女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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面目躍如

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 猛スピードで上空千ハーンまで飛び上がると、海に落とした干し肉も同じだけ飛び上がり、干し肉を咥えてるモンスターも釣られて上がって来た。
顔はワニのようで長い口に鋭い歯が生えている。胴体からは四足動物の手足の位置に鰭があり、尻尾は長く真っ直ぐで俺を引っぱたこうと振り回してる。

「海竜…だよなこれ」

それにしてもデカすぎる。頭から尻尾の先まで五十メートルはあるぞ。怪獣か!?
近寄っても尻尾ビンタされそうだし、こんな鉈では攻撃にもなりゃしないに決まってる。鉄球を思い切りぶつけてやれば殺れそうだけど、魔石に当たったらとても困る。考えろ…、考えろ…。

良し、逃げよう。

と言っても逃げるのはお前だがな!干し肉!!
干し肉だけを高度一万ハーンに逃がす。で、暫く放置する。相手は死ぬ。
島の直上まで戻って来ると、下で多分テイカが待ってる。きっと驚くだろうなあ。
凍り付いた海竜を千ハーンまで降ろし、一緒に地面に降り立つと、巨大生物の登場に皆驚愕してた。
龍であるリュネですら、

「凄い上物ですね!」

とはしゃいでる辺り余程の物なのだろう。今迄何度も魚を釣ろうとして食われてたからな。面目躍如だぜ!
凍っているのでテイカのナイフや俺の大鉈では薄皮一枚切れやしない。イゼッタの風魔法でチュイーーンと切ってもらった。

「カケル、これ、食べれる?」

「ふむ…、リュネよ、これ人が食べても平気かな?」

「毒は無いので食べられますが…あれはダメですよ?破裂しても知りませんからね?」

それから、リュネの指示でイゼッタが魔石を取り出し、更に柵取りまでやって貰った。凍ってるから仕方ないよな。その分一杯お食べ。
魔石の方はと言うと、体の大きさに比例してるのか、やはり大きかった。俺の背丈より大きい魔石は海の色より深い青。宝石だったら何兆円になるのか?

「国宝にされて然るべき程の魔石ですわね…」

「リュネはこれどーすんだろな?」

「魔力を吸い出す…とか?」

  「人の身には解りかねます…」
「フラーラさんが正解ですよ。それより夕飯が楽しみです」

「カーケールー手伝ってー」

イゼッタ一人に働かせるのは可哀想なので、皆して手伝い解体や加工をした。
燻製室がパンパンになり、肉干場も満員御礼。生肉は充分に確保して、全ての鍋を使って煮込まれた。
それでも全然減らなくて、居住区の軒先を干場にし、更に屋根にも並べ、木の枝に吊るした所で諦めた。

「せめて皮を剥ぎ取って、残りは海に返しましょう」

「低温の貯蔵庫、作っておけば良かった…」

「入りきれない」

「それもそうだが」

「ご主人、また凍らせば良いのではないか?どうやったのかは知らんが」

「それがあったか」

「どーやったの?」

「凍る程高い空に放置しただけだ」

「可能でしたら皮を剥いだらお願いしたいです」

  「勿体無いですもんね」
この日から暫く、空に新たな星が出来たと言う。

 そして待ってた夕飯は、海竜のステーキとソーサーの二品。スープは鍋全部煮込んでて作れなかったそうだ。
味はクジラに近い感じで、海の香りのする牛肉と言った所。筋以外は意外と柔らかく、俺は嫌いじゃない。
初めて食べる海の肉だが、皆概ね良好の様子。だが毎日これだと絶対飽きるので干し上がったら売ってしまいたい。

あ、忘れてましたが雄でした。そっと海に返しました。

お腹一杯肉を食い、風呂に入ってベッドにイン。リュネは倉庫で魔石と一緒に寝るそうだ。寝ると言うより魔力を吸収するみたい。明日にはおっぱい大きくなってるかな?リアとサミイを揉み比べながら眠りに着いた。
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