女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
49 / 1,519

紙なんてとんでもない

しおりを挟む


 朝、屋内トイレの穴にはたっぷり蟹が入ってた。光魔法で覗いたイゼッタがドン引きしてる。瑠璃色で綺麗なのにな。うんこしたいが葉っぱが無いので取りに行くと二人も着いて来た。

「所でイゼッタよ、以前は尻を何で清めてた?」

「ん?紙」

「紙なんてとんでもない。貴族様ですか」

「ん。貴族様」

やはり紙かー。売ってないんだよなー。

「無駄金遣いは海綿とか使ってた」

海綿居るのか。

「因みに、皆の好みの葉っぱとかあるのか?俺はこの肌触りが良い奴」

「私はこれ。血止め草」

ギルドに卸せば十枚二百ヤン。高級品やん。

「あたしは痛くなければ何でも」

「ならば、この血止め草を栽培してみないか?」

「畑穿つ?」

「伐採痕も広くなりましたしね、良いかと」

そんな訳で、今日は畑作りになった。
テイカには血止め草を掘り出してもらう。根を痛めたくないので土ごと頼んだ。

イゼッタは風魔法で畑を穿つ。柔らかくなった土から石や木の根、切り株を俺が取り除く。
切り株は竈を作るのに必要なので軒下に投げとく。
板を使って畑を馴らし、畑の完成だ。肥料などは植えてから様子を見てやるしかない。ぶっちゃけ血止め草の薬効なんて要らないし、葉っぱが立派ならそれで良い。

後はテイカを手伝って、血止め草を三十株移植した。全滅したら、暫くイゼッタは尻拭けないな。

三人共々土塗れの汗塗れ。畑の横で全裸になって水魔法で洗い清めた。血止め草にも掛けといてもらおう。土を濡らさないと活着しないからな。

「昼飯を食ったら風呂作りを再開しようと思う」

「ついに!」

「待ち望んでおりました」

ただなぁ、石風呂は重いんだよな。とは言え木組みは水漏れするだろうし…。
で、考えついた。

「石造りは重い、木造は水漏れがする」

「うん」

「二つの良いとこ取りをしようと思う」

「どう言う事でしょう?」

「排水路のある石の皿の上に、木の風呂を作る」

「ほうー」

「なるほど。水漏れしても良い、と言う発想ですね」

「イゼッタには以前から風魔法で削っている石を切り出して貰う事になる」

「がんばる」

「更に伐採と製材だ。持つのか?」

「が、がんばる…」

「心配だ」

抱き着いて来るイゼッタを撫で回し負担の少ない方法を考えた。

「やはりたがねと楔だな。岩を割るのは俺がやる。イゼッタは木を頼むぞ」

「カケル大好き」

「あたしもお慕いしております」

「テイカは暫く畑の水遣りと食事番になる。手伝わせられなくて悪いな」

「全身全霊お仕えします」

鏨と楔を買う為に、肩掛けカバンとナイフを持って街に向かって飛んでった。


 武器屋の前で逆モヒカンの親父が珍しく掃除なんてしてる。

「また来たぞ」

「ん?おお、家建ててる小僧か」

「家は出来た。今は風呂を作ろうとしてる」

「ハッ!貴族様じゃあるめぇし」

「公衆浴場一回千五百掛かるんだよ」

「……意外とかかるな、三人分か」

「だろ?なので鏨と楔を買いに来た」

「入ぇんな」

武器屋の癖に建築資材の豊富な店だ。
鏨三本、楔二十個を買い上げ。これも買え、とのみ二本を買い、砥石はおまけでくれた。

「鎹は足りてるか?」

「タンスの金具にする程余ってるよ」

「足りなくなったら買いに来い」

確かに補強は大事だな。また来ると言い残し帰路に着いた。
帰りにゴーラを狩って帰宅。肉食獣女子達お喜び。
早速捌いて焼肉に。干し肉とは食う量が違う。

元気になった女子達とベッドでプロレスごっこして寝た。マウントを取られ幾つカウントを取られたか覚えてない。
明日から岩と格闘なのに…。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・ 転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。 そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。 <script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

処理中です...