女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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 今朝は早起きして朝食を摂り、海岸へまっしぐら。急いでは無いけど昼前には出発したいのだ。因みにイゼッタとテイカは森に木こりに行った。が、持って帰れるのか?テイカは見た目以上に力持ちだし、刻んでピストン輸送すれば問題無いか。
海岸に着いて早速ミズゲルを《集結》させる。隙間無く密になった所で集中!ミズゲルから核だけを更に《集結》させると塊になった核がプリュっと音を成して取れた。核を抜かれたミズゲルは水の中で揺らいでいるが、多分生きてはいまい。核は袋から取り除かれた状態で、軽く洗えば充分な程キレイに取れた。
中々恐ろしいスキルだなこれ。

一回に付き二十~三十個も取れるので、一時間もしない内に水面一面死んでるのとそれを食べてるのだらけとなる。乱獲は良くないと思うし、核も多分五百個くらい取れたので引き上げよう。
予定よりだいぶ多く核を集められたが、落ち着いて加工出来る場所が無いので一旦島に戻ろうと思う。《感知》でイゼッタ達を探すと、まだ森の中に居るようだ。合流場所も決めて無かったし、此方から出向くとしようか。

「イゼッター、テイカー。迎えに来たよー」

街から出て、暫く歩いた森の中に皮を剥いた丸太の輪切りに囲まれている二人を見つけた。

「調子に乗って切り過ぎた」

「輪切りだと、逆に嵩張って持ち運び難い事を学びました」

「こっちも思いもよらず取れ過ぎたから丁度良いさ。ゴーラでも狩ってこのまま島に帰ろうか」

「作れるだけ作るのかと思ってた」

「一度に作った方が製品のばら付きが減るからな」

輪切りの木材を《収納》したら荷車を出して空に上がり、そのまま島に帰還した。
途中、昼飯やらトイレ休憩を挟んで、帰って来たのは夕方過ぎ。お迎えの一番乗りは子供達とカラクレナイ。子供同士仲良くなってくれてパパ嬉しい。四足で走って来て足に絡み付いて短い尻尾を千切れんばかりに振っている。女の子等も抱き着いて来て顔をスリスリしてる。股間にスリスリする振りをして甘噛みしないで下さい。男の子等はお土産お土産と煩いので狩って来たゴーラを一匹ずつ乗せてやったら潰れた蛙の鳴くような声を出して潰れていた。後で木刀でも作ってやろう。取り敢えず飯だ!

夕飯に肉のミンチを焼いた物が出た。ハンバーグだ。リアが指揮して試行錯誤した結果、カラクレナイからお墨付きを頂いた逸品、との事。外はカリッと、中は肉汁に溢れると共に適度な噛み応え。塩と香辛料が効いてて美味い。ソーサーに挟んでも美味いが米食べたい。

「ノーノよ、お酢の他に発酵や熟成を利用した調味料って無いのか?」

  「はっこう、ですか?初めて聞きます。熟成は香辛料を作る際使われています」
「はっこう?」

「腐って利用出来無くなるのを腐敗、利用出来るのを発酵と言う」

「へー」

「加熱を薪に頼らなくなって来たし、そろそろタレを作っても良いかと思うんだ」

「私の指揮した料理はカケル様のお口には合わなかったのですね…」

「姫様、それは杞憂と言う物です」

「ああ、予想を超えて美味かったぞ?タレを作るのは薪を沢山使うから今迄口出ししなかっただけで、皆の料理は店を出せるくらい美味い。酒や酢、お茶があるのに他の発酵食品は無いのかなーって。あるなら用意したいし無いなら作ってみたい」

「お茶、腐ってたの?」

「発酵だよ」

  「イゼッタ様は金茶をご存じですか?」
「聞いた事だけ」

  「私達が普段口にしてる赤茶とは作り方が違うそうです。多分その事かと」
「なるほど」

その後話し合うも発酵食品の存在は確認出来無かった。属性魔石が出来たらバルタリンドに行って材料を集めてみるか…。
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