご飯だ。
実のあるドラゴンスケイルの前に辿り着き、樹液の採取に取り掛かる。
実をナイフで切り落とし、本体の切り口にガラス管を突き刺すと、汁がジワジワ流れて来る。
ぽたぽたしたのを舐めてみる。うん甘い。
ガラス管・腸管・ガラス管と繋ぎぽたぽたを確認。穴を開けた布に突き刺し、瓶にガラス管を差し、布を紐で縛り蓋をする。あとは倒れないように補強して完成。
暫く時間が掛かるので薪を拾ったりスケイルの実を取って食ったりして過ごす。
着火の練習もしなければ。
火打石の火花を狙った所に落とすのには苦労したが火自体はすぐに付けられた。火口のおかげだ。
火花の落ちた火口を鰹節にした枯れ木で囲み、優しくゆ~っくり息を吹いてやると、次第に白煙が上がり炎が上がる。あとは細い枯れ木から徐々に太くしてやれば良い。
火を見ると落ち着くな…。時間は夜になっていた。
で、樹液の様子確認してないじゃん。
瓶を見ると七割くらい溜まってた。一度瓶を外してガラスの蓋をする。ぽたぽたは続いているのでペロリ。うん、甘い。新しい瓶に変えて朝まで様子を見よう。
朝になり、瓶を見ると汁が溢れてた。
最初に取った物と後の物と、味を比べてみるがどちらも同じ感じだ。汁を無駄にしないように余裕のある方に少し足し、ガラスの蓋をする。まだ余裕があるのでガラス管を差して蓋しとく。
人が居ない内にスケイルの実を採取しまくろう!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる