女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
243 / 1,519

新居作り

しおりを挟む


 

 明日からは新居作りと言う事で、昨夜はゆっくり寝かせてもらった朝。朝食を食べたら作業に取り掛かる。
先ずは整地から。ミーネの家の横。緩やかな斜面の木を《集結》させて、根っこ毎引き抜いたらそのまま圧縮して丸い塊にしてしまう。余裕を見て三十×六十ハーンを切り開いた。《散開》《集結》《伸縮》を駆使して地均しを行い整地が完了した。

「カケル、家まだ?」

まだ始まっても無いよ。イゼッタが持って来た熱々のお茶をフーフーしながら飲んで作業再開だ。因みにイゼッタ達は属性魔石を組み立ててるそうな。

 地均しした土地に柱状節理を突き刺して行く。前は長さを計って穴を開けていたがスキルに慣れた今なら効率的に作業が出来るぞ。均した地面を《伸縮》で柔らかくして、五ハーン間隔でキレイに整列させた柱状節理を真っ直ぐゆっくり垂直に降ろしてやると、地面にズブズブ飲み込まれて行く。一番低い場所が深さ十ハーン埋め込まれた所で《伸縮》を解除すると、五十五本の柱が並ぶ墓場のようになった。
続いて床梁を組んで行く。短辺の側から梁を並べる事五十一本。《伸縮》で密着させたら長辺側だ。余分を切り取りながら十五本並べたら縦横の梁が面一になるまで《伸縮》で押し潰して表面を均した。石材の使用はここ迄。余った石柱は斜面の土留めとして尾根側の柱に壁になるように積み重ねた。ミーネの家の方もやっておこう。

「カケル様、ご昼食の用意が整いまし…カケル様?」

リアが新居の土台の近くで呼んでいる。俺はミーネの家の下で作業してたので見付けられないようだ。

「こっちだよ。直ぐ行く」

埃塗れの体を《洗浄》し、リアを抱き上げ昼飯だ。午後は陸に上がると言うと、無言でカラクレナイがしがみ付く。街には行かないのよ?二人きりは不安なので保護者同伴してもらう。

「家族三人水入らずでお出掛けですね、うふふ」

「グリューネワルターが行きたいのなら私は構わないがカラクレナイはどうしたい?」

「グギ…」

「良かったな。嫌々ながら同行して良いそうだぞ?叔母よ」

「貴女にとっては妹です」

苦しいのでオーラを纏わないで!吐きそうなの!!

「辞めろ。連れてかないぞ。吐くぞ?」

「あら、ごめんあそばせ」

「妹よ、お前は構い過ぎるんだ。その内嫌われるぞ?」

「解りました。好かれるように善処しまーす」

懲りてないな。ミーネから放たれたほんの一瞬の殺気、俺にも分かったぞ?とても吐きそう。お茶の時間を少し長めに取って、何とか体調を持ち直した。不運にもドラゴニックオーラに触れてしまった数人の兎は、今もイゼッタの回復魔法で治療中だ。

「ついムキになってしまいました。ごめんなさい」

「非を詫びる事が出来るのはリュネの良い所だが、今苦しんでる子達には伝えたかい?」

頭を冷やしたリュネがシュンとしてる。溢れ出る魔力もだいぶ抑えられて…、ああ、俺も魔力が見えるようになったのか。ともかく詫びに連れて行き、終わった頃には日が傾きだしていた。このまま行っても帰りが遅くなるし、今日は諦めよう。

 明けて翌日、反省して遠慮がちになったリュネに跨り空に上がる。ミーネの上にはカラクレナイが乗っている。ミーネ曰く、飛ぶ練習も兼ねているのだと。ハーネス着けて首から下げればもっと飛んでる感が出そうだな。

「カケルさん、始めて乗せるのでゆっくりで良いですか?」

「落ちても俺は飛べるから、風の結界だけしっかり頼むよ」

リュネはグルルと返事をすると、言葉通りゆっくり移動し始めた。リュネの鱗は龍にしてはだいぶ細かく、背中でも掌程の大きさだ。そしてスベスベしてる。ミーネと違って摩擦力も掴む所も無いので結構滑る。結界のおかげで風は来ないが鞍が欲しいな。



しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

暗殺者から始まる異世界満喫生活

暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。 流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。 しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。 同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。 ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。 新たな生活は異世界を満喫したい。

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・ 転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。 そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。 <script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...