女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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嫉妬の視線

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 龍の卵が孵ったおかげでミーネの家の作成が滞る。フェルトの作成は引き続きしてもらうとして、屋根の作成は休止となった。即ち、暇である。

「暇ならば装備を見繕っては如何か?」

  「買い物もしたいです」
街に行きたいって事ね。フェルトの作成には水魔法が必要なので、今回はフラーラとテイカが同行する事となった。ノーノは残念そうだが仕方無いね。フラーラに買い物内容を熱心に覚えさせていた。

身支度を済ませたら荷車に乗って出発だ。空に上がると屋根の骨組みに座るリュネが居た。道理で見ない訳だ。子龍が殻をハムハムしてるのを、きゃわきゃわ言って見て御座る。それを見てるミーネはグルグルと唸ってるが、俺と目が合うと尻尾の先をピルピルして来た。行ってらっしゃいって事だろうな。


「ドラゴンの赤ちゃんですか!?凄いですね!」

寝具店にてお茶を飲み飲みサミイを甘やかす。テイカとフラーラは買い物に行ってしまったのでヌプヌプしたかったが、今日は両親殿が居るので自粛した。暫くは家に居るそうなので荷物を纏めに部屋に籠ってしまった。プリ尻の癒しが得られなかったのでとっとと防具屋に行こう。
エメラルダスの防具屋に向かうがちょっとした人集りが出来ている。何ぞ?人の隙間を縫ってスルスル店に入ると、タンクがアタッカーになっていた。顔がシュッとして結構キレイ系になってるじゃないか。

「もー!買わないなら出てってよ!!あ、カケル様いらっしゃい。皮なら全部出来てるよ?」

「大分痩せたな、見違えたよ」

「まだまだだよ。もう少し待っててね」

男達の嫉妬の視線と罵声を浴びて、気持ち悪い。

「防寒用の装備を頼みたかったんだがまたにするかな」

「お客さんなんだから堂々としてよ?此奴等買わないから客じゃないし!で?どんなのが良いの?」

「人前で言うのは恥ずかしいんだが…」

「え?もしかしてそっち系?」

「違うわい。どうやら俺は、人に舐められ易いらしい」

「やっぱりそっちかー」

「だから違うって。弱そうに見られてるって事」

「あー、冒険者としたらスカウトっぽいもんね。防具は皮だし、武器も鉈だし」

「なので取り敢えず強そうに見えるのが欲しい。脱ぎ着し易い防寒着だと尚更って感じ」

ふんふん言いながらぺたぺた体を採寸する元タンクに嫉妬の声が高まる。

「エーメ、そんなヒョロガキに構ってねぇで俺の相手しろや」

肩を掴まれたので脱糞しない程度に《威圧》すると、男はその場でぶっ倒れた。振り返るとハゲマッチョだった。禿げたくは無いがマッチョの方が強そうには見えるよなー。大鉈を抜き、銘を見せびらかす。この街では武器屋の親父の業物にしか銘のある武器は無い。この事は、この街の者なら皆知ってる常識だ。

「《威圧》で倒れたハゲマッチョに此奴を刺して殺す程度の強さは持ってるんだよ。汚れるからやらんけど」

鞘に戻すと人混みは少しづつ消えて行った。ハゲマッチョも仲間に引き摺られ何処かに行ってしまった。

「助かったよー!最近買わない奴ばっか来て困ってたんだ」

「それだけお前が魅力的になったって事だな」

「濡れる事言わないで!?」

濡らしてズブズブしたい所だが、先ずは装備の見積もりだ。鞣した皮を使って作る事にしたので、見積もり金額はそれ以外の材料と手間賃を以前渡した皮の代金から引いてもプラスになった。プラスになった分はデザイン料って事にしてやるので、とにかく強そうな見た目にしてくれと頼んむと、張り切って仕事モードに入ってしまいズブズブはお預けとなり、諦めて店を出た。
ああ、空が青い。串焼き買って海に行こう。

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