女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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泣いて喜ぶ

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 微睡みの中、股間に挿入感があるので朝の快楽を味わっていると肉布団が目を覚ます。

「カケルひゃま…、おはようおあいまふ…」

テイカだった。昨夜は収めて寝たんだっけ。深く舌を絡めて腰を振り、吐き出す。

「おでかへびよりですえ、カケルはま」

「凄く二度寝したいが、仕方無いな」

「じゃんねんでふ」

言葉の割に締め付けるのでもう一回して起きた。まだ日の出前だが準備せねば。

 昨日のうちに屋根の大きさに切ってもらった海竜の皮を荷車の天井に載せて縛る。二十枚で一ハーン程の厚みがあるので四十枚載せたら門ギリギリ。これでも胴体の半分、背中の良い所である。

「ご主人、朝食ができましたぞ。あと干し肉だ」

  「こっちは燻製です」
「車軸が心配だから此処で食べる。すまんが持って来てくれ。それと昼飯はあるか?」

「心得た。昼食も持って来よう。ラビアンが籠を用意してくれたからな、おやつも入るぞ」

そんなこんなで荷物を積み込み、人を乗せたら出発だ。
見送るテイカに手を振って、明けの空に飛び上がった。

「テイカは、凄い」

「ん?」

「わたしじゃ半分の時間も持ちませんよ」

「挑戦してみたくはある」「一度体験したいです!」

「…私は、ギリギリまででお願い致します」

夕方前に着けるように、昼飯を挟みながらゆっくり移動した。


 午後を過ぎ、街が見え始める辺りで地面に降りた。タイヤの耐久テストもしたいしな。ガラガラと音を立て車輪が回る。サミイの家に着くまで走らせてみよう。
小一時間掛けて門に着き、手続きを経て街に入ったら、サミイの家に直行して両親殿にご挨拶。お土産あるので一杯食べてね。
その後海竜の皮を担いでギルドに向かうが、夕方だから人が多く、とにかく見られる。
××高さの皮の塊だ。しかも皆見た事も無い品だろう。見られても仕方無し。買取カウンターの受付は知らない獣人の女だった。

「いらっしゃいませ、買い取りですね、量が多いのでそこに置いといて下さい」

カウンターから出て皮を凝視して…倒れた。

「大丈夫か?」

「な、何よこれ…」

「落ち着けとは言わん。別室で処理しようぜ?」

静かに素早く頭を振った。受付嬢と鑑定士と俺の三人別室に向かう。鑑定士は何時もの男だ。

「カケルさん、暫くです。彼女は簡易鑑定が出来るのですが…、ヤバそうな品ですか?」

「多分な、フリオなら小便チビってるぞ。あ!」

「なっ、なんでしょう…」

「悪いな、忘れ物だ」

「コレよりヤバいとか、無いですよね?」

「ヤバいぞ。ギルマスが脱糞するくらいヤバい」

「そっちは明日で…どうです?」

「夜の闇に紛れて引き渡したかったんだがなー」

「あの…、お客様。因みに何を持ち込むつもりなのでしょう?」

「簡易鑑定で見ただろ?海竜だよ」

「海竜ですと!?」

「頑張って皮は剥いだ。そこにある奴は半分って所だ。早く鞣さないと加工出来なくなる。
魔石は此方で使うので確保した。多分魔石一つで戦争起きちゃうからな。
肉はかなり加工して食べまくってる。で、その余り、皮と肉の付いた骨を持って来た」

「あのあの、ギルドマスター案件だと思います」

「カケルさん、よろしいでしょうか?」

「会いたくないけど大手を振って喜ぶだろうなぁ」

受付嬢がギルマスを呼びに行く間に生皮の鑑定をしてもらう。

「こりゃ凄い…、全部背中で傷が無い」

「皮職人が泣いて喜ぶな」

「下手な職人なら泣くだけですね」

そうこうしているとドアを勢いよく開けてギルマスとカロ、最後に受付嬢がお茶を持ってやって来た。
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