101 / 1,519
甘い食べ物
しおりを挟む《今一番甘い食べ物》と指示して飛んでいるが、島を飛び越え大陸に入ってしまった。
島には無い木の実でもあるのだろうか?
森の中にある小高い岩山の上空で下降を始める。パッと見木の実も草も見えない。これ嫌な予感がする奴だ。
岩の隙間に黒い染み。中にも外にもブンブンブン。蜂と言うより、羽の生えた鋏の無い蠍が無数に飛んでいる。
尻尾が尖ってるし、刺されたら大変だなこりゃ。
五ドン程の黄色い蠍蜂が一匹此方に飛んで来た。此奴は多分斥候だ。間合いを保ってゆっくり逃げて、何とかお帰り頂いた。
こりゃ無理だよ。戦うのは多分問題無いが、巣の中に入ったら逃げ場が無くて負けると思う。
刺されて腫れる程度なら良いが、即死レベルの毒だったりしたら洒落にならん。
《蜂蜜以外の甘い食べ物》と指示を変えて飛んだら普通に糖の実成ってたよ。
成ってる実をありったけカバンに詰めて、植樹用に枝も数本貰って飛んで帰った。
「カケル、どこ行ってた」
イゼッタさんがプンスコしてらっしゃるので糖の実を献上して怒りを収めて貰う。
糖の実は王女達も知っていて、大層お喜びになられた。
露店のおまけで貰った壺では足りなそうだと言う事で、イゼッタが木をくり抜いて蜜樽を作ってくれた。
くり抜いた後に僅かに成長させて、内側に皮を発生させると漏れなくなるのだそうだ。よくそんな事知ってたもんだと感心したが、水でやって漏れまくったのだと。
失敗は成長の母である。
夕飯は肉と魚の燻製の炙りとソーサー。鍋は糖の実を煮てるので仕方無いね。
干し肉の燻製は歯応え増し増しになっているが味も増し増しになっていた。美味いんだが顎が疲れる。ナイフで削いでちょっとずつ食べるのが良さそうだ。
勝手に干し肉の燻製を作ってたので今一度窘めとく。燻製作りは燻製器の換気をしっかりしてから取り込まないと本当に死んじゃうぞ?
蜂蜜と言い燻製と言い、命を懸けてまで得る物じゃない。
蜂蜜と聞いてスイーツ女子共がザワつくが、採る手段がないので諦めてもらった。
皆殺しにして得ようとする程、彼女らも鬼では無い。
因みに貴族社会でも蜂蜜は超貴重で、基本は上の貴族への贈答用。王家に集まるかと思いきや、最終的には宗教関連と魔法関連に集められるそうな。
そう言う人達に取っては命懸けになるのかも知れんな。
「カケル様の魚釣りも命懸けですね」
「懸けるつもりは全く無いのだがな」
魚の動きを避けられない理由は、俺の反応速度が遅い訳では決して無い。
彼奴らには敵意が無い。唯々捕食の為、ある意味何も考えず口に入れてしまうのだ。丸太の釣り針も吐き出さなかったしな。
敵意に反応して逃げる指示を出しても無意味なのである。
蠍蜂の斥候も然り。警戒心のみで近寄って来てたので魚と同じ指示だったらハグされて、避ける隙を無くされた上でプチコーンやられてたかも知れない。
明日は街に行って鍋釜を補充しよう。大量に余ったもじゃりも処分したいしな。
「あのもじゃり、売れると思うか?」
「手間の割には安いかと思います」
「逆に、原料の方が買い手が付きそうではありますね。良くない目的にしか使われないと思われますが」
「わかるー」
「理性が飛ぶからそれもちょっと。私は好きだが」
サミイにくれてやって寝具屋の儲けにしてやるか。義理の弟か妹も増える事だし。
飯の後は風呂に入って、完成したベッドで激しい使用テストを行った。柔らかいフェルトだが一晩ではへたりも無く充分な反発を得られた。
広いのに固まって寝るのはちょっと暑いです。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・
Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・
転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。
そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。
<script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる