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兎小屋
しおりを挟む朝飯を食べながら兎達に必要な物、その優先度を考える。
衣食住。
着る物や荷物は元々少ないそうだ。後で前集落に取りに行くが買う方が多いな。優先度低め。
食べる物は買う量が増えるだけで気にならん。それよりも畑を作る事に注力したい。食べられる迄に時間が掛かるので優先度は高かろう。今の時期に蒔く種も買ってあるし。
親達曰く、乳飲み子が居ないので子供部屋はあれで良いとの事。大人の個室は急務だと思う。
皆に予定を説明し、各自仕事に従事してもらう。
イゼッタと兎達は畑作りだ。イゼッタが魔法で大地を穿ち、兎達がゴミを払って畝作り。多分今日中には種蒔きまで終わるだろう。
メイド二人は家事。昨日汚した兎小屋をキレイにしてもらう。すまん。
俺とリア、テイカは食事当番となった。
今度こそは、と蔦で縛った丸太を担いで崖に向かう。今日はテイカとリア、そして子兎共が観戦者だ。
今回の指示は条件反射で食い付いてくる魚に対応させた。
(俺に対する全ての捕食行為から逃げる)
短く纏まり自画自賛してしまうな。
それに可愛い天使達が見ている前で失敗などする訳にはいかん。甲高い応援を受けて海面にゆっくり降りて行き、飲み込まれた。ダメじゃん。
宙を浮く巨大魚がゆっくり陸に上がると、すかさずテイカが腹を割く。
でろ~んと出て来る臟と俺に子供達驚きを超えて声も出ない。
「…海には…、近付くなよ…?」
返事は無かった。しかし海に近付く兎は居なかったと言う。
外した臟を海に投げ、海中での激しい獲得戦をよそに家に戻った。魚は誰も持てないので再び俺が乗り込んで浮いて運んだ。
家の前に運び込んだ魚をテイカが素早く捌いてく。これには天使達もお喜び。キャッキャしてる可愛い。
柵取りした切り身を燻製器に仕込む真っ赤でネバネバした俺。天使がギャーっと逃げて行く悲しい。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙…」
ずり足で、ゆっくりと、時に素早く子兎達を追う。この世の終わりのような声で逃げ惑う子供達。
「カケル様ぁ…」
「メッですよ?」
テイカとリアに怒られた。しょんぼり。滝壺行って洗って来ます…。
切り身はリアの魔法で薪に着火され、もくもくと煙を上げた。明日には美味しく燻されているだろう。魔法使いはどこに行っても人気者だ。優しくておっぱい大きければ尚更だ。
服を着替えて昼飯食べて、午後はどうしよう?イゼッタと大人の兎は畑の続きをするそうだし、メイドらは洗濯物が増えたので洗いに行くと言う。テイカとリアは子供達に拉致されてしまい、残るは俺とお客様。
「旦那さま、兎さん達の集落で荷物の回収しましせんか?」
「そうだな。兎の誰かを一人連れて行くか」
畑に向かいイゼッタと兎達に説明すると、纏め役の娘、ニトが着いて来る事になった。
二人とも戦う力が無さそうなので注意しなきゃ…。
荷車に肩掛けカバンを放り込み出発だ。
時間が惜しいので速度を出したが、スピードに慣れてない二人は小さくなって震えてしまった。
集落に着くまで左右から抱き着かれてた。
「怖かったのですー!」
「旦那さま…、腰が抜けました…」
木々が邪魔で荷車は集落に入れないので、腰抜けを背負って集落に入った。物色はニトに任せて俺は周囲の警戒と重い物係だ。サミイは纏め役の家に寝かせておく。
持って行く物は料理関係に衣料品や武器、薬品類が殆どだ。
兎達は草を編んだ布団で寝ていたのだが、これは持って行かなくて良いらしい。
肩掛けカバン三つでは足りず、荷車へ積みながらの回収になった。
「ニトよ、これで全部か?」
「はいです。後はあちらでも用意できますので」
「サミイはもう平気か?」
「大丈夫です。帰りはもう少しゆっくりお願いしますぅ」
「ゆっくりしながら帰るか」
尻を撫でられたサミイは嫌がる素振りも見せず、ニトは自ら体を擦り付けて来た。
イチャイチャしながら夕飯に間に合うように飛んだ。
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